ひとり旅にアート心も入れて by 塩見有紀子

紅葉とライトアップの特別な秋の3日間 〜江戸東京たてもの園

そろそろ都内でも紅葉の見頃を迎え、紅葉狩りの予定をたててらっしゃる方も多いかと思います。お寺や山での紅葉を見に遠くへ足を延ばすのもいいですが、都内の博物館で紅葉とライトアップはいかがでしょうか?

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スタジオジブリの宮崎駿監督が作品のヒントを得ていたという東京都小金井市の小金井公園内にある『江戸東京たてもの園』。毎年11月下旬の3日間、夜間特別開園「紅葉とたてもののライトアップ」が開催されます。期間中は開園時間が20時まで延長され(入園は19時30分まで)、さらにはキャンドルナイトやあかりの歴史体験など、様々なイベントが行われます。今年は11月25日(金)〜27日(日)に開催されます。

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2年前に旅恋記事でもご紹介しましたが、『江戸東京たてもの園』は文化的、歴史的な建物を移築保存、復元した野外博物館です。園内は建築家・前川國男の自邸や気象学者・物理学者であった北尾次郎が自邸として設計したと伝えられ、その後ドイツ人建築家ゲオルグ・デ・ラランデにより3階建てに増築された明治時代の洋館「デ・ラランデ邸」などが並ぶ西ゾーン、銭湯や居酒屋、味噌・醤油の店、『千と千尋の神隠し』の釜爺の部屋のヒントになったとも言われる文具店など下町の風情を再現した東ゾーン、2・26事件の現場ともなった高橋是清邸やビジターセンターのあるセンターゾーンの3つのエリアに分かれています。

20161118-tatemono03.JPGちなみに正面出入口になっているビジターセンター(旧光華殿)は、昭和15年(1940)に皇居前広場で行われた紀元二千六百年記念式典のために皇居内に建てられた式殿を移築した立派な建物です。お見逃しなく!

「紅葉とたてもののライトアップ」では、園内の建物や庭園がライトアップされるほか、都電の保存車、民家の囲炉裏焚きやガス灯にも火が入れられ、昔のあかりの雰囲気を味わうことができます。時折チラチラと瞬くガス灯の意外な明るさにびっくりするかもしれません。

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そして、東ゾーンの万世橋交番前から東広場にかけては約1000個ものキャンドルが灯された幻想的な風景の中、ホットワインやクラムチャウダーなどのあたたかい飲み物や食べ物の屋台が立ち並びます。冷えた身体がほっこりとあたたまりそうです。

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ライトアップは16時半からですが、開園時間の9時半から入園することが可能です。せっかくなので、建物内部や太陽に照らされた紅葉を明るい内にじっくり見て、夜は日中の光景とは異なるライトアップされた紅葉や建物を見ながら散策するのもいいかもしれませんね。

深まる秋の中、夜の江戸東京たてもの園をゆっくりと散策できる特別な3日間。防寒対策をしっかりとして、普段は見られない幻想的な夜のたてもの園を楽しみましょう。

<イベント>
1.民家の炉焚き
25日(金)〜27日(日)16:30〜19:20
復元建造物「吉野家」「天明家」の囲炉裏に火が入れられます。

2.あかりの歴史体験
講師:小林克氏(日本大学講師、日本女子大学講師)
26日(土)、27日(日) 17:30〜19:30
復元建造物「万徳旅館」で、行灯やランプなど、江戸・明治・大正時代のあかりが体験できます。提灯・手燭・灯心など、あかりの道具展示も行われます。

3.仕立屋のガス灯点灯
25日(金)〜27日(日) 16:30〜20:00
復元建造物「仕立屋」に現存するガス灯がイベント期間限定で点灯されます。

●キッチンカフェ&キャンドルナイト
25日(金)〜27日(日) 16:30〜20:00(キッチンカフェは15:00〜)
キャンドルが灯る東の広場に、あたたかい飲み物や食事が提供される屋台が出店されます。

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江戸東京たてもの園

http://www.tatemonoen.jp

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