勉強熱心な飯田さんご夫婦。アメリカで知り合い佐賀、関西から由布市に移住
2023年、由布院盆地の真ん中にいちご狩り農園が誕生しました。場所は「ゆふいんフローラハウス」という小さな温泉宿(とは言え敷地は広い!)の一角。運営をしているのは飯田さんご夫婦。アメリカで農業研修を受けた後、佐賀の実家(いちご農家)でキャリアを積み、由布院に移住して農園を開業しました。
「由布院盆地は冬の気温が低いため、いちごの生産にはあまり適していません。でも温泉を利用すれば大丈夫ではないかと考え、ご縁のあるフローラハウスの温室をお借りして栽培をはじめました」と話します。温室3棟には温泉パイフが張り巡らさせれており、冬の寒さからいちごを守っています。
大分県では有名な品種「ベリーツ」
栽培に使っている温泉はフローラハウスが持っている自家源泉。泉質は単純温泉で泉温は53度。ナトリウムや炭酸水素、塩化物の割合が高い湯質のため、そのまま与えると塩害のような症状に。そこで大分県の研究機関に相談をし、「希釈をすればいちごにも適するのではないか」とのアドバイスをもらい、16倍に希釈して与えているのだそうです。
温泉好きな飯田さん、成分の活用についても語ってくれました。
「温泉に含まれているメタケイ酸のおかげで、葉が丈夫に育ちます。またホウ素やマンガンといったミネラルが含まれているのもいちごの生育にはプラスになっています」
農園で育てているいちごは8品種。「さがほのか」を中心に、大分生まれの「ベリーツ」「ゆふおとめ」、2021年に誕生した「ほしうらら」など珍しい品種も栽培されています。品種によって栽培方法も異なり、それを見つけ出すのも楽しみのひとつ、とのこと。取材日にいただいた「ベリーツ」は、香りが高くてジューシー、すっきりとしたおいしい味わいでした。
こちらのいちご狩り園は「ゆっくりして欲しい」と、時間の制限は設けていません。周囲には、のどかな田園風景が広がり、由布岳を眺めながらのんびりと過ごすことができます。
ところで、日本には現在約2万8,000本の源泉がありますが、そのうち約1万1000本、4割が未利用です。温泉は、入浴のためだけではなく農業や生活など様々なシーンで活用できる天然の地下資源です。熱や含有成分をいちご栽培に活かしている、こちら由布院の温泉いちごは、新しい温泉の活用法を示してくれているようです。

温室には手洗い温泉。不定期営業の「フローラハウス」では貸切り入浴できる温泉浴室も
由布院いちご園
https://sites.google.com/view/yufuin-ichigo-en/
*HPをご確認の上、予約をしてからお出かけください
ゆふいんフローラハウス
https://y-florahouse.com










