トコトコ東北 by 川崎久子

第3回 夏油高原いで湯ラインをドライブ!古民家カフェでひと休み(岩手県・北上)

岩手県北上市の市街地から夏油高原へ向かう県道122号線は、別名「夏油高原いで湯ライン」と呼ばれています。田畑の間にぽつぽつと民家が佇むほのぼのとした風景が続くなか、夏油高原へ向かい、奥へ奥へ、車を走らせていると、通りに面して古民家カフェの看板を見つけました。

屋敷林に囲まれた古民家。屋根はその昔、茅葺だったのだそう

その名も「夏油古民家Cafe kobiru小昼」。こちらのカフェがある夏油集落では、農作業の合間に取る軽食を「小昼(こびる)」と呼ぶのだそう。カフェの建物は、築およそ80年の古民家を地域の方々とリノベーションしたもので、年月を重ねた木の風合いがあたたかみを感じさせるステキな空間です。入ってすぐの場所は土間スペースで、地域の観光情報を紹介するコーナーになっています。

ご夫婦で切り盛りされているカフェは、訪れた時、ちょうど満席。「ちょっと寒いかもしれないですけど……」と案内されたのは、土間スペースのかたわら、その昔、縁側として使用されていたであろう場所に置かれたテーブル席でした。申し訳なさそうに通されましたが、庭に面しており、実にいい雰囲気です。

店内入ってすぐ観光案内コーナー。写真右手の小上がりが元縁側と思しきスペース

料理には、春は山菜、夏はアスパラ、秋はきのこ類などなど、その時季旬を迎える土地の食材を使用しています。この日のメニューを見ると、スパイシーチキンカレー、kobiru深煎りブラックカレー、アラビアータ、きのこクリームパスタと並びます。むむむ、カレーが推しでしょうか。奥さんにおずおずと、カレーの辛さについて伺うと、ちょっとスパイシー目かもしれないですねとの回答が。辛いものが苦手な私は、きのこクリームのパスタをセレクトしました。

料理を待つ間、先客もぽつぽつと帰られ、カフェスペースに空きが出きたので、中へ移動。今度は裏庭に面した席に陣取りました。ほどなく供されたパスタは、ほこほこと湯気が上がり、食欲をそそります。クリームソースは豆乳仕立てでヘルシー。窓外の緑を眺めつつ、食後のコーヒーまでゆっくり堪能しました。

旬の食材を使用しているため、料理は季節がわり。
写真は豆乳仕立てのきのこクリームパスタ

この地も11月を過ぎれば、本格的な雪の季節を迎えます。白銀に包まれる古民家も見てみたいなと思いつつ、カフェを後にしたのでした。

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