VOL.3 星のや沖縄 松原未來さん

公私ともにマルチタスクで!沖縄の知られざる魅力を開発

Vol.3 松原未來さん 1988年生まれ・32歳(星のや沖縄)

20207月にオープンした「星のや沖縄」。施設がある読谷村(よみたんそん)の魅力を発信し、沖縄の豊かな文化を紹介したいと意気込む松原未來さん。同社社員のご主人と二人三脚で公私を楽しむパワフルな姿を紹介します。

――「星のや沖縄」では開業準備から関わっていらっしゃるのですね。

 松原:2011年に入社し、正式配属されたのが「星のや竹富島」でした。その後、「星のや富士」を経て、また沖縄に戻ってきました。とにかく沖縄が大好きで、「星のや沖縄」の開業を知り、真っ先に手を挙げました。魅力チーム(地域の魅力を伝える開発部)で、アクティビティなどの開発をしています。沖縄の一番の魅力は、自然豊かで皆さんがフレンドリーなところ。そして、なんといってもスギ花粉がないこと(笑)。

食文化も面白いですね。豚は鳴き声以外はすべて食べるし、見たこともないような食材もたくさん。広島出身なので、ゴーヤと言えばチャンプルーくらいしか知らなかったのですが、つくだ煮にすると美味しいと地元の方に教わり、初めて知りました。

――具体的なお仕事の内容を教えてください。

 松原:沖縄の工芸品に親しんでいただきたいと、ショップに商品を揃えたり、客室にオリジナルのカップ&ソーサーを置いています。これは那覇の壺屋にある「壺屋焼窯元育陶園」にお願いして、ひとつひとつ手づくりで製作していただきました。やちむん(焼き物)は、沖縄の自然や風土を写し取った力強い絵付けや絵柄が特徴です。「星のや 竹富島」で働いていた時から、那覇や読谷村で開かれる大きな陶器市に出かけていました。掻き落としなど様々な技法もお伝えしたいですね。

また、客室のコースターは読谷山花織(ゆんたんざはなうい)という約600年の歴史を誇る読谷村の織物です。花織の体験プログラムも組合の方々とお話をして皆さんに納得していただき、ひとつのアクティビティを作り上げることができました。沖縄の方は実に好意的で、地元の方々の温かさを感じます。

客室のカップ&ソーサー

――2児のお母さん、ワーキングマザーでいらっしゃいますね。

松原:弊社社員である夫と結婚して産休・育休を取りながら働いています。同じ施設で働いていますが、様々な部署に配属されるので、夫とは職場で顔を合わせることがあまりありません。でも自宅では二人でいろいろな視点で仕事の話をしていますね。お互いに仕事や職場のことが解るので、喧嘩もしないですね。

子どもは5歳の長女と3歳の長男がいます。とにかくよくしゃべる賑やかな家庭です(笑)家事のこと、子育てのことについても、夫とは気が付いた方がするというスタンスですね。弊社では、ひとりでフロント、客室、レストランなど様々な業務をこなすマルチタスクを採用していますが、我が家でもまさにマルチタスクです。また沖縄ではおおらかなご近所づきあいもあり子どもたちはみんな仲良し、昔のように地域で子どもを育てるというような雰囲気があり、子育て環境がとてもいいと感じていて、それも沖縄が好きな理由のひとつです。

――今後、挑戦してみたいことはなんですか。

松原:読谷村は三線発祥の地であり、豊かな琉球王朝文化があるところです。かつて大きな馬場があり、「ンマハラシー」という琉球競馬がありました。これは速さを競うのではなく、人馬が一体となって走る美しさを競うもので、2013年から復活・開催されています。ぜひ施設の中で、騎手の衣裳や馬の飾りなど、この施設ならではのスタイルで再現してみたいと思っています。

また、やちむんの里とのプロジェクトや座間味城のご案内、漁港での地引網体験など、アクティビティにしたいことがたくさんあります。沖縄というと海やマリンスポーツが真っ先に思い浮かぶかもしれませんが、沖縄独特の文化の深さももっと知っていただきたいですね。おじいやおばあが教えてくれる風習や伝統などもお客様に熱くお伝えしたいと思います。

私は飽きっぽい性格なので、ひとつのことをじっくりというよりも、何かを生み出す、開発する、挑戦するということが好きですね。ですので、新しい星野リゾートの施設にも関わってみたいという興味はあるのですが、今は沖縄が好きすぎて、悩んでいます(笑)

 関屋メモ

沖縄の太陽のように明るく元気な松原さん。お話をしているだけで、ポジティブマインドの持ち主だということがよくわかります。道路標識に興味を持ち始めた息子さん、ディズニーが大好きな娘さん、そしてやさしい春風のようなご主人(想像です)と、賑やかで健康的なご家庭を築いていらっしゃることが伝わりました。今回はご主人にお会いすることができませんでしたが、今度はお二人のツーショットを撮らせてください。それにしても産休・育休を有効に使いワーキングマザーが活躍する企業としての星野リゾートのすごさも、今回は感じました。男女関係なく誰もが働きやすい環境を整える、このような企業がもっと日本で増えてほしいと願ってしまいます。

 取材・文/関屋淳子 撮影/yOU(河崎夕子)

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