VOL.18 界 伊東 長津芽さん

家族旅行が原点! 楽しい旅の思い出作りをお手伝い

 VOL.18 長津芽(めい)さん 1999年生まれ、24歳 界 伊東

町中のいたるところに源泉がある伊東温泉。良質な湯に恵まれる温暖な地は、とりわけ冬に向かう今、魅力的です。とびきりの笑顔で『界 伊東』の魅力を発信する長津芽さん。伊東とは深い縁がありました。

―――まだ入社間もないと伺いました。

 20224月入社です。高校の頃から観光の仕事に就きたいと思い、大学で観光学部を選びました。ホテル業や旅行業を学びましたが、地域創生や地域の魅力を開発して観光に繋げていくというゼミに入り、その時に楽しさを覚えました。ホテル業より地域創生に関わっていきたいと思い、就職活動を行なったときに、星野リゾートの考え方とマッチしていると思い、入社に至りました。

大学のゼミでは栃木県・大田原市で廃校になった校舎をリノベーションしたカフェの取り組みや移住者を積極的に受け入れるという体制などを学びました。また広島県呉市御手洗にある瀬戸内海に浮かぶ大崎下島での体験がとても印象に残っています。大崎下島は港町で遊郭や船宿、商家などの建物が残る町並みがあり、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されているのですが、認知度が低く、観光と保全のバランスが問題になっていました。そこで地域の方の想いを聞きながら、観光について私たち学生の意見提案を出し、今後の活動に活かしていただくということをしました。島の魅力や歴史をもっと多くの方に知ってもらい、足を運んでもらう、観光を手段として地域を活性化する、その方法を探ることに興味を覚えました。

 

―――観光業を目指した理由を教えてください。

 子どものころから家族旅行に出かけることが多く、さらに祖母・祖父も旅が好きで3世代でよく出かけていました。旅先は沖縄が多く、旅は私の日常の一部でした。沖縄の離島で、地元の方とバーベキューをしたり、サステナブルツーリズムで沖縄の自然を深く知る機会があり、とても楽しかったという経験がありました。それが自分の土台になっていて、自分が楽しかった体験をお客様にも感じていただきたい、喜んでいただきたいと思い、迷わず観光業を目指しました。

じつは伊東温泉にも3世代で旅行をしていて、子どもの頃にミカン狩りをしたり、ミカンのストラップが欲しく祖父にせがんで買ってもらったという記憶があり、思い出深い場所なんです。伊東温泉は家族との思い出話にもたびたび登場するので、私にとって、『界 伊東』に来たことは縁があったのだなと、感じています。

 

―――今のお仕事を教えてください。

サービスチームとして、客室清掃やチェックイン、夕食のサービスという流れで仕事をしています。そのなかで、体験の企画チームに携わっていて、雛のつるし飾り体験を担当しています。これは地元の職人や生産者と行うご当地文化体験「手業のひととき」の一環で、つるし飾りを伝承・製作している齋藤美智子先生から、飾りに込めた意味を教わり、実際に作ってみる体験です。齋藤先生のお教室に通い、実際に自分も飾りを作ってみました。先生とはプライベートでも仲良くしていただき、ほんとうに楽しく深く関係を築いていると思います。

体験プラン作りのなかで、飾りに込められた意味を理解していただき、思い出とともに持って帰っていただきたいと、それぞれの意味を書いたカードを作りました。カードを作るにあたり、イラストをどうするか、紙質をどうするか、業者への発注をどうするか、ということをゼロから検討し、何とか形にすることができました。今の私の一番の成果です。また年末年始に向け、地元のそのほかの作家の方との企画も進めています。

ほかにも『界 伊東』に関わってくださっている作家の方とも、もっと新しい企画ができたらいいなと思っていますし、伊東にはまだ多くのアーティストがいらっしゃるので、作家の方の感性や想いを尊重しながら、コラボできるようにしたいと思っています。ここにいて、地域にまつわる体験作りに携われることがありがたいことだと思っています。

長津さんお手製の飾りと、手がけたカード

 

―――接客業務について心掛けていることは何ですか。

 『界 伊東』は親子3世代のファミリー層や5060代のご夫婦など幅広い世代のお客様が多いのですが、小さなお子様がいらっしゃるときは、お子様と目線が近い距離感を心掛けています。また、旅慣れたお客様からはお話をよくお伺いし、勉強にさせていただいています。またお客様によっては、星野リゾートということで、高い接客レベルを望まれる方がいらっしゃいます。まだまだ私が未熟で難しいと思うこともありますが、なんとか満足していただけるよう努力しています。

コロナ禍で、久しぶりの家族旅行というお客様が増えています。私が子どものころに味わった家族旅行の楽しさを思い出し、お客様の滞在を楽しいものにする、とくにお子様が一生の思い出になるような、そんな接客を心掛けています。

 

―――家族旅行での『界 伊東』の一番の推しを教えてください。

 なんといっても温泉の源泉プールです。プールでのアクティビティを多数用意していて、今年はたらい祭りとして、水鉄砲、輪投げ、金目鯛のマスコットを金魚に見立てた金魚すくいなどを実施しました。源泉プールをご家族一緒に存分に体感していただきたいと思っています。一般のホテルとは異なる、日本旅館の情緒と界ならではのご当地の楽しみをぜひ皆さんに感じていただきたいです。今後は思い出深い沖縄の施設でも働いてみたいですが、今は『界 伊東』でやるべきことが山積みです。

 

関屋メモ

芽さんというお名前、『となりのトトロ』から名付けられたのだそうです。明るく元気で好奇心旺盛、トトロにもすぐに馴染んだのはメイちゃんでした。長津さんもキラキラと弾ける笑顔と人懐っこさ、一心に前を向く姿が重なります。仕事の原点が家族旅行というところに、とても感動。仲の良いご家族との素敵な旅の記憶があるということは、長津さんにとって一生の宝物、ずっと大切にしてくださいね。そうなんです、旅の記憶は時とともに紡がれ、育まれていくものなんです。お話を伺っていたら、なんだか私も家族旅行に出かけたくなりました。キャリアを重ねるときついことも増えるかもしれませんが、アイドルグループの推し活同様、持ち前のパワーで乗り切ってください。また、その大きなえくぼに会いたいです。

 

取材・文/関屋淳子 写真/yOU(河崎夕子)

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