ニホンノカタチ by yOU(河崎夕子)

第3回 廃墟好きも鉄道好きにもオススメの豊後森機関庫跡(大分県玖珠郡玖珠町)

 

車窓から流れる景色を目で追いながら、チラリと見えたのは青空の下、広い草原に佇む扇型の廃屋。

思わず興奮したのは、子供の頃から廃墟萌えする私にはたまらない光景だったから。

大分県玖珠郡玖珠町。

現存するJR九州の久大本線豊後森駅の隣にダイナミックに残された旧豊後森機関庫、その手前には普段あまり目にすることのない車両を方向転換するための転車台がそのまま残っています。

1934年に完成して、1971年に使用が廃止となるまでSL(蒸気機関車)が21台も所属した大型の鉄筋コンクリート造の機関庫と転車台は、2012年に国の登録有形文化財に指定されました。

機関庫の扇型の形状は本当に独特で、一昨年まで健在だった築地場内の水産部仲卸業者売場の建物を思い出します。

 訪れたこの日、私たちは美しい蔦の絡まる機関庫跡の外部をくるりと一周してから、その内部に足を踏み入らせていただきました。シンと静まり返った扇型機関庫の内部はガランとしていましたが、いくつかの車輪が無造作に転がり、天井には煤煙の跡、1日の往来を終えたSLが転車台を使ってここに戻り、また翌朝には出庫していった様子が伺えました。

またこの機関庫は太平洋戦争時に米軍機の攻撃を受けたという過去も。機銃掃射によってできた壁面の弾痕も生々しく残っていました。

現在はかなりの老朽化が進み、通常は立ち入りは禁止ですが、ガイドをつけて見学することが可能です。(玖珠町へお問い合わせください。)

鉄道好きにも廃墟好きにもたまらないこの産業遺産を是非長く残していってほしいものです。

また隣接した「豊後森機関庫ミュージアム」は鉄道好きにはたまらない展示や体験が楽しめる施設。玖珠町の町づくりの一役を担っています。

 

豊後森機関庫公園

〒879-4403 大分県玖珠郡玖珠町帆足242-7 TEL :  0973-72-7153

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