京都には深い井戸が幾つもある by 小林禎弘

第26回 嵐山のど真ん中に野生猿の楽園!外国人客はもちろん、日本人も狂喜乱舞する(?)猿のかわいさ(京都市)

京都人の誰もが知っているけれど、一度行ったか、あるいは行ったことがない所はいくつかあります。今月紹介するのはそのひとつ「嵐山モンキーパークいわたやま」です。

囲われていない野生のニホンザルが、自然の中で暮らしています。私も行った記憶がなく、たぶん初めてです。それだけの施設なのですが、凄く楽しめます。場所は嵐山の渡月橋と渡月小橋を南に渡ると、右手に星のや京都船待合室があり、隣が松尾大社 摂社 櫟谷宗像神社で境内の一角が入口受付です。そこから岩田山山頂広場(標高160m)休憩所まで、20分間山道を登らねばなりません。そこまで猿はいません。山頂広場に着くといきなり京都市街の大パノラマが!手前に桂川、北は広沢の池、南は伏見から大阪方面まで見渡せます。

星のや京都の渡船桟橋が目印。隣の宗像神社の石段を上がり、
境内の端にある入口を入ると山頂広場までの山道が続く

子猿もたくさん

ここは京都大学霊長類研究室の協力も得て1957年に開園しました。現在の星のや京都あたりに多く生息していたニホンザルを、根気よく餌付けして現地まで呼んできたそうです。周りの山をねぐらとしていて、広場はえさ場という存在です。10:30・12:30・14:30が餌やり時間で、スタッフが手際よく様々な場所で、全員もらえるよう餌を撒きます。猿たちはこれをめがけて一目散にやってきます。この時間を外してはいけません!

スタッフによる餌まきは1日3回

 

休憩所の金網を挟んで直接餌やり

開園中の3回と開園前後の2回の餌やりと、金網越しにお客から直接もらえる餌と山の木の実で彼らは暮らしています。総勢120頭がひとつの群れで、スタッフの方は全員猿の名前を憶えています。コロナ禍前は、欧米旅行者に大人気で、平日来園者の8割が欧米人だったそうです。人気の理由は簡単で、氷河期に北米欧州の猿が絶滅し、現在野生の猿は未生息で動物園でしか見られません。こんなに近くで触れ合える環境(触れませんが)はめったにないからです。

広場の池で泳ぐ猿も

日本でも、高崎山(大分県)と地獄谷(長野県)とここくらいといわれています。取材日に来ていた白人女子も狂喜乱舞していました。写真愛好家にはもってこいで、一日中撮影できること請け合いです!

興奮しっぱなしの白人女子観光客

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