心と体によく効く、大人の山歩き by 西野淑子

第24回 ロープウェイでアクセス、花と展望の頂へ 木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ))(長野県上松町・木曽町・宮田村)

暑い夏には涼やかな風が吹き抜ける高山へ。中央アルプスの最高峰・標高2956mの木曽駒ヶ岳は、標高約2600mの地点までロープウェイでアクセスできる、雲上の楽園。岩と緑が織りなす山岳景観に逢いに行きませんか。

真っ白い岩峰に囲まれた千畳敷カール

天竜川と木曽川に挟まれて山々がそびえる中央アルプス(木曽山脈)。木曽駒ヶ岳は中央アルプスの最高峰です。標高3000m近い山ではありますが、山麓のしらび平から駒ヶ岳ロープウェイに乗車すれば、約8分の空の旅で標高2612mの千畳敷駅へ。

千畳敷駅に下り立つと、そそり立つ岩峰にぐるりと囲まれたお碗のような地形が出迎えてくれます。氷河期の氷で削り取られた地形で、千畳敷カールといいます。

千畳敷カールは石畳状の散策路が整備されている

お碗のようなくぼ地は草原になっていて、夏には多くの高山植物を見ることができます。

カールの中を周遊できる散策路が設けられ、のんびりと歩くと1周40分程度。登山の心得がなくても、ゆったり歩いて高山植物や美しい山岳景観を楽しむことができます。岩と草原の景観、可憐な高山植物を愛でながら歩きましょう。

夏の終わりに白い花を咲かせるトウヤクリンドウ

木曽駒ヶ岳の山頂へは四方から登山道が通じていますが、千畳敷からのルートが最も早く山頂にたどり着けます。とはいえそこは3000m近い高山。登山専用の装備が必要となりますし、森林限界を超えますから天候判断も慎重に。

千畳敷カールを過ぎ、八丁坂と呼ばれる急坂をひたすら登っていくと、広々とした乗越浄土へ。一気に見晴らしがよくなります。

乗越浄土への急な登り。ここががんばりどころ

乗越浄土からは大岩が詰み上がったような山頂の中岳を経由して、駒ヶ岳に向かいます。中岳から見たときはそれほど急な登りに見えなかったのに、歩いてみると案外に高低差があり距離もある…。ひたすら脚を動かします。

ようやくたどり着いた山頂は360度の大展望!

間近に見える大きな山は木曽御嶽山。北アルプスや南アルプスの山々も一望のもとに見渡せます。時間が許す限り、展望を楽しんでいきましょう。帰りは来た道を戻り、ロープウェイで下山しましょう。

大岩が積み重なったような中岳の山頂

中岳から木曽駒ヶ岳の山頂方面を望む

【木曽駒ヶ岳:山歩きデータ】
アクセス:JR飯田線駒ケ根駅からバス45分でしらび平。しらび平からロープウェイ8分で千畳敷へ。
コース:千畳敷…乗越浄土…中岳…木曽駒ヶ岳…往路を戻る
所要時間:約3時間30分
体力度★★☆ 技術度★★☆

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