読者のみなさま、こんにちは。
旅恋アンバサダー「世界のファインダイニング」担当の江藤詩文です。
毎年こちらでお伝えしている「アジアのベスト50レストラン」。2025年はソウルの「グランド ハイアット ソウル」で開催されました。
*「アジアのベスト50レストラン」の概要を解説した2022年の模様はこちら
*コロナ禍を乗り越えてアジアのシェフがシンガポールに再集結した2023年の模様はこちら
*初めての開催地となったソウルで”チームジャパン”がワンツーフィニッシュとなった2024年の模様はこちら
そして2025年は日本から11軒がランクイン。まずはファンのみなさまお待ちかね、アワードでキャッチしたシェフたちのスマイルと共にランキングをおさらいします。
日本最高位の4位はSÉZANNE(フォーシーズンズホテル丸の内 東京)
La Cimeは8位、NARISAWAは12位
Florilègeは17位、傳は22位。2024年に好評だった「旅恋」サービスショット、今年もいただきました(笑) photo:長谷川在佑
初登場のCronyは30位。ソムリエの小澤一貴さんは「アジアのベストソムリエ賞」に輝きました!
茶禅華は34位。チーム傳のみなさまと
初登場のMAZは43位。サンティアゴさんはcenci(63位)の坂本健さんたちが開催したコラボレーションに参加するなどたくさんのイベントを体験しました
33位は鮨 さいとう、36位はGoh、そして初登場の明寂が45位にランクインしました。
アジアのトップに立ったのはバンコクのGaggan。
ガガンさんの写真を撮るつもりがなぜかセルフィーに(笑)。ヴィトンとコラボしたGaggan at Louis Vuittonも31位に入っています。photo:Gaggan Anand
今年のベスト50にはアジア16都市からランクイン。東京と並ぶ9軒がランクインするほど、ここ10年で急成長したバンコクのほか、香港やシンガポールいった美食都市が大半を占めています。もちろんどのレストランも間違いない。
加えて注目してほしいのが51位~100位のリスト。全100軒を眺めていると、タイに続くガストロノミー大国として大ブレイクしそうなのは韓国、続いて中国やインドが盛り上がっていることがわかると思います。
アワードに合わせてソウルではさまざまなイベントが行われました。わたしが参加したなかで、特に読者のみなさまとシェアしたいのがこちらの3つ。
Florilège×Eatanic Garden(ソウル・25位・ハイエストニューエントリー賞)×Solbam(ソウル・55位)。昨年と同じメンバーでの開催となりました。デザートにはあずきとこおりのかき氷も
韓国の魚貝や海藻を使い、フロマージュブランや発酵キャベツのソースを合わせるといったFlorilègeらしい感性を生かしたひと皿
2年連続してEatanic GardenおよびSolbamとタッグを組んだFlorilègeの川手さんは「彼らは技術力が高くセンスもいい。韓国のファインダイニングを発展させるシェフであり、学ばせてもらうこともたくさんありました」と言います。いわば川手さん(と私)のお墨つき。Eatanic GardenとSolbamにはすぐにでも行ってほしい。
Crony×Ando(香港・41位)×respiracion(金沢)Restaurant Allen(ソウル)の8ハンズ。ランクイン店がライジングスターとタッグを組みました
サステナブルな養殖に取り組む和歌山・大瀬戸水産のイサキ。Cronyはあえて日本の食材を持ち込み、メニューにも生産者名を記し、日本の生産者の志高いサステナブルな活動まで表現しました
慣れない調理場かつイベント特有の高揚感のなか、完璧な料理を披露したCronyの春田さん。2カ国語でスマートにサービスする小澤さんと共に、日本のレストラン業界のレベルの高さを強く印象付けました。
respiracionとRestaurant Allenは共に圏外ながら二つ星。つまりソウルのフーディーたちは「次にランクインするのは、韓国はRestaurant Allen、日本はrespiracion」と見ているわけです。Restaurant Allenはシャンパーニュ好きには特に推したい。respiracionは予約困難ですが、ボーター(投票者)が席をゲットできれば、早ければ来年、おそらく2,3年内には50にランクインすると私は期待しています。
伝統的韓国料理を現代的に再解釈したGiwaKangで、醤のマスターを迎えて開かれた韓国醤油と味噌のプレゼンテーション
トップ画像はこのイベントの料理の一部。韓国は「K-フード」が世界的にポピュラーになったいま、「K-キュイジーヌ」をブレイクさせ、続いて「K-ヘリテージ」の発信に力を入れています。
というわけで、2025年版「アジアのベスト50レストラン」を踏まえたガストロノミートリップを計画するなら、国内は金沢を中心に北陸、海外は身近なソウルがいま気分かと。
インド・ヒマラヤ山脈のふもとにある秘境系レストラン
よりディープがお好みのトラベラーには、インドをおすすめしたい。たとえばこちら。L’evo(レヴォ)かな、と思うような人里離れたヒマラヤの森の中、自家菜園を手がけながらのファインダイニング…興味をそそりませんか?
果たしてそこはどんなレストランだったのか。ぜひ「世界のファインダイニング」をお楽しみに!
取材・文/江藤詩文