世界のファインダイニング by 江藤詩文

第39回 アウトドアだっておいしくなくちゃ! グランピングで味わうとっておきの信州キュイジーヌ 「Snow Peak FIELD SUITE HAKUBA KITAONE KOGEN(スノーピーク フィールドスイート 白馬・北尾根高原)」後編(長野県・白馬)

さぁ、いよいよ「Snow Peak FIELD SUITE HAKUBA KITAONE KOGEN(スノーピーク フィールドスイート 白馬・北尾根高原)」のディナーが始まります。

これまでのお話は 前編 をどうぞ。

全8品で構成されたディナーメニューには、松川町「矢沢農園」の矢沢さんの「マリゲットマリーラ(洋梨)」、糸魚川「磯貝鮮魚店」磯貝さんの「アオリイカ」など、生産者さんの名前と食材が並んでいてほっこり。

(モッツァレラをエスプーマ仕立てにした天龍村「龍泉閣」熊谷さんの「ていざなす」)

山の上で調理したとは思えない、技術と手数をかけた手の込んだ一品があるかと思えば、星空の下、薪で火を起こして豪快に焼き上げたアウトドアならではの信州プレミア牛のフィレステーキなど、とにかく振り幅が広い。

(お口直しがもはやミシュラン調査員に見せたいレベルのアートです)

(専属シェフ・鈴木伸悟さんは地元の名人に蕎麦打ちを習いに行ったとか)

地上のレストランでもグラニテなどで済ませがちな「お口直し」でさえ、フレイバーブラスター(香りと煙を入れたバブル)でレモンの香りとスモークを閉じ込め、ピンクレモネードのギモーヴやさるなしなどを盛り合わせたミニパフェと楽しむという手のかけ方。すごいぞ、信州キュイジーヌ。締めには蕎麦の実のポップをアクセントに、EVオリーブオイルと塩で食べる手打ち蕎麦まで登場しました。

(長野産のワインと日本酒を組み合わせたペアリングも体験できます。ノンアルもあり)

アフターディナーは、さらに「焚き火バー」へと場を移し、ひんやりとした山の空気の中、ウィスキーを片手にぼんやりと炎を見つめたり。見上げれば降るような満天の星空。空が近い。

(この日も快晴。早起きしたかいがありました)

翌朝5時15分。東京の日常ならこの時間から眠ることもある時間に起床して、ハンドドリップで淹れてくれた香り高いコーヒーを飲みながら、雲海を眼下にご来光を待ちます。白馬三山が赤く染まるこの現象は「モルゲンロート」と言うそう。ヤバい、アウトドアかなり楽しいかも。

(リフトを乗り継いで八方池へ)

この土地ならではの味覚を集めた朝食を済ませたら、チェックアウトの時間までもうひと眠りするか、このままリゾート内でくつろぐか、露天温泉に入るか。迷ったすえ自分でも信じられませんが「八方池」までトレッキングすることに。な〜んて種明かしをすると、リゾートからリフト乗り場まで送迎してもらって、リフトを2本乗り継げば、片道1時間半くらいで「八方池」まで行けるのです。これなら軟弱者でもハードルが低い。

お天気に恵まれすぎて日傘を差しながらのトレッキングになりましたが、無事に到着できて大満足。帰りには鈴木さん特製の、これまた信州の食材がたっぷり詰まったお弁当まで用意されていました。

こんなアウトドアならビギナーの私も大好き。というわけで宿泊を絶賛お勧めしますが、そうは言ってもテントに泊まるのは不安というアウトドア初心者のみなさんの気持ちもよくわかる。そんな方に向けて、先ごろディナーだけを楽しめる日帰りプランが登場しました。あのアペリティフから始まるディナーは、フーディーズなら一度は体験する価値あり。ヨーロッパの山岳リゾート気分を味わってみてくださいね。

(データ)

Snow Peak FIELD SUITE HAKUBA KITAONE KOGEN
(スノーピーク フィールドスイート 白馬・北尾根高原)
https://fieldsuite-hakuba.com

公式サイトから予約できます。

*料理は全て訪問時のもの。季節などにより変更されます。

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