東京や名古屋・大阪など、東西問わずアクセス楽々な熱海は、レトロな雰囲気が漂う温泉街や、一年を通して開催される海上花火大会など、いつ行っても楽しめるのが魅力。
リゾナーレ熱海はそんなにぎわう駅前からやや離れた高台に佇んでいます。
旅恋ではこれまで2回ご紹介しており、私は1回目の2013年4月に滞在記をリポートしました。
10年以上の時が流れた再訪!夏季限定のイベントや生まれ変わった大浴場など、リゾナーレ熱海の“今”をお届けします。
リゾナーレ熱海では「花火」と海の「青」を取り入れたインテリアを楽しめる。
クラフト「カン」ビール+「カン」ヅメ
カンカンビアガーデンに今年は3つ目の「カン」が仲間入り!
リゾナーレ熱海の最上階にある「ソラノビーチBooks&Cafe」を舞台にした「カンカンビアガーデン」が、8月31日までの期間限定で開催中。
缶詰のディスプレーも楽しげな「ソラノビーチBooks&Cafe」。
静岡県内にはクラフトビールのブルワリーや缶詰工場が多数あり、特にツナ缶の生産量は全国1位なのだそう。これにちなみ、静岡県産のクラフト「カン」ビールと「カン」詰を厳選して集めた「カンカンビアガーデン」は2019年にスタートし、今ではリゾナーレ熱海の夏の風物詩になっています。
今年はこの恒例イベントに、もう一つの「カン」として新たに静岡の名産フルーツである「カン」橘類が加わりました。
テラスには缶詰をイメージしたテーブルやイスが用意され、とってもかわいい!
「ソラノビーチBooks&Cafe」に敷かれた白砂は粒子が細かく、ひんやりとした肌ざわりが気持ちいい。
テラスからは熱海の夜景も望める。約1000冊の蔵書の中には、「カンカンビアガーデン」にちなんだ選書も!
「カンカンビアガーデン」で味わえるのは、オリジナルレシピの「レアツナ缶プレート」。マグロの希少部位を使用したものなどレアなツナ缶をベースに柑橘類のピールや果肉を組み合わせています。
例えば、ポテトサラダにはマグロの頭肉を使用し、オレンジピールをトッピング。マグロの中トロには橙(だいだい)コショウを、マグロのしっぽ肉のアヒージョにはフレッシュなオレンジの果肉を組み合わせています。マグロの水煮にはアボカドを和え、ほんのりワサビを効かせています。
クラフト缶ビールは、静岡県内のブルワリーから選りすぐった10種を用意。さらに今年は富士宮市にあるブルワリー「FIJIYAMA HUNTER’S BEER」とコラボしたオリジナルクラフト缶ビールが加わりました。静岡県産橙の果汁や皮で風味付けしたラガービールで、スッキリとした喉ごしを楽しめる1本。「レアツナ缶プレート」と4種のメニューにもスッと寄り添い、相性抜群です。
缶詰をモチーフにした器に盛られた「レアツナ缶プレート」とオリジナルクラフト缶ビール。
合計11種の静岡県産クラフトビールが勢ぞろい。ラベルも個性的。
オリジナルクラフト缶ビールのラベルをデザインしたのは、ビアイラストレーターのイソガイ ヒトヒサ氏。ショップでも販売しており、爽やかなイラストのクラフトビールは静岡土産としても最適です。
今年3月にリニューアル!
月の存在を身近に感じる大浴場で、熱海温泉に癒されて
大浴場は2025年3月6日に「熱海温泉 ゆらゆら」としてリニューアル。
満月の日の前後3日ほど、海が穏やかで晴れた夜など、さまざまな条件が整うと、相模湾上にムーンロードが現れます。今回、奇跡の絶景「ムーンロード」をテーマにした空間に生まれ変わりました。
エントランスでは「ゆ」の文字が満月のように輝き、モザイクタイルでムーンロードが描かれています。
さらに脱衣スペースの鏡は月の満ち欠けをイメージしたデザインになっています。
大浴場内の壁や天井は濃く深い青色のグラデーションで彩られています。相模湾に向かって開放された半露天風呂は、風景がミッドナイトブルーの額縁で縁取られた絵のように見えます。
訪れた日は曇りがちの天気でしたが、標高およそ170mの位置にある湯船から眼下に相模湾のパノラマや夜には熱海のきらめく街並みを望めました。半露天風呂の温泉はややぬるめに整えられ、やわらかな湯の感触も心地よく、いつまでもパノラマを眺めていられます。
熱海のパノラマを望めるお部屋のテラスで
ホテルにいながらピクニック気分
リゾナーレ熱海のすべてのお部屋から熱海市街地と相模湾の大パノラマを望めます。お部屋の広さも65㎡からとゆったりサイズで、のびやかな空間で熱海時間を過ごせます。
今回宿泊したのは、「テラスリビングスイート」。テラスに面したリビングに加えて、ベッドコーナーが2つあるお部屋です。広さは100㎡以上あり、最大6名まで宿泊できます。
このベッドルームには、ベッドヘッドのさらに奥にくつろげるスペースが。隠れ家みたいで楽しい。
こちらのお部屋には滞在用のアイテムとしてバスケットやラグ、星座早見盤、オリジナルの線香花火、コーヒードリッパーなどが用意されています。デイタイムはラグを広げてちょっとしたピクニック気分を、夜は星座を眺めたり、花火を楽しんだり。お部屋でも旅の思い出が広がります。
「テラスリビングスイート」はテラスだけで広さが35㎡ほどあり、ゆったり。
お部屋に用意される備品たち。コーヒーは静岡市にあるロースターによるオリジナル。
こだわりの空間でいただく会席料理や
朝食ビュッフェで静岡の美味をたっぷり堪能
「和食ダイニング 花火」は、熱海の海上花火大会をイメージしたインテリアが斬新。テーブルがそれぞれ、大輪の花火をデザインしたカラフルな仕切りで区切られ、フォトジェニックな空間です。
ところで、ここまでこのダイニングのほか、「ソラノビーチBook&Cafe」や「熱海温泉 ゆらゆら」、「テラスリビングスイート」のお部屋を見てきたわけですが、リゾナーレ熱海のインテリアは実に個性的で、どこを切り取っても絵になります。このワクワクするような空間デザインを手がけているのは、建築デザインユニットのクライン ダイサム アーキテクツ。今年12月開業予定のリゾナーレ下関や2027年開業予定のリゾナーレ福井のデザインも手がけているそうなので、どんな仕上がりになるのか楽しみです!
