約90種130点のロボットが大集合! 日本科学未来館でカワイイロボットに会いに行こう!(東京・お台場)

チェコの作家カレル・チャペックが1920年に書いた戯曲『R.U.R.』で、「ロボット」という言葉が世界で初めて登場しました。この作品では、ロボットは人間の命令には絶対服従の存在として描かれ、機械文明の発達は人間に本当に幸福をもたらすのかが問われたそうです。それから約100年、現在、ロボットは産業用としてではなく、人間のパートナーとしても大きな存在となっています。

日本科学未来館で開催中の特別展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」は、私たち人間とロボットの関係を紐とくことで、「人間とは何か?」を問いかける内容です。

一番の見どころは、一堂に集結した多種多様なロボット。なんと! 国内展覧会史上最大規模となる約90種130点のロボットが展示されているのです!

入場してすぐの場所にあるのが、日本のロボット開発の歴史が静態展示されているコーナー。働く人型ロボットの実現を目指して1999年に開発された本田技研工業「HRP-1」の黄色いロボットが目に入ります。両腕で10kg程度の物体を持ち上げたままデコボコの路面を時速2kmで歩いたり、階段の上り下りもできるそうです。他にもAIBOやASIMO、Pepperなど、ロボット素人の私もよく見たことのあるロボットが多く紹介されています。

次の「きみって、なんだ? にんげんって、なんだ?」のZone2-1では、まさに進化中のロボットの姿をまざまざと見せつけられます。視覚に障害のある人も街なかを安全に移動できるようにと開発中のスーツケース型のナビケーションロボットや、VRゴーグルで地上から遠隔操作で高所での重作業を行えるよう開発されている汎用人型重機「零式人機ver.1.2」などなど。失われた人間の能力を補ったり、さらには拡張させたりと、ロボットによって変わる人間の「からだ」について考えるきっかけとなるコーナーです。

左上:障害のある方や脚力が弱くなった方の自立を支援する「装着型サイボーグHAL」
右上:目的地までの最適ルートを探索して、音声や振動で誘導する「AIスーツケース」
下:VRゴーグルを装着した操作者が直観的に高所重作業を行える「零式人機ver.1.2」

「こころって、なんだ?」のZone2-2では、人間の心に寄り添ってくれるパートナーロボットが大集合。これまでは人間が助けてもらう立場だったロボットですが、今度は人間が思わず助けてあげたくなってしまうような弱いロボットもいます。

aibo(アイボ) ©ソニーグループ株式会社
(画像提供:日本科学未来館 ※画像の転載・コピー禁止)

ロボット同士が会話をかわすことで会話を聞いている側の人間が癒されたり、まるで感情があるかのようなロボットに自然と愛情が湧いてきたりと、ロボットのかわいさがあふれています。世界で知られる日本のKawaiiカルチャー。ここに集合しているカワイイロボットも、日本特有のものなのでしょうか?

そしてうれしいことに、このコーナーのロボットはほとんどすべて体験できるのです! 体験方法が掲示されているので、それに合わせてロボットにしゃべりかけたり、やさしくなでてみたり、ぜひ体験してみてください。

人に寄り添ってくれるかわいいロボットが大集合!

人型の大型重機や手術ロボット、救命救急のトレーニング用に開発されたこども型患者ロボット、実在する人物の写真や音声などのデータを元に再現されたデジタルクローンなど、いつの間にか人間とロボットの関係性は複雑になっています。
ロボットを人間にどこまで近づけられるのか? 果たして近づけていいのか? 人間をどこまで助けることができるのか? ロボットの過去・現在・未来を見ることで、人間が自分の未来をどう築いていくのかを考えるきっかけになりそうです。

Pedia_Roid(ペディアロイド) ©株式会社テムザック
(画像提供:日本科学未来館 ※画像の転載・コピー禁止)

特別展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」
会期:2022年3月18日(金)~8月31日(水)
会場:日本科学未来館 1階 企画展示ゾーン
開館時間:10:00~17:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:火曜日 ※ただし3月22日~4月5日、5月3日、7月26日~8月30日の火曜日は開館
料金:19歳以上 2,100円(1,900円)、小学生~18歳 1,400円(1,200円)、3歳~小学生未満 900円(700円)
*( )内は8名以上の団体料金
https://kimirobo.exhibit.jp/

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