マイスターと世界遺産の知の旅へ by 山本厚子

第20回 アフターコロナに出かけたいケアンズからアクセスする2つの自然遺産(オーストラリア)

長引く新型コロナウイルス感染ですが、海外ではコロナ以前に戻っている場所も多くなってきました。7月末に24ケ月ぶりに日本とオーストラリアを結ぶジェットスターが運航を再開すると聞き、早速ケアンズへ行ってまいりました。

ケアンズは、オーストラリア大陸の北東岸に位置する、クイーンズランド州の港町です。南半球にあるため、現在は冬のオーストラリアですが、ケアンズは緯度が低いため、この時期でも暖かく、泳ぐことができます。真夏の日本ほど気温は高くなく、湿度も低いので、日本の殺人的な暑さから逃れられる避暑地としてよいのでないかと思いました。

そして、ケアンズからは2つの世界遺産を訪れることができます。

1つはご存知の方も多いであろう「グレートバリアリーフ」です。クイーンズランド州の東岸に全長約2,000kmを超えて連なる世界最大のサンゴ礁群で、1981年に自然遺産に登録されました。総面積348,000平方kmに、さまざまな形状の約 2,500のサンゴ礁、大小900の島々が散在しています。サンゴの種類だけでも400種もあり、1500種の魚類、4,000 種の軟体動物、240 種の鳥類などが生息する多様な生態系は、とても貴重です。ハミルトン島やグリーン島などのリゾートアイランドも点在し、観光客に人気となっています。

グレートバリアリーフで有名なハートリーフ。シュノーケルやダイビングだけでなく、遊覧飛行で空からも楽しめます。(Photo by iStock

 もう1つは、1988年に登録された自然遺産「クイーンズランドの湿潤熱帯地域」です。クイーンズランド州北東部、南はタウンズビルから北はクックタウンまでの一帯で、その広さは約9,000平方km13000年前の白亜紀に形成されたといわれる世界最古の熱帯雨林です。3000種もの植物が、太古の森を思わせるように鬱蒼と生い茂る様子は圧巻。登録エリアにはキュランダやアサートン高原、デインツリー国立公園などが含まれ、ケアンズから12時間で観光に出かけられます。

熱帯雨林の中を走るキュランダ・シーニック・レールウェイ。(Photo by iStock

 アサートン高原にある巨大な「カーテンフィグツリー」。
主木に寄生したイチジクが無数の根を垂らしており、「絞め殺しのイチジク」とも呼ばれます。

海に森にと豊かな自然に恵まれたクイーンズランド州。ケアンズを基点に、地球の息吹を感じられる場所に気軽にアクセスできます。アフターコロナには、マスクを外して出かけてみてはいかがでしょう。

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