ひとり旅にアート心も入れて by 塩見有紀子

第41回 華々しい大航海時代の名残を今に残す街・リスボンでアート探し(ポルトガル)

ヨーロッパ最西端に位置するポルトガルは、15世紀末から16世紀末まで、スペインとともに名を馳せた大国でした。国土は小さく、その広さは日本の約1/4。とはいえ、3000年以上の歴史を有し、大航海時代に隆盛を大いに誇っていました。

栄華を極めた頃に築かれた建築物も多く残っており、旅恋アンバサダーの山本が紹介したように、ポルトガルには文化遺産14件と自然遺産1件の計15件が世界遺産登録されています。

15世紀、インド航路の起点となったリスボンは香辛料の貿易港として発展し、商業の中心地でした。そして、港町の華やかな雰囲気が今もなお残る首都は、石畳の街並みや狭い路地をガタゴトと音を立ててトラムが進む旅情豊かな街なのです。

ジェロニモス修道院、ベレンの塔、発見のモニュメント、国立馬車博物館など見どころ豊富なリスボンですが、観光スポットだけでなく、街なかのあちこちに目を向けて散策するのも楽しいものです。

人と比べるとその巨大さに驚く荘厳なジェロニモス修道院
天正少年使節団も訪れました

おそらくこちらは一般住宅。なのにこのカラフルさ! アーチ型の窓にタイルの外壁、街路灯もなんておしゃれなんでしょう。ポルトガルでは、「アズレージョ(Azulejo)」と呼ばれる美しいパターンの装飾タイルを駅やレストラン、教会などあちこちで目にします。青、オレンジや黄色などのあざやかな美しさに目を奪われます。

こちらは観光客にも人気のスイーツショップ。店構えがとても素敵ですよね。焼き菓子は甘すぎてイマイチでしたが、ジェラートは可憐なバラの形。青森のババヘラアイスにも通じるような!?

スーツケースを運ぶのが大変で疲れやすい石畳もとてもデザイン性が高く、歩くのが楽しくなります。でも、タイル製の石畳は壊れやすいので、そこかしこでメンテナンス中。

最後にもうひとつ。リスボンの低地のバイシャ地区と高地のバイロ・アルト地区を繋ぐ足として、1906年に建てられた高さ45mの「サンタ ジュスタのエレベーター」です。屋上からはリスボンの街並みを一望できるのですが、このネオ・ゴシック様式の鉄製の螺旋階段も重厚なのに美しさを感じさせます。人気の観光スポットのひとつで行列ができますが、ぜひ螺旋階段もチェックしてくださいね。

パリのエッフェル塔を手がけたギュスターヴ・エッフェルの弟子が設計

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