熊本・菊池はやっぱり美味しい! からだがよろこぶご馳走食材と名店を訪ねて〜2018(後編)

熊本県・菊池。

前編では、からだにやさしい食材の生産者や、美味しくいただけるお店をご紹介させて頂きました。後編では、築100年超えの古民家で食べられるおかあさんの味御膳や、社長じきじきの目利きの品揃えが好評のからだがよろこぶ食材を扱うお店のほか、自然の碧さに驚く水源、熊本地震以降閉鎖されていて今春より再開した菊池渓谷などをご紹介して参ります。

今までの記事はコチラから↓

熊本・菊池はやっぱり美味しい! からだがよろこぶご馳走食材と名店を訪ねて〜 2018(前編)

昨年掲載の「からだがよろこぶご馳走食材と名店を訪ねて〜熊本県菊池市

(前編)(後編)

 

「郷乃恵」

菊池市と隣接している菊池郡・大津(おおづ)に店を構える「郷乃恵」は、築100年は超えているという古民家で営まれている自然食レストラン。

木々の生い茂った道を抜けていくと、はっとさせられるような風情ある古民家に出会います。タイムマシンにのったような錯覚さえ覚える店構えは、女将さんである渡邉ヤス代さんのご実家の母屋をレストランとして活用できるようにリフォームしたそうですが、大きな改築はされておらず当時の原型がほぼキープされています。店名は女将さんのお父様の名前『郷恵(ごうめぐみ)』からとったそうです。

家と味を紡いできた「郷乃恵」の低めの玄関を、腰をかがめながらくぐって入ると、高い天井と立派な梁、そして店の裏に広がる竹林が目に入り、レストランというより山荘へ来たような感覚に。

この日いただいたのは「郷乃恵御膳セット」。ごはんや郷土料理の野菜いっぱいのだご汁、煮物や和えもの、酢のものなど、地元の食材がふんだんに使われた数々の目移り必至なおかずが膳にのせられています。大きな竈で炊かれたごはんは白米と玄米の二種で供され、食べごたえ抜群のだご汁や、ステーキのように立派な厚揚げも格別です。

野菜などはすべて無農薬で、調味料などもこだわりのもので仕立てられた郷乃恵御膳セット、お腹がいっぱいなのに苦しくない、からだにすっと入ってくるご馳走御膳です。
また17時からの夜のメニューには黒毛和牛コンソメラーメンという文字もあり、ディナータイムにも訪ねてみたいところ。春には店裏の竹林で掘りたてのたけのこも登場するそうです。季節ごとの恵みを味わえる郷乃メ恵、ぜひ訪れてみてください。

細い道を抜けていくと現れる趣ある佇まいの古民家、軒先では季節の花が出迎えてくれます

 

 

様々な人々が時を過ごしてきた郷乃恵の空間は、まるでタイムマシンに乗ってきたような錯覚に

 

 

店の裏の竹林、たけのこの時期にも訪れてみたい

 

美味しく滋味深い郷乃恵御膳セットはボリュームも満点

 

 

自然派きくち村「渡辺商店」

無農薬、自然栽培、有機栽培のお米や野菜、調味料やお茶類などを販売している「渡辺商店」。先代までは酒店を営まれていましたが、当代の渡邉義文社長によって、無農薬・自然栽培・有機栽培にこだわった食材とともに、「どんな生産者が、どの場所で、どのように作った食材なのか」という究極のトレーサビリティを追求してセレクト・販売されています。

その人気は、熊本や九州にとどまらず東京含め遠方のファンも多くいるそうで、ネットショップが開設されているのも嬉しいところ。

 

「米どころの菊池産として米を販売することもよいのですが、もう一歩踏み込んで、米農家さんごとの味わいの違いもお客様に伝えていきたい」とのこと(渡邉社長)。その言葉通り、渡辺商店では米農家さんごとに管理・精米され、お客様の元へ届けられています。それは大変な手間と思うのですが、そうすることでお客様は好みの米と出会え、農家さんの米は確実に喜んでいただけるお客様のもとへ届けられ、よい関係が長く築けるそうです。

 

選りすぐりの品揃えは米だけにとどまらず、野菜や肉や魚介、調味料などなど幅広いもの。今回は香ばしさに一目惚れした鉄釜でじっくり低温焙煎した黒煎り玄米茶や六穀米、またおすすめいただいたアカモクという海藻などを買ってみました。また最近販売が開始されたというグラスフェッドジャージー牛乳100%と平飼鶏の有精卵を使ったプリンは要注目。ヨーロッパでも牧草で育った牛の牛乳やその牛乳を使ったチーズ製品などは人気アイテムでした。早速注文してみようと思います。

渡辺商店では、お客様によいものを知って頂く機会として田植えや稲刈りのイベントなどなど様々な取り組みをされています。ご興味ある方はホームページをチェックしてみてくださいね。

元酒店の佇まいを残す渡辺商店の蔵

無農薬米「ひのひかり」の田んぼ。通常は30cm間隔での田植えですが、ひのひかりは間隔を40cmにすることで美味しくなるそう。田植機での植え付けがむずかしく、手作業で田植えをされたそうです。実りが楽しみです。

 

香ばしい香りがたまらない黒煎り玄米茶、六穀米、天然アカモク

 

菊池渓谷

水のよきところ、菊池の代名詞ともいえる菊池渓谷は、菊池市の東部に位置する森とその中を流れる渓流です。夏でも天然のクーラーのように涼しく、川の水は、足を踏み入れると長くはつかっていられないほど冷たいです。散策道にはケヤキなどの高木や、水源ならではのコケ・シダ類も美しく、森の妖精が現れてもおかしくないと感じられました。2016年4月の熊本地震以降閉鎖されていましたが、今春より再開、ぜひ足をのばして頂きたい菊池渓谷です。

 

美しい水とともに存在してきた森の中は別世界、季節ごとに見せる異なる表情にも出逢ってみたい

 

熊本県・菊池は、恵まれた水源と肥沃な大地で作られる食材と、それを活かす料理人が共演するエリアだとつくづく感じた今夏の訪問でした。

宿泊は今回も、美肌の湯でもある菊池温泉の望月旅館にお世話になりました。

湯疲れしない菊池温泉の名湯をたっぷり味わった後は、温泉街にある地元のみならず遠方のファンも訪れる焼き肉とホルモンの「もっこす」へ行ったり、ディープな菊池を感じたい方ならスナックを巡ったりするのも楽しいかもしれません。

美食と良い湯の菊池は、わかりやすいプッシュ型観光地ではなく、現地の美味しいものや美しいものを自分の好みに合わせてあれこれ選ぶ、プル型観光地といった感じです。ぜひ訪れてみてください。

 

<主な取材ご協力先>

「郷乃恵」熊本県菊池郡平川1045 電話:096-294-2305

Facebook内の郷の恵のページ

https://www.facebook.com/satonomegumi/

「渡辺商店」http://kikuchimura.jp/

「菊池渓谷」https://kikuchikeikoku.jimdo.com/

「望月旅館」http://www.mochiduki-ryokan.com/spa

 

(文と写真:奥田ここ)

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