VOL.27 界 鬼怒川 秋山紗希さん

栃木の多彩な魅力を発信し、幸せが繋がるように!

VOL.27 秋山紗希さん 1996年生まれ、28歳 界 鬼怒川

 

 

とちぎ民藝を全面に打ち出す「界 鬼怒川」(記事はこちら)。関東有数の大型温泉地であり、日光観光の拠点としても人気のエリア。ところが栃木県としての魅力度ランキングはなぜか低迷。じつは栃木には多彩な魅力があると話すのは、スタッフの秋山紗希さん。背筋の伸びた笑顔の可愛い方です。

 

―――入社の経緯を教えてください。

 2019年の入社なので、7年目になりました。就職活動を始めた当初は、明確にこれをやりたいというものがありませんでした。ただ、旅行やホテルが好きという気持ちがあり、星野リゾートを知った時に、ホテル業務だけではなく地域の魅力を引き出すことにフォーカスし、地域創生に関わることができることは素敵だなと思いました。千葉県千葉市の出身で、同県のいすみ市のインターンとして市の観光事業に関わる仕事をしたことがあったので、ホテル業務とともに地方を元気にする仕事もしてみたいと思いました。

 

―――入社後は複数の界の施設でお仕事をされている。

 当初の配属は界 日光で、その後界 長門を経て、2024年の4月から界 鬼怒川に配属されました。界 長門は短期の勤務だったので、かれこれ日光には6年、住んでいます。界 日光に配属が決まった時に、ああ、自分は日光という観光地で働くのだなと考えたときに楽しみとともに不安な気持ちも芽生えていたのですが、実際には本当に日光が大好きになってしまいました。

地域の皆さんが、自分が住んでいる日光を愛していらっしゃる方が多くて、誇りを持っています。当時の私としては、そのような皆さんが新鮮で眩しく感じました。自然の豊かさはもちろん、都心へも2時間あれば到着しますから、利便性も高いです。

 

―――今のお仕事の内容を教えてください。

 フロント業務がメインですが、施設の魅力を高めるための、魅力づくりにも携わっています。ちょうど今、地元の農家の方と連携した新しい滞在プランを練っているところです。内容はまだ未確定部分が多いのですが、栃木といえば苺ですよね。苺を使ったフェアやアフタヌーンティーは都心のホテルでも実施していますが、やはり本場だからこその苺の魅力を伝えることができればと考えています。ですから実際に農家さんを訪ねて、苺栽培のご苦労などを伺っています。

例えば、一般的に美味しいといわれる苺は赤くて大きく、見栄えがいいものという印象がありますが、農家の方が選ばれるのは、葉の中に埋まっていてヘタの部分が少しへこんでいて、パッと見た感じでは自分は選ばないなという感じの苺が、じつはとても美味しいのです。それは、陽射しがあまり当たらないところでじっくり成長する苺は、しっかりとした甘みが蓄えられるからだそうです。そんな美味しい苺の見分け方もお客様に伝えることができればと思っています。苺も様々な品種があり、奥深いなと感じます。

 

―――お休みの日は何をされているのですか。

地元のイベントに出かけたり、様々な情報をチェックして出かけています。当初は日光中心でしたが、今は栃木県全体を知りたいと思って、あちこち出かけます。例えば宇都宮はじつはジャズとカクテルが有名で、素敵なバーもたくさんあります。佐野ラーメンももっと開拓したいと思っています。栃木は本当に魅力的なところが多くて、休日の外出が楽しいです。そして休日を楽しみつつ、学んだことが仕事で活かせるのが、この仕事の原動力であり好きなところ。以前は苦手だった日本酒も、栃木の美味しい日本酒のおかげで好きになりました(笑)

一番好きな中禅寺湖と、日光の魅力を学ぶために参加した日光彩色体験(本人提供)

 

―――将来の夢を教えてください。

 私は接客という現場で働くのが一番性に合っていると思っています。新入社員のトレーニングも担当していますが、栃木の魅力をきちんとお客様に伝えることはもちろん、一緒に働くスタッフが、仕事が楽しいと感じてもらえるようになってほしいと思っています。界 鬼怒川にいらしたお客様が、ここで素敵な体験をして幸せな気持ちでチェックアウトされたら、その幸せな気持ちが周りの方へも広がるのではないかと。そしてお客様の幸せな気持ちが、私たちの仕事の励みになって頑張ることができる。そんな幸せが繋がるような仕事をこれからもしていきたいです。

接客の時に「すごく楽しそうに仕事をされてますね」と声をかけられたことが、本当に嬉しかったです。いつも機嫌よくいることは難しいですが、必要以上に怒ったり、落ち込むのではなく、そのあとどうするかと、ポジティブに考えるようにしています。仕事を始めてから、自分の物事の捉え方次第で、自分を取り巻く世界がどんどん変わると思うようになりました。栃木愛をもっと深めて、笑顔で楽しく仕事をしていきたいと思っています。

 

関屋メモ

とても背筋がピシッとしていた秋山さん。なるほど、バレエを習っていたとのことで、大学ではロシア語を勉強し、現地で短期留学と観光をしたといいます。ロシアでは想像以上に日本文化が浸透し、日本料理店も多くあったとのこと。行く前と実際に行った印象が異なるのも旅の醍醐味と話します。ほんとうに、旅は平和でなければできないですね。バレエ仕込みの姿勢の良さと同様に、一本芯が通った笑顔の素敵なお嬢さんは、自分をきちんとコントロールできる術を持っているようです。つくづく最近の若い人は皆、物事を深く考えているなと思ってしまいます。いつもながら、教えられることが多いインタビューでした。

 

取材・文/関屋淳子 写真/yOU(河崎夕子)

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