第61回 縁結びの地へご利益旅。「星野リゾート 界 出雲」で松葉がに、日本酒、アマテラスオオミカミに出会う(島根県・玉造温泉)後編

松葉がにを味わい尽くす幸せなおひとりさま時間

前編では美肌の湯や茶文化をお伝えしましたが、さてお楽しみの夕食です。

3月10日まで、「界 出雲」では活蟹を味わえる「ひとり蟹会席」の宿泊プランを提供中。しかも食せるのは「タグ付き」の松葉がに。このタグ付きというのが重要で、松葉がにの品質を守るために地元で獲れた蟹にはその証として各漁港のブランドタグが付けてあるのです。青のタグは隠岐の島で揚がった隠岐松葉。それをなんと「ひとり蟹会席」プランならまるまる一杯ひとり占めできるのです!冬だけの特別な蟹尽くしのプランです。

コース前に、今回特別に調理前の「活蟹の奉納蒸し」の蟹のお姿を拝見。神様に奉納されるお供えをヒントに奉書で包んで蒸しあげており、三方に乗った大きな蟹にはしめ縄も添えられています。大きい!うれしい!!と、思わず声が出てしまい、取材ということを忘れて笑顔が出てしまいます。会席コースの中からいくつかのメニューを紹介します。

【先付け「香箱蟹」

蒸したメスの蟹の身を、三杯酢のゼリーと合わせ、卵たっぷりの身と蟹味噌とともにいただきます。三杯酢の酸味とあっさりとした蟹の身が口の中で合わさって旨味が広がります。

蒸し蟹「蟹の奉納蒸し」

杉の板と一緒に蒸して香りも旨味もとじ込めた一品。ほんのり味がついているので、このまま食してもいいですし、添えられた蟹塩とスダチ・蟹酢・割り魚醤・アボカドとワサビのソース・雲丹太白など6種類のオリジナルソースをつけてもまた異なる味わいでいただけます。蟹を食べる時は黙ってしまうのがお約束ですが、「ひとり蟹会席」ですから沈黙を気にしなくてよいのがいいのです。ひとりでひたすら蟹の身をほぐしながらしみじみと至福の時間を過ごせます。

台の物「蟹すき鍋」

シジミでとった出汁で蟹と野菜を煮ていただきます。鍋は、遠赤外線効果が高い石州瓦で作った界 出雲オリジナル。冷めにくく食材をふっくらと仕上げてくれます。出汁にも蟹の風味がたっぷりしみ込んだ鍋は絶品です。

この他にも「蟹の甲羅焼き」や〆の「蟹雑炊」など蟹を使った品が続き、蟹をまるごと全部ひとりで味わい尽くせます。身のぎっしり詰まった脚、濃厚な味わいのカニ味噌、甘くて上品な蒸し蟹など、ボリュームたっぷりのコースですが、調理法が様々なので飽きることが一瞬たりともありません。界 出雲でもおひとり様のゲストは増えているそうですが、ほぼ皆さんこちらの「ひとり蟹会席」を予約されるそう。納得の味です!

個性豊かな地酒がずらりと揃う酒処

お楽しみはまだまだ続きます。

毎晩20時から食事処の奥には「日本酒BAR」が出現。一説によると日本酒発祥の地とも伝わる島根県には30の酒蔵があり、ここ「日本酒BAR」では宿に居ながら酒蔵巡りができます。2021年2月現在、27の酒造の36種類もの日本酒が揃っており、スタッフオリジナルの酒蔵地図や日本酒紹介、リモート視聴できる酒蔵からの動画メッセージをチェックして、飲んでみたい日本酒を選んで飲み比べできるようになっています。

飲み比べセットは、おつまみ付きで日本酒3種1,000円、6種2,000円。三密回避のため、電話でオーダーすればスタッフが客室まで運んでくれるのも安心です。古酒のようなもの、フルーティーなもの、キレのある辛口なもの、濁り酒など、個性豊かな日本酒がずらりと揃っています。

