4月10日~18日限定の斬新な食体験! 今だから楽しめる世界初 西洋×東洋の“鉄板焼アフタヌーンティー” ザ・リッツ・カールトン東京「ひのきざか 鉄板焼」(東京・六本木)

 4月10日~18日、ザ・リッツ・カールトン東京の45階に位置する日本料理「ひのきざか」。その鉄板焼カウンターで、私が知る限り世界で唯一のクリエイティブな鉄板焼アフタヌーンティー「一期一会」が始まります。

日本料理「ひのきざか 鉄板焼」店内(写真提供/ザ・リッツ・カールトン東京)

日本らしい懐石料理からヒントを得たメニューは、セイボリー5品、スイーツ3品で構成されたコース仕立て。選びぬかれた5種類のお茶がペアリングスタイルで提供されます。

最初に登場したのは、昨年(2020年)に新しく認可された栃木の新種いちご「とちあいか」を使った苺豆腐と低温でゆっくり淹れた煎茶。

苺豆腐と京都の宇治煎茶

懐石料理の「八寸」を思わせる、春らしさ満点の盛り合わせには、中国・福建省のジャスミン茶「Jewel of Flowers HANA」を合わせます。

右手前から時計回りに、蛍烏賊 あけがらし味噌、桜海老の自然薯饅頭、真鯛昆布〆 二色の飛子、菜花浸し 鯛の子 

そして、私がコースを通してもっとも気に入ったのが、セイボリー3品目としてサーブされたこちら。富士山麓のきれいな水で、世界で初めて薬を使わずにマスの養殖に成功した「くぬぎ養鱒場」のマスは、これだけのクオリティに育て上げるまでに、12年間も試行錯誤を繰り返したそう。

くぬぎ鱒麹漬け 蕎麦粉のプチパンケーキ キャビアと生柴漬けを添えて

静岡県富士宮市にある「くぬぎ養鱒場」の功刀芳康さん。釣り堀でのマス釣りやつかみ取り、塩焼き、バーベキューなどが楽しめる施設もあります(写真提供/くぬぎ養鱒場)

そんな健康そのもののマス自身の持ち味を引き出そうと、添えられているのはキャビアとブリニ。キャビアを食べる定番のスタイルを取りながら、あくまでもマスのおいしさを引き立たせるためにキャビアを脇役に回すという贅沢を実現できるのは、ラグジュアリーホテルならではの特権かも。

マスの中心部はうま味が活性化する程度まで火入れするなど、丁寧に調理されていました

「よろしければ、崩れてお皿に残ったマスの身やエキスを、お手元の小さなパンケーキに乗せてお召し上がりください」と、谷口祐卓(ゆたか)料理長。昨今、世界のフードシーンで一大ムーブメントとなっているフードロスへの目配りもしつつ、とにかくこのマスのおいしさを最後まで味わってほしいという熱い思いが伝わってきました。

ホテルの場合、多様なゲストが訪れることから、メニューの事前決定や食材の安定供給など、街場のレストランとはまた違った苦労があるもの。料理長の谷口さんは、自ら生産の現場に足を運び、生産者たちと信頼関係を築き上げています。

鉄板焼きといえばの牛肉が焼けるのを待つ間に出されたのが、黒大根やコールラビなどカラフルな野菜が盛り合わせられたサラダです。

苺を入れた農園直送サラダ 梅肉ドレッシング

これは栃木県下野市にある「海老原ファーム」が手がけるブランド野菜「エビベジ」のもの。「エビベジ」といえば、ヨーロッパ野菜やハーブなど、日本ではまだ珍しかった野菜を少量多品種で栽培する先駆け。プロ御用達のファームです。

「海老原ファーム」の海老原秀正さん。いまはスナップエンドウの真っ盛りとか。エビベジは、伊勢丹新宿店で小売りしているほか、頒布会でお取り寄せもできます

鉄板焼の花・牛肉は3種類の調理法で。きめ細やかなサシが特徴の山形県尾花沢産「雪降り和牛」を使用

アフタヌーンティーのセイボリーらしく、プレゼンテーションもかわいいひと口サイズの和牛を味わって、温かいお茶を飲み、スイーツへと気持ちをリセットします。

和牛パテの照り焼きハンバーグ、和牛の焼肉サンド、和牛フィレステーキ

左:福岡県産の焙じ茶「KAHO 香焙」右:様々な器で

鉄板の上で蒸し焼きにした「スフレパンケーキ」など、デザートにも鉄板が活用されています。「鉄板というと豪快に肉を焼くイメージですが、実は蒸したり炒めたり、さまざまな調理ができるのです」と谷口さん。

白いお汁粉 苺 白玉 小豆。デザートのサーブ時には、インスタ映え間違いなしのサービスが。実際にお店でお確かめください

 

右手前から時計回りに、桜ようかん、スフレパンケーキ 焙じ茶の蜜、チョコで包んだ苺シャーベット、嶺岡豆腐 苺添え、中央はわらび餅 黒蜜

このユニークなアフタヌーンティーが生まれたきっかけは、昨年(2020年)11月に就任したばかりのフランス人の新しい総料理長、サンドロ・ガンバさんのひらめきだったそうです。

サンドロ・ガンバ総料理長(左)と谷口祐卓料理長

サンドロさんは、自身のアイデンティティである西洋文化と、キャリアを積み重ねてきた東洋での経験(上海や香港で活躍後、来日しました)とをかけ合わせて、新しいものを生み出したかったそう。

その思いを受けた谷口さんは、緊急事態宣言によって不自由な中でも、メニューづくりにじっくりと取り組めたと言います。

国境が閉ざされたからこそ、クロスカルチャー、ミックスカルチャーの醍醐味を改めて発見する今日この頃。西洋×東洋のエッセンスを味わってみませんか。2021年秋には第2弾も予定しているとか。こちらも楽しみです。

ザ・リッツ・カールトン東京

「ひのきざか 鉄板焼」

ダイニング・エクスペリエンス「一期一会」¥12200(税サ込)

4月10日〜18日の9日間限定/1430分スタート

完全予約制  電話のみ(03-6434-8711/10時~20時)

 

取材・文/江藤詩文 

 

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