
新潟県出身のタレント、俳優、農業ジャーナリスト、新潟食糧農業大学の客員教授をしている大桃美代子です。IFAJ(The International Federation of Agricultural Journalists)国際ジャーナリスト会議のケニア大会に参加してきました。そのリポートを3回にわたり、ご紹介します。
東アフリカに位置するケニア共和国。アフリカ大陸は初めての渡航でした。渡航前のワクチン接種などで、1ヶ月前くらいから準備が必要です。まずワクチン接種だけで、7万円。なかなか敷居が高い。狂犬病、A型肝炎、破傷風、黄熱病……。一番キツかったのは、黄熱病のワクチン接種で、腕が重くなり、上がらなくなるくらい。しばらく鈍痛がありました。異国に旅をすることは、体を作ってからでないとできない、と感じました。
また、海外に行く時に、大使館からの連絡が届く「たびレジ」に登録をしておくと、日本人が事件に遭いやすい場所、滞在先の国のデモなどの情報が届きます。旅慣れぬ国はもちろん、どこの国に行くにも登録をしておくと安心です。クレジットカードはVISAを使用(アメリカンエキスプレスカードはほぼ使えませんでした)。出発前に「何日から何日までケニアに行くので、使えるようにしておいて欲しい」と連絡も入れました。突然の海外使用でカードが不正使用とみなされ、止まってしまうことを危惧したからです。ちょっと手間ですが、現地での決済をスムーズにするためにおすすめします。
ドーハ空港でトランジット
カタール航空でドーハ経由ナイロビ到着。ナイロビはアフリカの中で経済発展も著しく、アフリカのシリコン・サバンナと言われ、IT系、金融が伸びていて大都会。しかし、一歩路地裏に入ると、ホームレスや世界一のスラム街など貧富の格差を目の当たりにする場所です。

街の売店
ホテルに入るときも、セキュリティーチェックがあり、テロ対策で持ち物から、ボディチェックを毎回受けます。アルカイダのテロがホテルや大使館であったこともあり、浮かれ気分が一瞬で引き締まりました。
今回の会議の前に、サバンナを体験する「アンボセリ国立公園1泊2日ツアー」に申し込みました。
アフリカの観光産業は自然をダイナミックに感じるツアーがたくさんあり、ホテルにジープが迎えにくるタイプをお願いしました。やたらと陽気なケニア人のガイドとドライバーのふたりがセットで案内してくれます。

上部が幌になっているランドクルーザー
ナイロビのホテルを朝7時半に出発、4時間の道中は舗装されていない道路が多く、砂埃が舞い、マスクが欠かせません。途中休憩が1回。さらにお土産物屋さんに30分…は長い。お昼近くになり、砂地のサバンナが続く中、訪ねたのはマサイ族の村。車を降りて村に近づくと、マサイの若者がジャンプをする歓迎のダンス。身体能力の高さを感じます。手を繋ぎ、一緒にダンス。その後、村の仕組みや家のなかを見せてくれます。
村の女性たち
牛の糞や泥を混ぜた土で作る家の壁
円錐系の家は、牛のふんや、泥を混ぜて壁を作る究極のエコハウス。なかは、焚き火ができるスペースがあり、そこで煮炊きをします。煙が壁を頑丈にし、野生動物が近づかないニオイになるとのこと。トゲトゲのイバラなどが村の中に植えられているは、コヨーテなどの野生動物から人間を守るために作られていると説明をうけました。
日本も熊被害が聞かれますが、常に野生動物の脅威を感じながら暮らすことや、自然に対する畏敬の念に触れ、安全な住環境にある日本は「ありがたい」と感じます。サバンナツアーなのに、午前が終わってもまだ到着しないサバンナツアー。次回はいよいよサバンナへ。
取材・文/大桃美代子







