トコトコ東北 by 川崎久子

第36回 八幡平で爽快ドライブ!大パノラマが魅力の絶景スポットめぐり(岩手県・八幡平市)

緑に縁取られた階段の向こうに見えるのは、青い空と白い雲のみ。その先にどんな風景があるのか、ワクワクしませんか?

焼走り溶岩流までは盛岡駅から車で40分ほど。

ここは岩手県八幡平市にある「焼走り溶岩流」の入り口。奥羽山脈の最高峰である岩手山はかつて5回ほど噴火しており、最後に噴火したのは1732年のこと。岩手山の麓にあるその階段を上ると、黒々とした溶岩で埋め尽くされた荒涼とした世界が広がっています。岩手山の北東、中腹あたりから流れ出た溶岩流は長さ約3km、末端の幅は約1.5kmもあり、特別天然記念物に指定されています。

噴火からおよそ300年という悠久の時が過ぎても植物が育ちにくいこの場所は、樹木の姿はなく、コケや地衣植物が生えているのみ。なだらかな裾野を広げた岩手山の鮮やかな緑と溶岩流の灰黒色がくっきり分かれており、自然の生み出すコントラストが本当にキレイ!耳を澄ませば周囲を取りまく林から野鳥の声が聞こえ、過酷な環境に生き生きとした営みがあることを教えてくれます。

ぐるりと周回できる散策コースがある(所要1周約45分)。

岩手山と反対側に目を向ければ、また違った風景が!

八幡平山頂まで続く岩手山パノラマラインや八幡平アスピーテラインは爽快な眺望も魅力的なドライブコース。途中には松川渓谷にかかる「森の大橋」をはじめ、気持ちのいい展望スポットが多数あります。

焼走り溶岩流を後にし、40分ほどでたどり着く山頂エリアは、最も大きな八幡沼をはじめ、湖沼が点在する湿原になっています。なかでもこの時季一番の注目は鏡沼で、新緑の季節、透き通った雪溶け水が「龍の目」のように見える「八幡平ドラゴンアイ」が神秘的な美しさを見せてくれます。

「森の大橋」からの眺め。あいにくの天気でもぜひ立ち寄りたい。

眼下に小さな滝が。松川渓谷は紅葉の名所としても有名。

「八幡平ドラゴンアイ」の見頃は例年5月中旬から6月中旬頃。

八幡平市内でランチをいただくなら、「古民家食堂 なつかしの家」がおすすめ。独り暮らしの高齢者がみんなで食事を楽しめるようにと、グループホームなどを運営するNPO法人がオープンさせた食堂で、一般の方の利用も可能。八幡平市内で採れる野菜などを主に使用した料理を味わえます。今年3月末には、岩手県内で2例目となる農林水産省によるオーガニックレストランの認証を受け、食材の質は折り紙付き。お品書きには日替り定食・唐揚げ定食、有機野菜のスパイスカレーのほか、カフェメニューも並びます。

店舗は築およそ100年の古民家で、太い梁や柱をそのまま生かしリノベーションされています。天井の高い落ち着ける空間で、八幡平の恵みをいただきましょう。

リノベーション当初はデイサービス施設として利用されていたそう。

日替り定食の一例。小鉢もついてボリューム満点。

立派な神棚に見守られる店内。

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