VOL.30 リゾナーレ下関 新原祐生さん

離島の野生児からフグ愛の伝道師へ大変身中!

VOL.30 新原祐生(しんばら・ゆうき)さん 1995年生まれ、31歳 リゾナーレ下関

202512月に開業したリゾナーレ下関。記事はこちら(リンク張る)。関門海峡に面するスタイリッシュなホテルの開業メンバーのひとりである新原祐生さん。フグに魅せられ、日々、フグ愛を伝えることに無我夢中です。

―――ホテルのサービス業に就かれたきっかけを教えてください。

私は福岡の小倉出身で、大学では経済学を学び、アルバイトで4年間、ホテルの仕事をしていました。ホテルでのアルバイトは先輩から勧められたもので、自分としては特に思い入れはなかったのですが、実際にサービス業に携わると、とても楽しく、やりがいを感じました。ホテルマンとして身がしまるような思いというか、かっこいいと感じていたのです。

就職活動の際に、アルバイト先のホテルも選択肢としてはあったのですが、会社説明会で星野リゾートのスタッフがとても熱心に話され、キラキラしていて、ああ、こんな会社があるのかと。その当時、星野リゾートの施設は九州ではまだ1施設しかなく、知る人ぞ知るという存在でした。アルバイトと正社員では立場が違いますし、ホテルの業務はやはり厳しいイメージもあったのですが、ここでなら、楽しく働けそうだと感じました。

―――離島の施設で長く働いていたと伺いました。

2017年に入社し、星のや竹富島に配属になり、その後2020年からリゾナーレ小浜島に移動しました。ですから入社からずっと南の島にいました。リゾナーレ下関の開業を知り、実家のある小倉にも近いことから配属を希望しました。自分の地元にやっと施設ができることが嬉しかったですし、「リゾナーレ」で働いた実績が生かせると思い、開業準備から挑戦しました。ずっと離島にいましたので、下関が大都会に感じます笑。コンビニやスーパーで買い物をしたり、チェーンの飲食店やファミレスで食事をしたり、映画館もあって、これまで離島ではできなかったことを楽しんでいます。

 

 

―――現在のお仕事の内容を教えてください。

 今は、アクティビティチームの一員としてアクティビティを造成する仕事がメインです。近くにある水族館の海響館の魅力をゲストの皆さんにお伝えする「海響館講座」というアクティビティを作りました。海響館は20258月にリニューアルオープンし、アシカを間近で観察できる「ひれあしビーチ」や国内最大級のペンギンの展示エリアなどがあります。なかでも約100種類のフグの展示をしている超フグ推しの水族館で、フグの生態や不思議、食文化にわたる「フグペディア」というエリアが誕生しました。そこで、水族館のスタッフの皆さんのフグへの熱い想いを講座にしようと。

実際に海響館に何度も通っているうちに、自分自身もフグへの思い入れが大きくなりました。フグはなぜ膨らむか、フグはどんなふうに進化したか、フグの毒はどうしてあるのかなど、語るべきことがたくさんあるんです。語りたいことだらけで、約20分のアクティビティにまとめるのが大変になってしまいました。また、難し過ぎても簡単すぎてもだめですし。当初、大人向けの内容に作りすぎてしまったのですが、今はお子様が6割、大人が4割くらい楽しめる内容に修正しました。また自分の熱量が多すぎて、チームの仲間にも同じように強いてしまい、その難しさも感じました。ゼロからひとつのものを作り出す楽しさ、難しさ、そしてゲストの方が興味を持ってくださる喜び、心から楽しんで仕事をしています。

 

―――それだけフグ愛が強いと、食べるのに抵抗があるのでは。

この施設に来るまで、何も考えずにフグを食べていたのですが、フグを毎日のように観察して調べ過ぎてしまったせいか、ちょっと抵抗感がありました。でも今は、美味しく食べています。フグの美味しさもきちんと説明できないとだめですよね。海響館講座に参加くださったゲストの方が、海響館に行かれて楽しんで帰ってこられる様子をみると、本当に喜びがこみ上げます。

もうひとつのアクティビティとして、海にまつわるクラフト体験を構築しました。廃棄されるペットボトルのキャップをアップサイクルしたり、貝殻などでアート体験をしたり。海がすぐ目の前ですから、海を感じるアクティビティを作りたいと思いました。

 

―――休日は何をされていますか。

 離島ではない大都会・下関を存分に味わうことも、やっと少し落ち着いてきましたので、最近はカフェを開拓したりしています。昔、小倉にいたときは、橋を渡った下関は唐戸市場でお寿司を食べて帰るところという感じだったのですが、実際に暮らしてみるとお洒落なカフェやレストランが増えてきていますので、下関の良さを探っていきたいと思っています。沖縄の離島も大好きでしたので、島の隅々までお伝えできるポイントがありました。下関や山口県も大好きな場所にして、自分の言葉でゲストの方にその良さを伝えられるようにしたいです。

また昨年あたりから急に絵が描きたいと思うようになり、水彩画を楽しんでいます。シュノーケリングやサップなど海の遊びを尽くしてしまったので。宇宙や星空などをテーマにしたファンタジーな風景画です。趣味というには恥ずかしいのですが、絵を描いている時間も好きです。

新原さんの作品(本人提供)

 

関屋メモ

8年ほどの沖縄での離島生活を経て、街へ。半袖半パン、サンダル履きで石垣島でイグアナ探しをしていた男子は、少年のようなあどけなさがありました(イグアナは見つけられなかったそうです)。たぶん、離島での暮らしは新原さんの無邪気で素直な部分を熟成させたのでしょう。その一心に突き進む、無邪気で素直な部分は今度はフグ愛へと向かいました。下関在住半年ほどにもかかわらず、目をキラキラさせてフグを語る姿は、りっぱな下関Lover!チャーミングな笑顔と持ち前の探求心で、今は2番目の第二の故郷づくりをしています。

  

取材・文/関屋淳子 写真/yOU(河﨑夕子)

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