美しく、コンパクトなのに密にならない、withコロナの旅先はGO TO富山へ!後編(富山県・富山市)

前編に続き、コンパクトシティ・富山市のご紹介です。前編では富山城周辺をご紹介しましたが、後編は、お城の南、かつての城下町の中心部で、高札場(こうさつば)も設けられていた西町界隈です。高札場とは幕府から御法度、掟書などを一般庶民に通達する高札を掲げたところです。

西町交差点にある[TOYAMAキラリ」©(公社)とやま観光推進機構

ここでひときわ目につくのが、「TOYAMAキラリ」。富山市ガラス美術館と富山市立図書館がある複合ビルです。建築には新国立競技場の設計で有名な隈研吾さんが携わり、外観はアルミ・ガラス・白御影石を素材とする約1000枚のパネルが使われています。館内も斬新な造りで、一見の価値ありです。ゆったりとした吹き抜け空間が連なる図書館スペースは、長居したくなる居心地のいいスペースです。ショップやカフェもあり、ひと休みにもちょうどいいのです。もちろんガラスの企画展もぜひ。

斬新なデザインの図書館は隈研吾さんの設計

TOYAMAキラリ 

次はお土産におすすめのふたつの老舗をご紹介。

明治30年創業の「月(つき)世界本舗」は、軽くて淡い口あたりの干菓子「月世界」(新鮮な鶏卵と和三盆糖、寒天、白双糖を煮詰めて糖蜜と合わせて乾燥)と、マシュマロのような味わいの「まいどはや」(柚子と胡麻)が主力商品の和菓子店。いずれも上品な銘菓です。ちなみにまいどはやは、富山の方言で、こんにちはの意味。月世界をイメージしたウサギのパッケージがとっても可愛く、お土産にぴったりです。

ジャケ買いもおすすめです

月世界本舗 

「島川あめ店」は昔ながらの製法で水飴を作る、350余年の歴史を刻む店です。水飴は、もともと富山の薬(丸薬)の苦みを軽減するために、生薬の中に入れて利用されたものだったのです。富山らしい歴史ですよね。砂糖を使わぬやさしい風合いで、甘みも穏やか。ちょっと喉に潤いがほしいというこれからの季節、さらに蜂蜜より癖がないので料理に使うのもおすすめです。製法は材料の澱粉(主にサツマイモ)と麦芽のみで、すべて国産。大窯で2日間煮詰めます。いつまでもなくならないでほしい、伝統の逸品です。

砂糖とは異なるやさしい甘さの水飴

島川あめ店 

昼食は美味しい薬膳料理はいかがでしょう。越中の和漢薬・反魂丹(はんごんたん)の製造販売で知られる「池田屋安兵衛商店」の2階では、漢方の考えを取り入れた「健康膳」(要予約・2200円)が味わえます。化学調味料は一切使用せず、手作りで旬の食材を使った煮物や焼き物、鶏団子と高麗人参のスープ、黒米のおこわなどが楽しめます。薬膳と聞くとあまり美味しくないのでは?と思われがちですが、味もよく体に染み渡るようなじんわりとしたやさしさに溢れる料理なのです。食べ終わると植物の力で体がポカポカ。温活女子にもおすすめです!他にもハーブティーや野草のアイスクリームなどもあり、ティータイム利用もできます。

池田屋安兵衛商店の2階でいただける健康膳黒米のおこわ

そして1階には、反魂丹をはじめ、各種の漢方薬や健康茶が並び、薬のパッケージを見ているだけでも楽しめます。反魂丹はセンブリやオウレンなどが主成分で、消化不良や胸やけ、飲みすぎ食べすぎなどに効果があります。在宅ワークでついつい食べすぎちゃったというときに、味方になってくれるはずです。また、かつて使われていた薬作りの古い道具が展示され、丸薬づくりの体験もできます。今も富山の経済基盤を支える製薬産業の礎を実感できるお店です。

薬の国・富山を実感できるお店

池田屋安兵衛商店 

2回に分けてご紹介した富山市いかがでしたでしょうか。東京駅から北陸新幹線を使い、最速2時間10分で到着する、水の都。慌ただしい日常、コロナ禍で窮屈になった心を解き放ちに出かけてみてはいかがでしょう。これからの季節は蟹、寒鰤、鱈…という冬のグルメも満載!まだまだお伝えしきれない魅力も満載の街なのです!

取材協力:「月刊グッドラックとやま」

取材・文 関屋淳子

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