今日も古墳日和 by 多田みのり

第15回 ドラマにも登場!国内最多の33面の三角縁神獣鏡が出土した黒塚古墳(奈良県・天理市)

【古墳プロフィール】
名  称:黒塚古墳
古墳の形:前方後円墳
時  代:3世紀後半
整備状況:国指定史跡として整備
展示施設:古墳の東側に天理市立黒塚古墳展示館がある
URL:https://www.city.tenri.nara.jp/kakuka/kyouikuiinkai/bunkazaika/kurozuka/index.html

今回も奈良県の古墳をご紹介します。高い知名度と人気を誇る、天理市にある黒塚古墳です。奈良盆地の南東部に分布する柳本古墳群のひとつで、龍王山麓の丘陵先端部に位置します。同じ丘陵には櫛山古墳(全長約155mの双方中円墳)や崇神天皇陵(全長約242mの前方後円墳)も築かれており、大規模な古墳が集中して築かれた場所です。

古墳時代前期にあたる3世紀後半の築造で、
全長約130m、後円部径約72m、後円部高さ約11m、前方部高さ約6mの前方後円墳です。
(天理市教育委員会許可)

1997、98年に発掘調査が行われ、後円部の中央から長さ約8.2m、幅約0.9〜1.2m、高さ約1.6mの長大な竪穴式石室が見つかりました。調査によると、築造後早い段階で地震により石室の一部が崩れたため、その後何度も盗掘が試みられたものの被害をまぬがれ、埋葬当時のままの状態で検出されました。

古墳の西側、前方部から後円部を望む。真ん中の凹みがくびれ部分です。
(天理市教育委員会許可)

後円部墳頂には、石室の場所と形を示したパネルが置かれています。
こうしてみるといかに長大かがわかります。
(天理市教育委員会許可)

石室は下部に川原石、その上に板石を合掌型に積み上げてあり、粘土を貼った床の中央には、巨木をくり抜いた木棺が置かれていました。木棺そのものは腐って無くなっていますが、棺の位置や遺体の向きが調査で明らかになりました。頭部のそばには画文帯神獣鏡が立て置かれ、脇には剣や刀が見つかり、生前の愛用品と推察されています。

一方、棺の外には、黒塚古墳が広くその名を知られることになった33面の三角縁神獣鏡をはじめ、鉄鏃や小札などの鉄製品が出土しました。

古墳の東側にある天理市立黒塚古墳展示館では、出土時の石室レプリカを展示。
33面の三角縁神獣鏡は、棺を囲むようにコの字に置かれていました。
(天理市教育委員会許可)

三角縁神獣鏡は、大和王権が地方支配の証として各地の大王に配布した鏡と考えられており、その鏡をこれだけ有しているということは、この被葬者はかなりの権力を持っていたと考えられます。

三角縁神獣鏡は保存状態も良く、ひとつの古墳からの出土数としては国内最多でした。
展示館2階では鏡のレプリカがずらりと並んでおり壮観です。
(天理市教育委員会許可)

テレビドラマ『鹿男あをによし』では重要なシーンに登場し、一般の方にも広く知られることになった黒塚古墳。学術的にも貴重な古墳ですので、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

★古墳日和ポイント★

天理市から桜井市までの山の辺の道は、ハイキングしながらの古墳探訪が楽しめます。全長200mを超える大規模古墳から、「え!これも古墳」という小ぶりのものまで、様々な古墳に出会えますよ。

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