天下の名湯! いま行きたい、草津は王道あり、裏あり、旨しものあり(群馬県・草津)

大自然を眺めながら入浴。「西の河原露天風呂」

草津温泉は、日本が誇る名湯です。日本三大名泉のひとつに数えられ、古来より錚々たる顔ぶれの歴史上人物、文化人が湯治に草津を訪れ、草津温泉の人気を物語っています。

日本武尊、源頼朝、与謝野晶子、石原裕次郎など、古来より草津を訪れたとされる偉人や著名人の石柵「草津に歩みし百人」が「湯畑」で見られる。

シンボルは湯畑

巨大な源泉「湯畑」は、草津温泉のシンボルともいえます。草津温泉の中心に位置し、源泉を街の中心で見ることができるのは、かなり珍しい光景です。

左:源泉が湧き出る「湯畑」。源泉の温度を調整する木製の湯桶が並ぶ様は、まさに湯の畑。右:湯けむりに包まれ、源泉が流れ落ちる湯滝は圧巻。

日没からのライトアップは、幻想的な雰囲気。

入ってみて!西の河原公園の露天風呂

四季折々の風景を見せ、風光明媚な「西の河原公園」。夜は違った表情に。

温泉街の西に位置する「西の河原公園」は、「湯畑」と並ぶ草津の名所です。源泉がいたるところから湧き出て、湯だまりや川になり、美しい自然の景観が作られています。奥には、総面積が約500平方メートルもある絶景の露天風呂「西の河原露天風呂」があります。

森や木々に囲まれた露天風呂は、開放的で気持ちいい!

いま注目の「裏草津・地蔵」

裏草津の地蔵源泉は、「湯畑」から約3分のところにあります。ここでは、めずらしい「顔湯」が体験できます。顔をつけると、源泉が流れている下から温かい湯けむりが立ち上ってくるので、肌にあてると顔がしっとりし、美容効果も期待できます。

 

「裏草津・地蔵」エリア。「漫画堂」、地蔵カフェ「月の貌」など新スポットも続々登場してきている。

旅人を癒す温泉宿

温泉旅館やホテルも魅力的な草津。“真に寛ぐ”というおもてなしを心がける老舗「ホテル櫻井」には、長さ約30メートルにおよぶ大浴場があります。源泉掛け流しの草津の湯が、旅人を体の芯から癒してくれます。

大浴場。「ホテル櫻井」では、3種の源泉「綿の湯源泉」「西の河原源泉」「万代鉱源泉」を引く。

露天風呂。引湯の「綿の湯源泉」は、湯の花の成分が多い源泉で、「綿に包まれる様なやわらかな肌触りの湯」の意味。

草津の湯は、硫黄成分も含んで肌に馴染みがよく、有数の酸性泉で殺菌効果に優れています。その効果は、万病に効くとされ、不老長寿の湯とも称されています。入った瞬間はぴりっとする方もいるかもしれませんが、入浴するうちに肌にじんわりと効能が利いてきて、体が芯から温まってきます。

新客殿の客室。窓からは雄大な大自然が眺められる。本客殿には、露天風呂付客室もある。

伝統の湯もみや温泉街の散策

豊富な湯量と優れた泉質が、草津の温泉文化を作りあげました。「湯畑」の周りで一際目を引く大正ロマン風の瀟洒な建物「熱乃湯」では、草津伝統の「湯もみ」を実際に見ることができます。

 

 

草津温泉の源泉は熱く、約50度近いものがほとんどで、そのまま入浴することはとてもできません。しかし、温度を下げるのに水を入れるのでは、温泉の効能が薄れてしまうため、自然に温度を下げる方法として「湯もみ」が考え出されました。「湯もみ」は熱い源泉を、入浴可能な温度にまで下げて、お湯を柔らかくします。自然がもたらした源泉を薄めず、源泉の中に約180センチの板を入れてお湯をもんで温度を下げます。

豪快にかき混ぜる「湯もみ」は、このあたりの伝統の歌とともに長年にわたって継承され、草津の地が育んだ温泉文化といえます。

 

伝統的な草津湯もみ節が歌われ「湯もみ」と「踊り」を両方見ることができる。圧巻のラスト、しぶきが迫力満点! 

「湯畑」周辺、湯畑から「西の河原公園」へと続く西の河原通りは、情緒溢れる温泉街の散策を愉しめます。

 

草津温泉初のプリン専門店「草津温泉プリン」。草津名物の「湯もみ」をイメージして、温度調節にこだわり、本当に美味しいプリンを追求して出来上がったプリンは、食感も優しい味わい。

左:数量限定の「湯けむりタマゴプリン」。絶妙な温度感で、ほかほか、とろ〜りとした味わい。右:夜の湯畑をイメージしたプリン。レモンを青のジュレにかけて混ぜると紫に変わり、味も変化する。

「松むら饅頭」は、草津でも老舗の温泉まんじゅうの店

黒糖の薄皮に自家製の餡がたっぷり入っていて、食べ応え十分。その美味しさゆえ、早くに売り切れることも。

 

西の河原通り沿いの「上州地粉うどん まつもと」では、出来立ての上州うどんが味わえます。手打ちのうどんは、もちもちとして弾力があり柔らかく、地元の食材と共に味わえます。

 

「上州もち豚 つけ汁うどん」は温かいつけ汁とともに。群馬の名産である下仁田ネギの天ぷらや、地酒と味わえる。

こんなお土産も!

群馬のブルワリーによるクラフトビールと、舞茸を練り込んで1枚1枚焼き上げたという、香ばしい「まいたけせんべい」をお土産に。ご当地限定のビール「草津温泉物語」は、フルーティで甘い香りのエール、苦味とコクのバランスのメルツェンほか、全4種類あります。

 

世界に誇る泉質と温泉文化

西の河原公園「手洗乃湯」。洗い流せば、手指の消毒に。草津の湯は、殺菌力が非常に強く、ほとんどの細菌や雑菌が繁殖できないという。

 

東京・新宿から約4時間、高速バスで来られる草津。天下の名湯に、東京から気軽に足を延ばしやすいのも魅力です。街ごと温泉文化が感じられ、四季の自然が美しい草津を、心身ともに癒されに訪れてみてはいかがでしょうか。

 

「ホテル櫻井」TEL 0279-88-3211

 

取材・文/マドモアゼル安原

 

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