マイスターと世界遺産の知の旅へ by 山本厚子

江の島さんぽ

 湘南の有名観光スポット・江の島をご紹介します。
鎌倉観光から足を伸ばす方も多いのではないでしょうか。

水族館やスパなどもあり、カップルやファミリーで楽しめる場所です。

今回、私は島の中心にある江島神社を訪ねてみることに。

江の島の玄関口には青銅の鳥居が立ち、ここから江島神社の参道が始まります。
道の両脇には、土産物店や食事処が軒を連ね、たいへん賑やか。

道幅も広くないので、観光客で混雑していますが、
江島神社まで一本道なので、迷うことなく辿りつけます。

江の島1

文政4(1821)年に建てられた青銅の鳥居

江の島2

参道途中の郵便局前では、明治時代の"郵便差出箱"を
再現した四角い黒のポストを発見!

ゆるやかな坂道を上りきると、正面に赤い鳥居が見えてきます。
鳥居をくぐって階段を上ると、江島神社・辺津宮(へつのみや)に到着です。

私は階段を使いましたが、階段のほかに「江の島エスカー」という
有料の屋外エスカレーター(上りのみ)が設置され、楽にお参りできます。

3つの区間に分かれ、それぞれ200円、180円、100円とかかりますが、
すべて利用するなら通し(全区間350円)で購入する方がお得です。

江の島3

赤い鳥居の左側にエスカーのりばがあります

田寸津比賣命(たぎつひめのみこと)という女神を祀る辺津宮は、

建永元(1206)年、源実朝が鎌倉幕府の繁栄を祈って創建したものです。

江の島4

現在の社殿は、昭和51年改修

社殿の隣には弁天堂があり、妙音(みょうおん)弁財天と

八臂(はっぴ)弁財天像が安置されています。見どころは、
俗に「裸弁財天」と呼ばれている妙音弁財天。

琵琶を抱えた坐像は一糸まとわぬ姿で、真っ白な美しい肌をしています。
鎌倉時代の作と言われていますが、まったく古さを感じさせません。

江の島5

奉安殿ともいわれる弁天堂(拝観料150円)

さて、これで江島神社を訪れた気になってはいけません。

というのも、江島神社とは、ここ辺津宮のほか、島内にある
奥津宮(おくつのみや)、中津宮(なかつのみや)の3ヶ所のお宮の総称だからです。

実は、私も辺津宮までは以前に何度か来たことがあったのですが、
ここから先へと行ったことがありませんでした。

今回は、辺津宮からさらに歩いて中津宮と奥津宮を目指します。

次に現れるのは中津宮です。

やはり上り階段が続きます(エスカーもありますよ)。
市寸島比賣命(いちきしまひめのみこと)という女神を祀る中津宮は、

鮮やかな朱色の社殿が特徴です。

江の島6

権現造りの社殿は平成8年に改修されたもの

さらに歩いていくと、島の頂上部に出てきます。

ここには、明治時代の英国人貿易商サムエル・コッキング氏ゆかりの
和洋折衷の植物園「江の島サムエル・コッキング苑」があります。

苑内には、展望灯台「江の島シーキャンドル」もあり、海抜100mを
超える地点にガラス張りの展望台からは富士山など大パノラマが

広がるそうです・・・が、今回は先を急ぐので、パスすることにしました。

江の島7

江の島のシンボル的存在、江の島シーキャンドル

江の島の頂上にあたるサムエル・コッキング苑から

島の西南端に位置する稚児ヶ淵までは下り坂が続きます。
目指す奥津宮は、その途中にあります。
石鳥居をくぐり、奥津宮の境内に進みます。

鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』によれば、源頼朝が何度も江島神社に参詣し、
鳥居を寄進したと伝わっています。

江の島8

現在の鳥居は平成16年に補修されたもので、源頼朝寄進の鳥居ではないそう

奥津宮で祀られる多紀理比売命(たぎりひめのみこと)は、海を守る女神さま。

現在の社殿は天保12(1841)年に焼失した翌年に再建されました。

江の島9

昭和51(1976)年に建てられた拝殿

拝殿の天井部分には、どこから見てもこちらを睨んでいるように見える

「八方睨みの亀」が描かれています。江戸時代の画家・酒井抱一が描いた
ものですが、原画は江島神社宝蔵に保存されていて、

私たちが見ているのは模写だそうです。

江の島10

天井を見上げ、亀とにらめっこしてみてね

奥津宮を参拝した後は、さらに稚児ヶ淵へと下ります。

稚児ヶ淵は、隆起現象によって海面に現れた海食台地で、
天気が良ければ富士山や夕日の美しい景観が見られ、

「かながわの景勝50選」にも選ばれています。

江の島11

海の青さがまぶしい稚児ヶ淵。この日はうっすらと富士山も見えました

稚児ヶ淵を眺めながら、次に訪れたのが「江の島岩屋」です。

長い年月をかけて波の浸食が造り上げた洞窟で、
第一岩屋と第二岩屋があります。

岩屋の歴史などがパネルで紹介されるギャラリーを通り、
まずは第一岩屋へと進みます。
洞窟は暗いので、途中でロウソクを渡されます。

ロウソクの炎に照らされた洞内を歩くのは、何だか探検に行くみたいでワクワク!
岩屋は、古くは役の行者や弘法大師、日蓮上人もが修行したと

伝えられ、庶民の信仰も篤く、岩屋詣でが盛んに行われたといいます。
そのことを象徴するように暗い通路の脇にはたくさんの石仏が安置されています。

第一岩屋は途中で左右二手に分かれるのですが、
右手最奥部には、「江島神社の発祥の場所」の看板が立っていました。

ここで欽明天皇13(552)年、守護神を祀ったのが江島神社の縁起といわれています。
第二岩屋では江の島の龍神信仰にちなんで、龍が見られますよ。

※洞窟内の画像は暗くて上手に撮れませんでした(>_<) 

皆さんの目で確かめて来てくださいね。

これで江島神社めぐりは終了です。

歩いて戻ってもよいのですが、疲れてしまった私は、
稚児ヶ淵から乗合船の「べんてん丸」で片瀬海岸まで戻ることに。

坂や階段を上り下りして来た時とは違って、
湘南の海風を感じながらラクラクと戻ることができました。

江の島12

べんてん丸の乗船料は片道400円

(DATA)
江の島へは、江ノ島電鉄「江ノ島駅」、小田急江ノ島線「片瀬江ノ島駅」、

あるいは湘南モノレール「湘南江の島駅」から徒歩約15分

立ち寄りスポット

今回、私が江の島へ行く前に立ち寄ったのが、七里ヶ浜にある「bills」。
ご存知の方も多いと思いますが、

billsは「世界一の朝食」と称されるシドニー発のカジュアルレストラン。
現在は表参道やお台場などに出店していますが、ここ七里ヶ浜が国内1号店。

ビーチに面したロケーションが最高です。

bills1.jpg

オーガニックスクランブルエッグ withトースト (1200円)に
ローストトマト(250円)をプラスしました

bills2.jpg

リコッタパンケーキ withフレッシュバナナ、ハニーコームバター(1400円)
ふわふわの食感は、パンケーキというよりはスフレに近い感じ

bills
鎌倉市七里ガ浜1-1-1 WEEKEND HOUSE ALLEY 2F
0467-39-2244
https://bills-jp.net/

 

 

(取材・執筆 山本 厚子)

 

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