トコトコ東北 by 川崎久子

カワサキ的ツーリング情報 Vol.19 福島・会津美里町

会津藩のお膝元

若手も頑張る焼き物の郷〜会津美里町 会津本郷焼

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会津本郷焼とは...
1590年に会津に移封となった蒲生氏郷が、1593年に若松城を改修する際、
城郭の屋根を葺く瓦を播磨の国から職人を呼んで製造したのが、
会津本郷焼の起こりといわれています。
1645年に二代目将軍徳川秀忠の庶子であった保科正之が藩主となり、
本格的に陶器の生産を開始。藩の支援を受けて陶業が発展したのだそうです。
会津本郷焼の郷は、磐越自動車道会津若松ICからおよそ20分のところにあります。
インフォメーションセンター「窯の美里 いわたて」を中心に、14の窯元が点在。
いずれも歩いて行けるほど、街はコンパクトにまとまっています。
この「窯の美里 いわたて」には、組合に入っている14の窯元の作品が勢ぞろい。
期間限定でひとつの窯元にクルーズアップするコーナーもあります。
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同じ会津本郷焼とはいえ、窯元によって作風が異なるので、
ここで好みの作品をチェック。
インフォメーションで配布している窯元マップを手に
街あるきをするのがおすすめです。
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私が気に入った窯元をちょっとご紹介。
樹の音工房
若いご夫婦が2001年にオープンさせた工房です。
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今回、会津本郷焼の郷へ行きたいと思ったのも、
東京のとある雑貨屋さんでこちらの作品を見かけたのがきっかけでした。
古民家を改装した店先には、起き上がり小法師をかたどった
箸置きが日向ぼっこ中。
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クスッと笑ったしまう風景です。
こちらの工房では、粉引きというベースの上に白い土を重ねた作品が主で、
毎日眺めても飽きがこない、シンプルな形の器が多いのが特徴です。
先に登場した起き上がり小法師のように、The 会津なものや、
桜など季節の花を描いた器もあります。
工房の近くには週末だけオープンする蔵を改装した
ギャラリー兼カフェもありますよ。
陶房 彩里
今年の年始に、親戚の家に訪れた際、
ちょっと変わったお猪口が出てきました。
お猪口の縁に、会津地方の郷土玩具・赤べこがくっついているのです。
それも、赤べこの顔がお猪口の内側に、外側に胴体がついていて、
まるで赤べこがお猪口に突き刺さってしまったような形。
従姉妹が会津で買ったと聞いたのですが、その作品を作っているのが
こちらの彩里(いろり)でした。
街めぐりマップ上では、樹の音工房と同じ通りにあるはずなのですが、
行ってみると工房は閉まっており、張り紙が張ってありました。
どうやら、最近移転した模様で、工房は中心地から少し離れたところに立っていました。
まだ真新しい工房内に、ありました、ありました!お目当てのお猪口が。
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しかも、湯のみや急須もあるじゃないですか。
赤べこ型の箸置きや起き上がり小法師の形をした小皿もあり、どれもかわいい!
会津土産を探すのにぴったりな工房です。
大内宿こぶしライン
焼き物さんぽのあと、時間があるようでしたら、
宿場町の名残を感じられる大内宿へぜひ。
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会津美里町から県道72号を南下し、県道131号に入ると後はもう一本道です。
通称「大内宿こぶしライン」と呼ばれるこの道は、
適度なワインディングロードで、アップダウンも少なく、
里山の風景を楽しみながらのんびり走れますよ。
(取材・執筆 川崎 久子)

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