今日も古墳日和 by 多田みのり

切手が魅せる豊かな世界vol.2 「ウサギ!カワウソ!ハリネズミ⁉︎」展開催中!

平成から令和へと時代が変わり、未曾有の10連休はいかがでしたでしょうか?
東京・目白の切手の博物館では、6月30日まで「ウサギ!カワウソ!ハリネズミ⁉︎」展を開催しています。
お出かけ疲れの方も、働き通しだった方も、ぜひホッと和みに行ってみませんか?

活き活きと描かれた「モフモフ」「チクチク」な小動物たち

JR目白駅から高田馬場方向へと歩くこと約4分の「切手の博物館」。開館は1996年で、日本および外国切手約35万枚(1960年以降に発行された切手のおよそ60%)、封筒やハガキなどのステーショナリー類約1万5000枚、切手関連の書籍やカタログ約1万3000冊、切手関連の雑誌・オークション誌約2000タイトルを所蔵する、世界でも珍しい郵便切手専門の博物館です。常設展示はなく、所蔵品の中から年4回3ヶ月ごとの企画展のテーマに合わせて、様々な切手を選んで展示しています。

展示室は小さいですが、約100ヵ国(地域を含む)、800点余りの切手を展示しています

4月3日から6月30日までは「ウサギ!カワウソ!ハリネズミ⁉︎」展を開催ということで子供と一緒に行ってきました。とはいえ、
「切手でウサギやカワウソ?」
「そんなに種類があるのかな?」
見る前は「?」マークがいっぱいだったのですが、心配は無用でした! 切手って本当にバリエーション豊かなんですね。

愛玩用に改良されたカイウサギたちはどこまでもラブリーだし、野生で暮らすウサギたちは眼光鋭く俊敏な姿。ほっこり和み系のカワウソや、つぶらな瞳のハリネズミなどなど、想像以上のかわいさ!虫メガネでじっくり鑑賞すれば、柔らかそうな毛並みやピンと伸びたヒゲなど、細かな部分の描写まで見て取れます。

虫メガネを使って見るのはマストです!細かなところまでよく見えて、数倍楽しめます!

私が気に入ったのは、こちらのウサギの切手。ママウサギが子ウサギたちに、遠くにいる肉食系の獣を「アイツが一番気を付けないといけない敵よ」と教えているかのように見えます。童話の挿絵のようで印象的でした。

まるで笑っているかのようなカワウソの切手は、目があうなり釘付けに。まるで何かを訴えかけてくるようです。

ハリネズミの切手は意外と品があるものが多いような気がしました。

外貨獲得のために売れ筋を確実に狙ってくるというハンガリーのリスの切手は、まさに直球。愛らしさ全面押しです。

ハンズオン展示のコーナーは2種あり、ひとつは中国香港が発行した遊びをデザインした切手をパネルにしたもの。間違い探しや迷路などの切手を拡大して、遊べるようになっています。


もう一つは、切手の100枚束で動物たちの重さを表しています。ヤマネとハリネズミとカイウサギの最小種であるネザーランドドワーフの体重が示されていて、そのうちヤマネは実際に手に乗せることもできます。

切手100枚はおよそ4グラム。ヤマネはわずか20グラムなので、100枚束5個分です。手に乗せると想像以上に軽い‼︎ こんなに軽くて小さいの⁉︎ と驚きました。

壁面展示の世界地図は、世界各国に生息する小動物たちの切手が紹介されています。馴染みのあるものから、アナグマやイイヅナなど同分類の様々な動物たちの切手を見ることができます。

最奥の壁面は、「飼った!飼ってる!飼ってみたい⁉︎」のコーナー。日本で発行された10種の小動物切手のうちから、「むかし飼っていた、またはいま飼っている」と「これから飼ってみたい」を投票できるようになっていて、かわいい切手を紹介するだけでなく、実体験や願望を問う参加型展示になっています。


エゾユキウサギやニホンカワウソなどの正統派から、ハート型のハリネズミやカピバラ、ファンキーなぶら下がり姿のキンクマハムスターなど、切手の図案や形も色々なんですね。飼育経験としてはやはりウサギとハムスターがダントツですが、まん丸な瞳でジッとこちらを見るエゾクロテンやオコジョ、エゾモモンガが「飼ってみたい」票を集めていました。

私はいずれの動物も飼ったことはないのですが、今回様々な切手を見ていたらリスに惹かれてしまい、「リスを飼ってみたい」に投票しました。

スーべニアコーナーも小動物の切手が取り揃えられていました。日本国内では日本で発行された切手しか使えないので、外国の切手はシールがわりに使ったり、マスキングテープを使ってデコレーションしたお手製のカードなどを作る人が多いそうです。

小さな額縁に入れて飾るのもオシャレ。切手=手紙に貼るもの、という概念を捨てると、色々な使い方が見えてきそうです。ステーショナリー類も今回は充実させたそうで、特に人気はカワウソ柄とのこと。

日本各地の風景印の中からウサギやカワウソ、リスなどを描いたものを集めたパソコン展示もありました。こうして見ると日本全国あちこちにかわいい風景印があるんですね。

その土地の魅力を描いた風景印は意外に身近な郵便局にもあります。切手を買いに郵便局へ訪れた際には、ぜひ「風景印、ありますか」と聞いてみるといいかもしれません。

最後はエントランスの記念撮影スポットへ! ウサギとカワウソとハリネズミが切手を調べている姿が描かれた記念撮影パネルがあります。かわいー♪

耳寄り情報

5月18日(土)はICOM(国際博物館会議)が定める「国際博物館の日」ということでイベント盛りだくさんだそう。
その1・大人も子供も入館無料!
その2・豊島郵便局の臨時出張所が設けられ、記念撮影スポットと同じ小動物モチーフの「国際博物館の日」小型印を使用!
その3・学芸員による「ウサギ!カワウソ!ハリネズミ⁉︎」展のギャラリートークを開催(午後2時30分から)
その4・普通切手「エゾユキウサギ 2円」の原画が特別公開!(5月17・18・19日の3日間)

ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?

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切手の博物館(https://kitte-museum.jp/

住所 :東京都豊島区目白1-4-23
電話 :03-5951-3331
開館時間:10:30〜17:00
休館日 :月曜日(祝日の場合も)、展示替時、年末年始
入館料 :大人200円、小中学生100円
*毎月23日の“ふみの日”は入館無料(23日が月曜日の場合は翌24日が無料)
交通 :JR山手線・目白駅徒歩3分、JR山手線、東京メトロ東西線、西武新宿線・高田馬場駅徒歩7分

(取材・文/多田みのり)

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