今晩いただいたのは「+旭日」「月山 純米吟醸」「やまたのおろち純米生酒辛口」。
日本酒3種(90ml)+おつまみ1,000円。通常はグラスで提供

島根ならではのお酒が「八塩折の酒(やしおりのさけ)」。ヤシオリってどこかで聞いたことある方もいるかもしれません。数年前に話題になった映画『シン・ゴジラ』で、ゴジラを凍結させるという作戦に命名されていましたよね。この名前の由来が、『日本神話』でスサノオノミコトが八岐大蛇(ヤマタノオロチ)に飲ませて酔いつぶさせて退治した伝説の酒のことだとも言われています。「八塩折の酒」は、醸したお酒を用いて、さらにお酒を仕込んでいき、それを繰り返すことなんと8回!紹興酒のような琥珀色の色合いで味わいは濃厚ですが、口当たりがよいのでクイクイといけます。珍しい酒なのでぜひお試しあれ。

八塩折の酒(30ml)+おつまみ800円。通常はグラスで提供

ヤマタノオロチも酒に酔わされる

ヤマタノオロチの話が出てきたところで、毎晩21時15分からロビーで始まるご当地楽へ向かいましょう。ご当地楽とは、界ならではの地域の伝統文化や芸能に触れ、体験できるおもてなしのこと。島根県は、日本神話の舞台であり、出雲大社や玉造温泉の玉作湯神社など多くの神社があります。ここ界 出雲のご当地楽では、日本神話で天宇受売命(アメノウズメ)が天照大神(アマテラスオオミカミ)のために舞ったのが起源とされる神楽「石見神楽」をスタッフが演じます。

今宵の演目は『大蛇(オロチ)』。先ほどの説明通り、1人の娘が八つの頭を持つ大蛇に食べられそうになるところ、スサノオノミコトが「八塩折之酒」をオロチに飲ませて退治するストーリー。大蛇が酔っぱらうシーンやスサノオノミコトとの格闘シーンは大迫力!ぜひこの興奮を感じてください。

大浴場や客室露天風呂で体をあたためた後は、国家資格を有するマッサージ師による施術で日頃の疲れを取りましょう。客室でのマッサージなので、そのまま寝落ちしてしまっても大丈夫。血流もよくなり、翌日の目覚めもすっきりしているはずです。

「出雲大社ガイド付き」プランなら出雲をより詳しく知る事ができる

界 出雲では、島根県観光連盟と提携した出雲大社のガイド付き宿泊プランも提供しています。2時間のガイドコースなら、縁結びの神社・出雲大社や、オオクニヌシノミコトが出雲の国造りを成したという稲佐の浜へも案内してもらえます。ガイドは、チェックイン前またはチェックアウト後に利用できるのでスケジュールを組んでみてはいかがでしょう(1時間コースもあり/予約は15日前迄)。


出雲大社。神楽殿の大注連縄が有名

またガイド付きプランの朝食は、神様に献上する食事「神饌(しんせん)」を模した特別朝食が用意されます。川魚・海魚、野菜・海草、水鳥・野鳥といった神饌の要素が忠実に再現された食事が三方に乗って供されます。自然の恵みに感謝しながら神様と同じ食事をいただくことで、神様とご縁を結ぶ。朝から健やかな時間を過ごすことができます。

 

約10年ぶりの玉造温泉訪問。温泉の素晴らしさは以前も感じましたが、星野リゾート 界 出雲での滞在で、神話を間近に感じ、和菓子やお茶文化を学び、豊かな日本酒文化に舌鼓を打ち、産地だからこその蟹の美味しさを丸ごと堪能することができました。そして島根県は、美しい日本庭園で知られる足立美術館や、シジミが有名な宍道湖に沈む夕日の美しさも魅力的な地です。蟹は毎年11月から翌年3月頃までですが、いつ訪れても新しい発見がある玉造温泉、出雲へぜひまた泊まりたいと思った滞在となりました。

  <星野リゾート 界 出雲>

島根県松江市玉湯町玉造1237

℡0570-073-011(界予約センター)

  • 料金1泊34,000円~(2名1室利用時1名あたり、サ込・税別、夕朝食付き)
  • ひとり蟹会席1泊47,000円~(1名1室利用時1名あたり、サ込・税別、夕朝食付き)※3月10日チェックインまで ※「星野リゾート 界 加賀(石川県・山代温泉)」でも提供中

https://kai-ryokan.jp/izumo/

取材・文/塩見有紀子

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