世界のファインダイニング by 江藤詩文

第1回 日本が誇るフレンチの名店「Restaurant Florilege(フロリレージュ)」(東京・外苑前) –前編-

2020年7月のメニューより「ヤングコーン」。とうもろこしパウダーのスポンジやポレンタなど、コーンの持つさまざまなテクスチャを楽しめます

「旅恋」読者のみなさま、はじめまして。

みなさんは、ファインダイニングに行ったことはありますか? 私は、初めての旅先では、滞在中できるだけ一度はその街のファインダイニングを体験することにしています。

「劇場型」と言われるキッチン一体型ダイニング。写真は2019年2月、フィリピンのトップシェフ、ジョルディ・ナヴァラさん来日時に撮影

ファインダイニングは高級店がほとんどですし、旅先で貴重な資源(時間とお金)を使うなら、お店選びに失敗したくないですよね。そこでこのコラムでは、私が実際に行ったお店から絶対に外さない1軒をご案内します。合わせて緊張を和らげる楽しみ方や予約のコツなど、ちょっとしたチップスもお伝えしたいと思います。

2020年7月のメニューより「アンディーブ 昆布」。和の食材の昆布にブルーチーズのソースやレモンのコンフィチュールを合わせた新鮮な味わい

第1回でご紹介するのは、私のホーム・東京を代表する「フロリレージュ」。「ミシュランガイド東京2020」二ツ星、2020年版「アジアのベストレストラン」7位。オーナーシェフ・川手寛康さんが率いる独創的なフレンチレストランです。

ゆったりとしたウェイティングスペース。クロークとパウダールームも併設。
ここでリフレッシュしてから、とっておきの非日常な時間が始まります

ファインダイニングは、料理に特化したうまいもの屋ではなく、数時間を費やして最高の総合芸術を五感で体験する場所。「フロリレージュ」も、料理以外にも内装や家具、花、テーブルウェア、ワインやドリンク、接客時のスタッフの会話まで、選び抜かれたさまざまな要素が凝縮しています。

本来は、これらすべてをじっくり味わい尽くすのが醍醐味ではありますが、この店に初めて行く人に向けて、個人的にこれだけは注目してほしい点を3つに絞りました。

2020年3月のメニューより「分かち合う」。この夜の肉は岩手県産のホロホロ鳥。
縮みほうれん草のミルフィーユと共に美しく盛り付けられました

ひとつは、とうもろこしやさつまいもといった国産の野菜が持つ繊細な味わいを際立たせるアミューズ。 2点目は、ファインダイニングではほとんど使われなかった経産牛に価値を与えた「サステナビリティー、牛」や、大きな塊肉を一期一会のゲストがシェアする「分かち合う」といった川手シェフからのメッセージを、料理を通じて受け取ること。そして最後に、食材が調理されて食べ手の元に届くまで、何も包み隠すことなく、すべて見ることができるキッチン一体型ダイニングのライブ感。

季節のフルーツを飴細工に閉じ込めたミニャルディーズ。果実本来の自然な甘みがアミューズの甘みとリンクして、コース全体の印象をより深めます

上記の3点に加えて、フロリレージュが日本でトップクラスのファインダイニングであり続ける大きな理由があります。そちらは後編でじっくりと。

Restaurant Florilege

公式ウェブサイトのRESERVATIONからオンライン予約可

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