今日も古墳日和 by 多田みのり

第13回 地形を考慮して造られた古墳や埴輪だらけも!大室古墳群 後編(群馬県・前橋市)

【古墳群プロフィール】

名  称:大室古墳群(おおむろこふんぐん)
古墳の形:前方後円墳4基
時  代:6世紀初頭から後半
整備状況:日本キャンパック大室公園内にある前方後円墳4基とも史跡整備
展示施設:公園内の「大室はにわ館」で出土品や複製した埴輪・土器を展示している。
U R L:https://www.city.maebashi.gunma.jp/soshiki/kyoiku/bunkazaihogo/gyomu/3/2/5109.html

群馬県前橋市の大室古墳群は日本キャンパック大室公園内にあり、南から北へ前二子(まえふたご)古墳・中二子(なかふたご)古墳・後二子(うしろふたご)古墳・小二子(しょうふたご)古墳と並んでいます。後編は、後二子古墳と小二子古墳を訪ねます。

小像付き円筒埴輪が出土した後二子古墳

前編でご紹介した前二子古墳と同じく、明治11年に石室が開口され調査が行われました。2段築成の前方後円墳で、築造は6世紀後半、墳長は85mあります。

石室は南に開口しますが、古墳そのものは北〜東側から見た方が大きく立派に見えるように整えられています。埴輪も北には大きなものが設置されており、見晴らしの良い方角を古墳の正面にする努力が見受けられます。古代人が地形などを考慮して色々工夫した痕跡を見ると、なんだか親しみが湧いてきます。

墳丘長85m、高さ11mで葺石はありません。
南に開いた石室には入ることができ、墓道の両側には円筒埴輪が復元されています。
右側(北から東)の方が大きさの揃った埴輪が並び、左側は大きさがまちまちなのがわかります。

両袖型横穴式石室は全長9m、玄室は奥へ行くほど幅が広がる造りで、大きな石が使われています。

石室の近くの前庭部では、死者を送る儀式が何度か行われたようで、
6世紀後半から7世紀前半の甕・鉢・杯・高坏などの土器や火を焚いた跡が出土しています。 

出土した埴輪の一部には「親子猿」や「犬」の小像が付けられていました。いわば“マスコット付き”の埴輪はどういう目的で作られ、この古墳にすえられたのでしょうか。また馬形埴輪は、大阪府四天王寺宝物館に収蔵されている「人が乗る馬形埴輪」と同じ制作者のものであることがわかっています。被葬者の人物像とこだわりがうかがえます。

小さいけれど埴輪がいっぱいの小二子古墳

小二子古墳はその名の通り、大室古墳群の中で一番小さな古墳。後二子古墳と西にある山との間の狭い空間にはめ込むように造られています。後二子古墳と同時期に方向をあわせて計画的に築造されていることから、それぞれの被葬者は関わりが深い人物であると推測されています。

全長は38m、高さ5mの2段築成の前方後円墳。
石室は壊れていましたが、入口部分はそのまま残っていたため、
石室をどう塞いだかを確認することができました。

小さい古墳ながら、後円部と前方部、それぞれにたくさんの埴輪が立てられていました。人物、馬、家、大刀などの形象埴輪と円筒埴輪がずらりと並んでおり、埴輪の種類を学ぶのに最適です。

前方部には王や兵士、馬飼と馬などの人物埴輪が並んでいます。
これに対して後円部には、大刀や翳(さしば:高貴な人の顔の前に差しかける団扇のような物)、
靭(ゆぎ:矢筒の一種)などが並んでおり、人物はいません。

★古墳日和ポイント★

4つの古墳にはそれぞれ個性があり、石室にも入れるので古墳初心者でも楽しんで回ることができます。公園内にレストランなどはないので、来る前にお弁当などの準備を忘れずに。

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