日本にも素晴らしい鉄道博物館がありますが、今回は台湾の博物館をご紹介します。
台鉄・高鉄台北駅から徒歩10分ほどにある国立台湾博物館鉄道部パーク。建物は台湾の国家文化財である日本統治時代に建てられた台湾総督府交通局鉄道部の本庁舎とその跡地を整備したものです。台湾で活躍した建築家・森山松之助が手掛けた建物は優美な佇まい。その正面ホールから巡ってみましょう。
1階の展示は清朝時代に始まり、日本統治時代に本格化した台湾の鉄道の歴史の流れを紹介しています。日本統治時代に急ピッチで進められた鉄道建設により様々な物資が行き交い、台湾がひとつの大きな経済圏となったのでした。現在運行する路線、廃止になってしまった路線などの表示、急行列車「莒光號」の車内再現、昔の駅舎の雰囲気を伝える展示などがあり、どこか懐かしさも感じます。
硬券の機械
やっぱりトレインマークはチェック
2階は鉄道システムや様々な鉄橋の模型、暮らしに密着する鉄道文化を紹介。駅弁や車内サービスの紹介など、やっぱり鉄道旅に欠かせない展示もあります。そして見逃せないのが、かつての台北駅周辺を再現した鉄道模型ジオラマです。定時になると列車が動き出し、夜のライトアップも演出されています。扇形車庫もあり、台北を知らなくても、とにかく面白い。ずっと見ていたくなるジオラマなのです。
本庁舎以外にも見どころが豊富です。かつて職員食堂と経理課と会計課の事務所だった建物はお土産ショップに。博物館のオリジナル商品もあり、お土産品に好適です。また、八角楼男厠は、旧男子トイレ。かつては中央の柱の周りに小便器があり、用を足すという斬新なデザインでした。今は、園内の施設の解説小屋になっていますが、言われてみれば確かに、です。
また、なぜか防空壕も。円錐形のコンクリート造りでとても目立つ防空壕。現在は中に入ることはできませんが、なかなか不思議な建物でした。
取材で立ち寄ったのですが、あまりにも楽しすぎて、3時間以上ここで滞在してしまったという、鉄分の多い方にはお薦めの施設です。