第98回 酷暑を逃れ、リトリート! 星のや軽井沢で花に癒される「軽井沢 夏の健幸滞在」 (長野県・軽井沢町)

梅雨明けとともに日本中が沸騰するような暑さになり、身も心もダウン寸前…。そんな方も多いのではないでしょうか。明治期に外国人宣教師らの避暑地として発展した軽井沢。首都圏から1時間足らずで、標高940mの別天地に到着できるのですから、今や「夏からの避難地」と呼べるかも。

圧倒的な非日常感を体験できる「星のや軽井沢」では、831日まで、「軽井沢 夏の健幸滞在」を実施しています。軽井沢病院院長である医師の稲葉俊郎氏の監修のもと、夏の暑さに負けない心身を取り戻すウェルネスプログラムを体験してきました。

浅間山麓の自然に恵まれる星のや軽井沢。水辺を囲む離れの客室はさながら谷の集落。敷地内には四季折々の植物が息づき、豊かな表情を見せています。

この庭を管理する庭師の関口健一さんと一緒に、谷の集落散策です。香り高いヤマユリ、エゾミソハギの鮮やかな紫色、レンゲショウマの可愛い蕾、うつむきがちなヤブカンゾウに誇り高いノハラアザミ……。山野草の植生や特徴を聞きながら、散策路をゆっくり歩くと、今まで見えなかった草花に心が傾きます。吹く風は心地よく、日常から解放されていくのがわかります。

剪定しても良い花や葉をおしえていただき、かごに入れて部屋に持ち帰ります。これを心の赴くままにまんだら模様のように並べる「花まんだら並べ」を体験。白いテーブルの上に、花びらや葉をちりばめます。なんだか無心です。

体験の最後には、敷地内の川に花や葉を流します。執着しない感じが心地良いのです。

星のや軽井沢には光と闇を意識した宿泊者専用温泉「メディテイションバス」があります。ここで腹式呼吸を意識しストレッチを行なう深呼吸入浴法を行ない、体をほぐし心を鎮め、良質な睡眠へ。翌日は朝食前に朝涼ストレッチです。

メディテイションバス(星のや軽井沢提供)

朝涼ストレッチは緑に囲まれた日本家屋で行ないます。4拍で息を吸い8拍でゆっくり吐きます。ゆったりとした腹式呼吸で身体を目覚めさせ、涼やかな空気を体中で感じます。なんと気持ちのいいことか! 木漏れ日が軽井沢の滞在を歓迎してくれているようです。

このプログラムでの朝食は、日本料理 嘉助のテラス席という、贅沢な空間で「目覚めの一椀」から始まります。一椀の中身は、トウモロコシの茶巾。出汁は野菜だけで取っています。動物性由来は一切なく、野菜の皮や根、茎などで丁寧に取った出汁にはすっきりとした旨みが凝縮。そしてトウモロコシの甘さが際立ちます。添えられたバジルもいい脇役です。

朝のテラス席、東京ではすでに暑くてうんざりする時間帯でも、さすが軽井沢。川のせせらぎや樹々のゆらぎが朝食を盛り上げてくれます。

そしてレストラン内に移動して、「山の朝食」をいただきます。野菜や漬物を細かく刻んで味噌で合わせた郷土料理・やたら。これを豆腐と一緒に味わうやたら豆腐をはじめ、大きな出汁巻き玉子や炭火で焼きた魚、色鮮やかな夏野菜のお浸しなど盛りだくさん。昼食が要らないほどたっぷりです。

チェックアウトまで、星野温泉 トンボの湯で湯浴みもよし、風が吹き抜ける客室で二度寝もよし、読みかけの本の続きを楽しむもよし。暑さから、日常から解き放たれた滞在は旅の喜びそのもの。軽井沢でのリトリート旅、体験してみてはいかがでしょう。秋には錦秋の健幸滞在プログラムがあり、紅葉狩りや上田紬の機織り体験なども用意されているとのこと、こちらも楽しみですね。

「軽井沢 夏の健幸滞在」2泊3

期間 :202361~831

料金 :125,800(税・サービス料10%)*宿泊料別

含まれるもの:コンサルテーション2回、深呼吸入浴法のレクチャー1回、朝涼ストレッチ2回、谷の集落散策1回、花まんだら並べ1回、朝食2回、昼食1回、夕食2

星のや軽井沢 

  

取材・文/関屋淳子 撮影/yOU(河崎夕子)

 

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