ニホンノカタチ by yOU(河崎夕子)

第1回 そびえ立つ登窯の煙突(愛知県・常滑市)

真夏の愛知県常滑(とこなめ)。じりじりと熱い太陽の下、出会ったのは美しく並ぶ10本の煙突。煉瓦造りの円柱がそびえ立つさまは、独特な威厳を醸していました。

「ニホンノカタチ」連載の第1回目は日本六古窯の一つでもある常滑焼の登窯(のぼりがま)に付随する高さの異なる煙突を捉えた一枚から。両サイドの煙突は長く、中央部に向かうほど短いのは、焼き物が均一に焼けるようにする工夫だとか。

この常滑の登窯は1887年(明治20年)頃に築かれ、1974年(昭和49年)まで使用され、日本で現存する登窯としては最大級、現在は国の重要有形民俗文化財であり、また「近代化産業遺産」にも指定されています。

常滑焼は日本の六古窯のひとつで、愛知県常滑市を中心とし、その周辺を含む知多半島内で焼かれる炻器(せっき)のこと。炻器とは素地が硬く焼きしまったやきもので、常滑焼といえば赤茶色の急須が有名です。この登窯がある「やきもの散歩道」は常滑の中心部にある高台に位置し、細い路地ががクネクネと続く迷路のようでした。その中でも更に一番高台に位置する場所にダイナミックに佇む煉瓦造りの登窯、ノスタルジックな趣きを持ちつつ、熱く燃え滾っていたであろう痕跡が残ります。

 

そもそも登窯は中国・朝鮮半島を経て、16世紀後半に佐賀・唐津で導入されました。江戸時代はじめには唐津から美濃(現:岐阜県土岐市など)をはじめ全国に普及して行ったそうです。

連載「ニホンノカタチ」では日本全国47都道府県を網羅したフォトグラファーのyOUが全国で出会った後世に伝えたい日本らしい「カタチ」を写真で切り取り、その役割と背景をご紹介していきます!

どうぞよろしくお願いします。

「常滑の登窯」

愛知県常滑市栄町6

℡0569-35-0292

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