あなたも「近代化遺産」萌え! by 関屋淳子

第4回 日本でここだけ!パナマ運河の仕組みを体感できる中島閘門(こうもん)(富山県・富山)

閘門(こうもん)を御存じでしょうか? 運河の上流と下流の水位差を調整して、船を通すための水のエレベーターのようなものです。運河と聞いて名が挙がるのがパナマ湾の太平洋とカリブ海の大西洋を結ぶパナマ運河ですが、その高低差は26mにもなります。この高低差を調整して船を通す仕組みを実際に体感できるのが、日本で唯一、富山市の富岩(ふがん)運河なのです。

中島閘門を入るクルーズ船。まだ水位は高い状態

富山を流れる神通川は暴れ川として知られ、明治34年に河川改修工事が行なわれ、現在の河道ができました。しかし水が流れなくなった元の河道が市街地を分断する形で残っていたため、昭和5年に富岩運河の着工と運河を掘った土砂で市街地の埋め立てなどが進められました。運河は物資の流通に使われていたわけですが、戦後は舟運からトラック輸送へ。運河の埋め立て計画もあったそうですが、現在は運河の船溜まりを環水公園として活かし、市民の憩いの場となっています(めちゃ、羨ましい空間!)あの世界一美しいといわれたスターバックスがあるのも、この環水公園です。

市民の憩いの場・環水公園とスターバックス

環水公園側から富岩運河を走る富岩水上ラインに乗り込みます。環水公園と富山港にある岩瀬を結ぶ航路もありますが、中島閘門の操作室を見学できる往復コース(約70分)をチョイス。船は一路、上流部から中島閘門へ向かいます。中島閘門の合掌式の扉が開き、船はプールのような水だまりに入ります。するとだんだん水が抜かれていき、下流との2.5mの水位差を調整します。船の前方の門が開き、下流部へ。帰りはこの逆を体験します。水だまりに入るとぐんぐん水が注ぎこまれ、上流部と同じ水位になるというわけです。

船尾から上流を見る。合掌式の閘門が閉じていく

水位が下がっているのがわかりますか?

パナマ運河に比べるとスケールは1/10ですが、実際に体験できることがすごい! ちなみにこの中島閘門は昭和の木造建造物として初の重要文化財に指定されています。復元された操作室には大理石のパネル操作盤などが残り、当時の様子を知ることができます。

手の建物が復元された操作室 

人知と土木事業、水をコントロールしながら暮らしに役立てる。様々な水辺の生き物と植生が息づく自然豊かな環水公園の一角で、そんな近代化遺産を面白がれる貴重な体験が待っています。

富岩水上ライン https://fugan-suijo-line.jp/ 令和3年1月3日まで運航

新幹線富山駅から徒歩約10分 

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