世界のファインダイニング by 江藤詩文

第2回 日本が誇るフレンチの名店「Restaurant Florilege(フロリレージュ)」/東京・外苑前 –後編-

フレンチの本場フランスで3ツ星を持つトップシェフ、マウロ・コラグレコさんも
「東京で最も興味のある一軒」として訪問(2019年12月来日)

前編で、「アミューズが表現する素材の甘み」「料理に託されたシェフのメッセージ」「ゲストも参加した気分になれる臨場感のある店造り」の3つのポイントをご紹介した「フロリレージュ」。

2020年7月のメニューより「アオリイカ」。フロマージュブランと新鮮なアオリイカの切り身、ハーブの花の調和。ゲソのフリットと共に供されます

グローバル化が進んだいま、どの国・地域のファインダイニングも、その街や地域、国の特徴を表現して発信する役割りを期待されることが増えました。いわば観光親善大使です。国によっては官民が協同で取り組むケースもありますが、日本はそうじゃない。個人におまかせの中で、フロリレージュは日本の窓口となっている一軒です。

 

料理人もゲストも多国籍。さまざまな言語が飛び交う。
写真は2019年2月、ベルーのトップシェフ、ヴィルヒリオ・マルティネスさん来日時に撮影

海外と日本を繋ぐなかで、日本人から見ると、世界と時差のない“今このとき世界で起こっているムーブメント”を、外国人から見ると“最先端の日本と東京”を提示する唯一無二の存在になりました。

2020年7月のメニューより「なす」。
焼きなすに穴子とフォアグラという驚きの組み合わせ。
透明感のある紫のシートは、なすの皮で作ったもの

フロリレージュの料理の礎となっているのは、伝統的フランス料理です。フランス料理は、世界でもっとも理解する人口が多い料理。言語で例えれば、英語をベースとしているようなものです。

オーセンティックなフレンチをプラットフォームとして、その上に日本の四季や食材、生産者やシェフの思いまで織り込んで料理をかたちづくる。それがフロリレージュのスタイルとして確立されています。

2020年3月のメニューより「ふきのとう」。お酒が進む塩味ではなく、見目麗しくやわらかな甘みから始まるコースは、お店の性格にぴったり。

鮨や天ぷら、割烹といった日本料理のファインダイニングは、もちろん日本を表現するには最適です。けれどもこれは日本語で発信しているようなもので、食べ慣れない人、特に外国人には通訳が必要になる。

新しいモノ好きでフットワークの軽い世界のフーディーズが、東京を訪れるたびに「ネクストカワテ」を探しつつ、やっぱりフロリレージュを高く評価するのは、この表現力によるところが大きいと感じます。

2020年3月のメニューより「贈り物 アマゾンカカオ」。
シェフ自身がペルーアマゾンの産地まで足を運び、フェアトレードで仕入れたカカオを使用

海外旅行に行けなくなったいま、世界のトレンドはどうなっているのか。それを体感できるフロリレージュ。

9月30日には、「日本料理 傅」の長谷川在佑さんとコラボレートした串焼き店「デンクシフロリ」を表参道にオープン予定。フロリレージュとはまったく異なるスタイルのレストランとして、早くも世界から注目を集めています。

Restaurant Florilege

公式ウェブサイトのRESERVATIONからオンライン予約可

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