ニホンノカタチ by yOU(河崎夕子)

第9回 市民の足として街に彩りを添える路面電車の走るまち(富山県・高岡市)

富山県高岡市といえば、人気の名酒「勝駒」をすぐに思い浮かべるのは、私がお酒好きだからでしょうか。そして富山県全土を通してイメージするのは、季節ごとの海の幸、ホタルイカ、のどぐろに蟹、白エビ、ぶり....と美味しい魚介類はどれもこれも魅力的でうっとりとしてしまいます。

富山県高岡市。私は美酒美食をイメージする北陸の町。しかし実は商工業が盛んで、鋳物の町としても知られています。町の路地や公園には銅像が立ち並び、銅や錫を扱う職人やアーティストも数多く活躍しています。

なかでも最大の銅像と言えば、日本三大仏として、奈良の大仏、鎌倉大仏に並ぶ高岡大仏。

高さ16mの青銅製の阿弥陀如来坐像は町の中に突然登場するので、インパクト大(笑)。このように高岡市の魅力はあれこれと多岐に渡りますが、今回は町中を走る路面電車にフォーカス。

古いアーケード街を両脇に、たった1両の路面電車が走り抜けていきます。

それはとてもノスタルジックな光景で、古い車両は街並みにスパイスとなり一体化していました。私が子供の頃から知っている路面電車は、鎌倉〜藤沢間のほんの一部の区間で道路上を走る江ノ電だけ。つまり、道路で車と並走する電車というのは、私にとってはとても珍しい光景なのです。

この路面電車は、新湊〜高岡間を走る「万葉線」といって、1948年に高岡から開通しましたが、今のスタイルになったのは2002年から。当初公共交通機関だった万葉線は、バスの普及によって存続の危機を迎えましたが、魅力的なまちづくりのための第3セクターとして、民間事業が運行を引き継いだそうです。それは決して観光電車ではなく、町の人たちの生活路線としてとても重要な移動手段。今も15分間隔で運行しています。

私が見かけて思わずシャッターを切ったのは、美しい水色の単車両。青空とリンクして颯爽としていました。

以前富山に訪れた時には、コカ・コーラの真っ赤なラッピング車両にも乗車しました。とても可愛くて印象深い車両でしたが、今年1月に改修と新塗装のために終了してしまったそう。そのほか黄色い車両や猫柄など、車両のバラエティは豊富。角ばった車両のフォルムはそれだけでもノスタルジックな雰囲気を纏っていて、鉄分(鉄道オタク成分)多めの人なら、思わずカメラを構えてしまいそう。

しかし最近ではトラム式の丸みを帯びた新型車両が主で、アイトラムという車両や、人気のドラえもんトラムも走っています。高岡市は、かのドラえもんの作者の一人、藤子・F・不二雄先生が生まれ育ち、20歳で上京するまで過ごした町。そんな由縁からドラえもんトラムは、ドラえもんの生誕100年前!(2012年9月3日)を記念して登場しました。入口がどこでもドアで、車内にも魅力的な仕掛けがあるようで、子供たちだけでなく大人たちも喜びそう。

このドラえもんトラム、車両はたった1台。

現地の方に伺えば、遭遇するとその日はいいことがあるとか。

私も訪問中の3日目の朝に遭遇。思わず連写していました(笑)

Tag

このページをSHAREする

最新記事一覧へ