アケスケ的イチ推し古墳探訪 by 多田みのり

東京西部で自然に親しもう!

梅雨の季節になり、むしむしとした日が続いていますね。
夏休み目前の今回は、東京西部の自然に親しむスポットをご紹介します。

●落合川と南沢湧水群(東京都東久留米市)

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南沢湧水地。湧きたての水はどこまでも清らか!

 武蔵野台地の中央に位置し、東京都と埼玉県の都県境にある東久留米市は、湧水が豊富な場所。黒目川と落合川のふたつの河川の水源地があります。かつては水質が悪化していたこともあったようですが、いまは保全運動により改善され、きれいな水が流れています。
 私は自宅から近いこともあり、どちらも訪ねたことがありますが、特に落合川流域の南沢湧水群一帯は東京とは思えない美しさ! その清らかさは都内で唯一「平成の名水100選」に選定された折り紙付き。1日の湧水量は約1万トンで、さらに他の水源も含めると下流の下谷橋付近では1日5トンの流量になるそうです。南沢湧水地で湧き出した水は、荒川水系の水とブレンドされ市内の水道水にも使われています。

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細い流れですが、ヌマエビや沢ガニ、ザリガニ、アブラハヤ、メダカなどいろいろな生き物がいます

 湧水地の水温は一年を通して18℃前後。それゆえこれからの季節は冷たくて気持ちが良いんです。緑地保全地域でもあるのでうっそうとした森に包まれ、たった今湧き出したばかりの流れが、水底の小石をあらっていきます。様々な生き物も育まれており、休みの日にはアミを手にした子供たちがたくさん訪れます。流れの中をひとしきり歩くだけで、デトックス&リラックス効果も抜群。水の癒しのチカラを感じずにはいられません。

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落合川と黒目川沿いにはウォーキングコースが設けられています。東久留米駅からは
「みどりのサインボード」を辿ると川に出ることができます

 南沢湧水の流れは数百mで落合川と合流し、さらに下流で黒目川に合流します。落合川との合流点である毘沙門橋付近からは、川沿いに遊歩道があり落合川いこいの水辺があります。岸辺からそのまま川に入ることができ、水深も5センチほど。流れも緩いので小さなお子さんでも安心して水に触れあうことができます。もちろんどぶ臭さなどまったくなく、遊んだ後もにおいません。都心近くの川遊びでこのキレイさは本当に奇跡のようです。これからも、ずっと守って行きたい大切な自然環境だと思います。

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左:毘沙門橋の近くには少し深い場所もあり、こちらは小学生が飛び込み遊びに興じていました。
右:車が行き交う毘沙門橋のすぐそばにも湧水点があります。

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住宅地の中を流れているのに、この水質のクオリティーの高さは驚きです。
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我が家の息子もこの通り(笑)毎月第三土曜日の午後1時からはいこいの水辺で、
ザリガニやハヤを捕ったり、水量や水質の調査をしたりする「わくわく川塾」
も開催されているそう。参加すればもっと川を身近に感じられそうです。

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川にはミントが自生していました。夜、モヒートに浮かべたことは言うまでもありません(笑)!

 都心から約24キロ。電車なら池袋から西武池袋線準急で東久留米駅まで21分。駅から南沢湧水地まで徒歩15分程度というアクセスの良さにも驚きです。夏休みに手近に自然に触れあうには絶好のポイントですよ〜!

●都立野山北・六道山公園(東京都武蔵村山市)

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手書きのイラスト看板に、この自然を守っていこうという方々の想いが伝わる里山民家エリア

 東京都と埼玉県の都県境に約11キロにわたる狭山丘陵。その西端にある都立野山北・六道山公園は都立公園の中では最大規模を誇り、東京ドームの約56倍に値する260ヘクタールもの広さがあります。公園のある武蔵村山市は、市内に鉄道駅がひとつもないためアクセスはやや不便ですが、そのぶん自然が豊かで私のお気に入りのエリアでもあります。雑木林が広がる丘陵部には、古来いく筋もの谷戸(谷)が切り込み、水が湧き出し、里山が形成されてきました。一時期はゴミの違法投棄場所となり荒れ果ててしまっていたそうですが、行政やボランティアスタッフなどにより、自然とヒトが共存する姿が見事によみがえりました。

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 里山民家内の囲炉裏には火がおこされ、花が飾られ、カマドの手入れもなされ、板の間は磨かれ、
昔ながらの家が生きている様子が見られます。周囲の動植物やハイキングコースなどを紹介した
パンフレットもおかれていて、人々の憩いの場になっていました。

 里山の面影をもっともよく留めているのが、公園中央部の里山体験エリア。江戸時代の近隣の名主格の農村住居を新築復元した家屋が建ち、この里山民家をベースにのどかな風景が広がっています。

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子供はワクワクがいっぱいに、大人はノスタルジックな想いがこみ上げてくる情景です

 里山民家から谷戸を登っていくと、水田が広がります。古代米などが栽培されていて、オタマジャクシやドジョウ、ゲンゴロウなどの姿が見えました。ここから林間の道を登ると展望台があり、尾根伝いにまた里山民家まで戻る1時間ほどのハイキングコースも整備されています。何をするでも無く、ただのんびりと散策すれば、むせるような草いきれと、録音じゃないよね?と疑いたくなるほどの鳥の美声♪ 都心近くにこれほど濃厚な自然があるとは!私も驚きました。

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トウキョウサンショウウオやホトケドジョウ、アマガエル、ホタルなどの水辺の生物
のほか、雑木林にはカブトムシや蝶などの昆虫、そしてオオタカやフクロウなどの野鳥、
カタクリやヤマユリなどの野草が生息しています。

 続いて、公園東端にある冒険の森・あそびの森を訪ねました。30のフィールドアスレチックがあり、子供たちの歓声が森に響いています。遊具は子供向けですが、森の中をハイキングする人も多く、こちらも散策にぴったりです。さらに隣接して、武蔵村山市立歴史民俗資料館と村山温泉かたくりの湯があるので、自然に触れて、歴史を学び、疲れを癒してワンデーリフレッシュ完了で〜す(笑)!

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左:木漏れ日が眩しいあそびの森エリア。周囲の自然を生かした遊具が並びます。
右:歴史民俗資料館では、武蔵村山市の歴史と伝統文化、里山暮らしのほか、村山大島紬なども紹介しています。

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村山温泉かたくりの湯。水着着用のプールエリアもあり、ファミリーで楽しめます。
食堂では、武蔵村山名物の「村山かてうどん」や4代続く人気の豆腐店「比留間豆腐の冷や奴」
などが味わえ、結局また飲んでしまいましたー。

***

実は武蔵村山市立歴史民俗資料館は、私が博物館学芸員の資格取得のための館務実習を行った博物館。でもこんなに公園が充実しているなんて、正直知りませんでした。夏を前にすると、なんとなく遠くへ行きたくなりますが、東京にもまだまだ素晴らしい自然があります。週末にブラリと訪ねられる気軽さもいいですよね。私は多摩エリアの散策が多いので、今度は東サイドへも足を伸ばしてみようと思っています。みなさんもプチたび、いかがですか?
(取材/文章 多田みのり)

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