あなたも「近代化遺産」萌え! by 関屋淳子

第15回 非公開施設に潜入できる!舞鶴赤れんがガイドツアー 後編(京都府・舞鶴市)

軍港として発展した舞鶴。前編では舞鶴赤れんがパークについて、ご紹介しましたが、後編はよりディープに赤煉瓦に触れるガイドツアーをご紹介します。

旧北吸浄水場配水池

旧海軍の軍需品や水雷の保管庫として明治35年(1902)前後に建てられた赤れんが倉庫群。ガイドツアーは通年の土曜・日曜・祝日と毎週木曜に開催。普段入ることができない重要文化財の施設をガイド付きで見学します(10時30分~12時15分、2000円、要予約)。

赤れんがパークに集合し、まずは倉庫群を楽しみます。そのうちの一棟、普段非公開の内部へ。この倉庫は、映画のロケ地になったということで、その時の小道具類がそのまま残っています。建物は2階建てですが、階段は老朽化のため上がることができませんでした。内部の壁は湿度調整のために、煉瓦の上から漆喰を施しています。

倉庫内に潜入

赤れんがパークの見学のあとは、海上自衛隊の施設を右手に見ながら、徒歩約20分の旧北吸浄水場配水池へ向かいます。ここは旧海軍の軍艦や軍施設の飲料水を蓄えていた施設。約6㎞離れた与保呂地区には桂貯水池と堰堤があり、高低差を利用してこの浄水場まで送水していました。明治34年完成の水道施設は重要文化財になっています。

内部は導水壁がずらり

内部は巨大な煉瓦造りの5列の導水壁があり、配水池の水がよどまないように流れる仕組みになっています。深さ5.6mの池の底を歩くとその大きさが実感できます。導水壁をよく見るとアーチの模様が入っていたり一部は石の素材が使われたりと凝った造りであることがわかります。でもここって、水が満ちていて見えないわけですが、こういうところに手を抜かないのが明治の近代化遺産なんですよね。上屋は大正15年に建てられたもので、鉄骨トラス組み、波トタン葺き。トタンが軽快な感じを加えていて、一見チャラく見えますが、近代水道システムの技と美が備わっています。

この迫力にうなってしまいます

この施設がある場所はちょっと小高い丘で眺望もよく、運が良ければ自衛隊の護衛艦も楽しむことができます。

今回は桂貯水池を見学することは叶いませんでしたが、舞鶴は近代化遺産の足跡が多く残る町。また再訪し、さらに赤れんが三昧したいと思っています。

舞鶴赤れんがガイドツアー http://www.maizuru-kanko.net/spot/sightseeing/akarengatour.php

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