この大輪の花火に包まれたテーブルを彩るのは、趣向を凝らした会席料理。相模湾に面したホテルらしく、金目鯛やサザエ、アジなど新鮮な魚貝類をメインとした料理が一品一品供されます。
この日のお献立の一部。写真上は八寸とお造り、写真下は「金目鯛と牛、旬野菜のしゃぶしゃぶ」。
「スタジオビュッフェ もぐもぐ」での朝食もお楽しみ。郷土料理からペストリー、デザートまで50種類以上のさまざまな料理がずらりと並びます。
ペストリーは色々味わえる小さめサイズ。写真右下は郷土料理の「まご茶漬け」。
彩りも美しくそろう料理たちのどれからいただくか迷ったら、スタッフが目の前で料理を用意してくれるパフォーマンスキッチンから、ぜひ。「鯛ごはん」「海鮮 朝ラーメン」「ぐり茶トースト」を味わえます。
「鯛ごはん」には薬味に揚げあおさと梅カツオに加えて、オリーブオイルが用意されています。意外だったオリーブオイルですが、鯛ごはんの風味がより増すので迷わずかけてほしいです。
「海鮮 朝ラーメン」は静岡県藤枝市にちなんだメニュー。県内有数のお茶の産地である藤枝市では茶摘みなどの仕事を早朝から行い、仕事帰りのお腹を満たしに朝早くから人気ラーメン店へ立ち寄る方が多かったのだそう。見かねた店主が早朝から営業するようになったのが朝ラーメンの始まりと言われ、それを再現したこちらの一品。魚介のうまみがたっぷりのサッパリ系スープで、寝起きのお腹にもやさしい味わいです。
静岡といえば、やはり日本茶です。特に伊東エリアで有名なぐり茶のパウダーをふりかけた「ぐり茶トースト」は、生クリームと柑橘ジャムを合わせてデザート感覚でいただきます。
“静岡”を感じるパフォーマンスキッチンの料理たちとまご茶漬け。
それから、ご当地メニューとしてさらにおすすめなのが、「まご茶漬け」です。もとは漁師が漁の合間に船上で食べていたという静岡の郷土料理で、叩いたアジをご飯にのせ、だし汁をかけていただきます。「まごまごしないで早く食え」という意味から「まご茶漬け」とついたそうですが、ここではゆっくり風味を堪能しましょう。
晴れの日も雨の日もおまかせ!
熱海の“森”で遊んだり、多様なアクティビティを満喫
「熱海=海」のイメージでしたが、リゾナーレ熱海にはステキな森がありました。緑のトンネルを抜けるとそこには、樹齢300年以上のクスノキを中心に、豊かに木々が茂り、木の葉の隙間から遠くに相模湾が見えます。ツリーハウスや本格的な樹上アスレチックがあり、子どもはもちろん、大人もワクワクする森です。
訪れた日は、初日が曇りがちな晴れ、翌日は雨という天気だったのですが、リゾナーレ熱海なら晴雨関係なく楽しめます。晴れたらこの「森の空中基地 くすくす」やお部屋のテラスなどアウトドアで過ごしましょう。熱海海上花火大会が開催される夜は、テラスから花火見物も可能です。ちなみに、熱海海上花火大会は晴天に恵まれることが多いそうです!
雨ならインドアの充実したアクテビティにチャレンジしたり、「ソラノビーチBooks&Cafe」でのんびり読書をしたりもいいですね。
旅物や写真集、絵本など本のラインアップも多種多様!海を感じるディスプレーもステキ。
リゾナーレ熱海
所在地:静岡県熱海市水口町2-13-1
電 話:050-3134-8093(リゾナーレ予約センター)
料 金:1泊2万4000円〜(2名1室利用時1名あたり、税・サ込、朝食付)
「カンカンビアガーデン」
期 間:「ソラノビーチBooks&Cafe」で、2025年8月31日まで開催
料 金:入場無料、「レアツナ缶プレート」3000円、クラフト缶ビール800円〜、缶詰300円〜
時 間:10:00〜22:30(L.O.22:00)※21:00以降の入場は大人(12歳以上)限定。アルコールの提供は20歳以上。
◼️ショート動画で見るリゾナーレ熱海
取材・文/川崎久子