トコトコ東北 by 川崎久子

第15回 岩手はクラフトビール天国!旅先はもちろん、おうち時間も岩手のビールを(岩手県・盛岡市)

ビールづくりにかかせない主原料のひとつ、ホップ。ビールのあの爽快な香りやほろ苦い味わいの素になっています。このホップの国内生産量日本一が、何を隠そう岩手県なのです。令和2年のデータでその国内シェアは、なんと48.7%!ちなみに2位は秋田県、3位は山形県と東北勢でトップを独占しています。

その岩手県のなかで随一のホップの産地が遠野市。2019年の秋に、遠野産ホップを使用したクラフトビールを飲んでみたいと、遠野に足を運んだのは、今や懐かしい記憶。遠野駅前にある遠野醸造で、毎年夏に遠野ホップ収穫祭が開催されていると聞き、ぜひ次回参加したいと再訪を誓いました。しかし、残念ながら2020年、2021年とコロナの影響で開催中止に。来年は開催されるといいなと切に願っています。

遠野駅から徒歩3分ほどのところにある遠野醸造TAPROOM(写真は2019年当時)。
店内奥に醸造タンクがあります。
ビールはオンラインでも購入可能です(https://tonobrewing.store)。

さて、今回は盛岡でのクラフトビールのお話。

盛岡駅のほど近く、北上川に架かる開運橋近くを散歩していると、川辺に何やらにぎやかな一画が。2019年9月にオープンした「木伏- MORIOKA KIPPUSHI WATER NEIGHBORHOOD -」と呼ばれる施設で、芝生広場の横にカフェ・レストランが集まっています。


その中の1つ「Brew Beast」は花巻駅前にあるブリューパブ「Lit work place」の姉妹店で、
花巻から直送されるクラフトビールを味わえます。

コンテナを活用した店の前にテラス席があり、開放感たっぷり。土手の向こうに北上川の流れが望めるというロケーションです。花巻の醸造所から届くクラフトビールは常時6種類あまり。メニューには、ビールの種類や説明に加え、甘味・苦味・スッキリ・コクと味わいの違いが一目で分かる表があるので、好みの一杯が探しやすくなっています。ちょっとずつ色々飲みたい好奇心旺盛な方にぴったりなのが3種類飲み比べセット。好みで種類をセレクトできるのも、嬉しいポイントです。

(写真左から)大船渡市で作られたクロモジ茶をブレンドした「クロモジケルシュ」。
通常のエールビールより麦芽・ホップを多めに投入した「ESB」は豊かなコクが特徴。
スッキリ、フルーティーな味わいで特に女性に人気の「ホッピーセゾン」。

(写真左から)アルコール度数8%と高く、どっしり濃厚な味わいの「インペリアルスタウト」。
ビターテイストとコクを楽しめる「アメリカンIPA」。
大量のホップを投入し、コクがありつつ苦味を控えた「ヘイジーIPA」.。

もちろん、種類にもよりますが、こちらのクラフトビールはクセが少なく飲みやすい印象。遠野産ホップはもちろん、大船渡市のクロモジ茶など岩手県内産の食材を投入したオリジナリティあふれるビールが魅力です。

花巻の店ではこのクラフトビールの飲み放題コースがあるのだとか。スタッフさん曰く、併設のカフェのパンもおすすめだそう。駅前に素泊まりして、夜はブリューパブでクラフトビール三昧、朝はカフェで焼きたてパンの朝食。ついでに花巻名物・マルカンビル大食堂のソフトクリームも食べたいなと、次の旅を夢想しながらクラフトビールを味わいました。

岩手県にはほかにもブリュワリーがあり、盛岡駅ビルのショップを覗くだけでも多彩なクラフトビールに出合えます。呑み旅のおみやげにクラフトビールを購入して、豊かなおうち呑み時間を演出しませんか。

今回の呑み旅で手に入れた岩手のクラフトビールたち。
左から東日本大震災から10年の節目に限定販売した
「遠野麦酒 復活日本 再発酵 ゴールデンピルスナー」(販売終了)、
一関市にある世嬉の一酒造の「こビール ウエストコーストIPA」、
暁ブルワリー八幡平ファクトリーの「未来豊穣」。
ビンや缶のデザインもいろいろで、並べるだけでもわくわくします

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