中国地方は山陰と山陽でそれぞれ気候や文化も異なり、多岐にわたる魅力が満載のエリア。1スポットにとどまらず沢山のスポットを巡りたいなら、やっぱり車を利用するのが一番。欲張りな女子旅、後編はいよいよ島根県を巡ります。
前編はコチラ
広島県大竹市の下瀬美術館から、山陰に向かって車で北上すること1時間半。その夜は島根県江津市の森の中にある温泉リゾート「風の国」に宿泊しました。自然に包まれるようなホテルは、元々は30年前の建物ですが、5年前にリノベーションをして新形態に。木の温もりを感じる北欧スタイルのメイン棟と、森の中のグランピングテントやコテージなど、それぞれの好みに合った宿泊が楽しめます。
アルカリ性単純泉の「美肌の湯」に浸かれば、アクティブに動いた1日の疲れがとれるはず。グランピングやコテージ宿泊の場合のみ利用できるガーデンキッチンからの眺めは、緑あふれる小高い丘が美しく、風に吹かれて心地よい時間が過ごせます。
〒699-4431 島根県江津市桜江町長谷2696
さて、翌朝も早速車で移動します。日本海側を東へ向かうことおよそ1時間、大田市へ。
鉱山遺跡として2007年にアジアで初めて世界遺産登録された「石見銀山」は、日本最大の銀山。戦国時代から江戸時代の最盛期には、世界の三分の一の銀が採掘された日本の銀山のうちのかなりの分を占めたと言います。
その名こそ知られていますが、「日本一地味な遺産」などと揶揄されるほど、派手さがない故になかなか訪れる機会がなさそうでしたが...。今回訪れてみて、行かないと絶対にわからない魅力があることを知りました。特に地元を知り尽くしたガイドさんと共にその街並みを歩くと、歴史や当時の暮らし、採掘のエピソードなどが聞けて、楽しい散策となること間違いなし、絶対にお勧めです。
このエリアは100年前に銀山が閉山してから過疎が進んでいましたが、近年は全国からの移住者が増え、保育園留学制度を始めたことから海外からも移住者を迎えています。街の景観を保つために、車の侵入を制限し、昔の暮らしを変えずに住民が協力し合う町づくりは、世界遺産としてお手本のような取り組みといえます。
どこか懐かしさのある原風景は私達を温かく迎え入れてくれました。
そして銀山の中へ入るとその美しい地層は、かつて銀を採掘していた坑道跡の両サイドに見られ、歩きながら、ガイドさんの説明で当時の採掘技術やその職人たちの暮らしについても知ることができました。
再び銀山地区に戻ると、里山風景に溶け込む趣たっぷりな建物。築100年の古民家カフェ「Cafe住留(ジュール)」は、一歩踏み入れればモダンな空間。こちらでのランチは地元の食材をふんだんに使ったメニューばかりです。お勧めは「トロトロ牛すじハヤシライス」
〒694-0305 島根県大田市大森町 ハ206
さて石見銀山を後にして、同じ市内を内陸側へ車で30分。国民宿舎のさんべ荘が行っている「E-BIKE体験ツアー」に参加しました。電動アシスト付きの自転車で地元のガイドさんと共にサイクリングに出かけ、三瓶山の麓の広大な景色を眺めながら風を切り、とっておきスポットを巡ります。電動アシストのおかげで坂道もラクラク、ツアーはそれぞれの体力や希望でカスタマイズも可能です。
ガイドなしのレンタサイクルもありますが、三瓶の隠れた魅力を案内してもらえるガイドツアーがお勧め、お弁当を持って4時間かけてたっぷり楽しめますよ。
そしていよいよ二日間の広島島根ツアー、クライマックスは「出雲大社」。山陰に行ったら外してはならない大切なスポットのひとつで、縁結びの神、福の神と名高い「大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)」、いわゆる「だいこくさま」が祭られている神社です。
他の神社と違ってここでは「二拝四拍手一拝」の作法で拝礼します。現在の11月頃は神在月として神事も多く、八百万の神がこの地に集まるとされていることから11月にお参りするのが、一番ご利益があると言われています。
日本最大級と言われる神楽殿の「大しめ縄」はインパクトたっぷり、長さ13.6メートル、重さはなんと5.2トンもあるとか。気のいい空間で社殿を巡り、あっという間に日も暮れてゆきました。
「出雲大社神楽殿」(左上)「八足門」(右上,左下)「ニの鳥居と一の鳥居」(右下)
〒699-0701 島根県出雲市大社町杵築東195
広島、島根と巡ったツアーもいよいよ終盤。
再び車で移動して出雲空港へ、羽田空港へ向けてのフライトで帰京しました。二日間たっぷり遊んだアクティブコースはなんとも充実感のある旅でした。
欲張りなあなたの気になるスポットはありましたか? これからの旅のプランの一つに、ぜひ加えてみてください。
「しまね観光ナビ」
写真・文/yOU(河﨑夕子)
モデル/Maya(佐藤万斐)