ひとり旅にアート心も入れて by 塩見有紀子

街なかに出現するアート! アート! アート!

多くの人々が行き交う、東京の立川駅にある「ファーレ立川」をご存じですか? ここは、かつて米軍基地として使われていた駅北口の約5.9ヘクター
ルもの広大な敷地を商業市街地として1994年に整備した場所。ですが、無機質なビルや店舗が並ぶ中、ところどころに出現するのが、100個以上のさまざ
まなアート作品。そうなのです。ここは街のど真ん中にある野外美術館といっていいスペースなのです! 

これは、都市であっても「歩く楽しさ」や「親しみやすい街を」というコンセプトから造られたもの。今まで
都市計画の一環としてのアート作品は、機能性重視で美術的におもしろくないものが多い、似たような作品、同じような材質の作品が集まってしまうという傾向
がありました。たしかに、街なかでたまに見かけるアートは、「何故こんな銅像がこんなところに?」はては「お金の無駄では?」と思ってしまうことさえあっ
たような気も(苦笑)

でも、ここファーレ立川には、換気口やサイン、車止め、街灯、ベンチ、散水栓のカバー、駐輪場のサインなど、機能性を有しながらもアートとして街の中にしっかりと存在しているのです。

ファーレ立川 (2)

左上:この車、実際に乗り込めるんです。石造りっぽいですが、実は石ではないんです   
右上:機械搬入口のかわいらしいサイン
左下:農機具の残骸で造られた羊のオブジェ 
右下:ヘビに襲われそう!?ですが、これはベンチ

参加アーティストは実に世界30ヶ国以上、90人以上にのぼります。90人以上のアーティストがそれぞれ造ったものですから、素材はもちろんのこと、作品のタッチがまったく違うのがおもしろいのです。また、中には見るだけでなく、触れたり、座ったりできるものも。

ファーレ立川 (3)

左は、化石!?のような舗道。何気なく歩きながらも、下も上も見逃せません


りげなく設置されているものも多いので、ビルを見上げたり、歩道橋の下をのぞき見たり、作品を探し出す喜びもあります。私Purpleが
行った時も、「ココにあった!」「あそこにもある!」「これはなんだろう?」とワクワクドキドキしながら歩き回ってました。かなり広い場所のどこにあるか
わからないのですが、見つけられた時の喜びで歩くのが楽しくなってしまうほど。さぁ、皆さんはいくつのアート作品を発見できるでしょうか?

ファーレ立川 (1)
↑ お気に入り。
イスを兼ねた車止めなのですが、靴から人の影が伸びているのです

●ファーレ立川
JR中央線立川駅北口一帯

(取材・執筆 塩見有紀子)

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