ひとり旅にアート心も入れて by 塩見有紀子

カヤックへのお誘い-Vo.1「カヤックって、そもそも何?」

 「"カヌー"と"カヤック"ってどう違うの?」
今までいく度も訊かれてきた質問です。
 

いずれもオール(「パドル」とよびます)を使用して漕ぐ舟のことですが、公園の池などでよく見かける「ボート」と、「カヌー」&「カヤック」の違いは、ボートはオールを使って後ろに進むのに対して、カヌーもカヤックも前に進んでいく舟なのです。ボートって、カップルで乗ると、彼氏と彼女が向かい合ってしゃべりながら乗れますよね? 漕ぐ人は進行方向に対して後ろ向きに座っているので、見守る彼女が「もうちょっと右かな?」「左に行ってみない?」ってカレシに合図したり、たまにカレシが後ろを振り返ってボートの方向を確認したりして。

そして本題。"カヌー"と"カヤック"の違いです。
カヌーは基本的にはオープンデッキタイプのカナディアンカヌーを指すことが多いです。先ほど説明した「ボート」と同じような形の舟が、後ろ向きではなくて前進タイプになった舟です。乗り込むスペースが広いため、荷物の積載量も多く、人が3〜4名、子どもならもっと大勢乗れるようなタイプもあります。水遊びが大好きな犬・ラブラドールレトリバーを先頭に乗せて、食器や食材、テント、シュラフ(寝袋)など荷物をたくさん積み込み、キャンプをしながら漕ぐ舟。そう、作家でありカヌーイストの野田知佑さんを思い浮かべていただければわかりやすいかもしれませんね。
 

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カヤックでこんな景色に会いに行きませんか? 沖縄・慶良間諸島にて

 
一方のカヤックですが、基本的にはクローズドデッキタイプの舟を指すことがほとんどです。デッキ(人やモノを入れるスペース)をゴムやポリエステルタイプの"ハッチ"や"スカート"と呼ばれるもので密閉し、デッキに水がほとんど入らないようにします。身体と舟がハッチやスカートで固定されているので、たとえ波や風にあおられて舟がひっくり返ったとしても、技術さえあれば舟から脱出せずに、体を反転させ勢いをつけることで舟ごと起きあがることができるのです。

ちなみに技術のない私は、未だに自力で起きあがることができません。「腰使い」がなかなかムツカシいんですよ。練習はツライし・・・。

そうなのです。起きあがれなくても(起きあがることを「ロール」とよびます)カヤックはできるのです! 舟がひっくり返りさえしなければいいのですから。さらに、実は、泳げなくても大丈夫です。カヤックに乗る時はライフジャケットが必須ですので、正しくライフジャケットを装着しさせすれば勝手に水にプカプカと浮いてくれるので、下手に泳ごうとしない方が安全なのです。

 

kayak-2.jpg西伊豆には自然が造り上げたこんなものが!

 
カヤック? やっぱりなんかコワそう・・・と思っていませんか? そんなことはありません。私のカヤック仲間には3歳くらいのお子さんと一緒にカヤックを楽しんでいる人もいますよ。カヤックは初めての方でも簡単にできる水遊びなのです。ただし、ある程度カヤックを続けるのであれば、ロールはできた方が絶対にいいです。カヤックはとっても楽しいスポーツですが、やはり自然相手の命のかかる遊びですから。「自分の命は自分で守る」が基本です。

次の機会には、もう少しカヤックについてご説明した後、私がカヤックを漕いだことのあるオススメの場所についても今後お話ししていきたいと思います。

(執筆 塩見有紀子)

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