第59回 沖縄×シチリア ふたつの個性が出会う新たな食の交差点「星のや沖縄」後編(沖縄県・読谷村)

20207月にオープンした「星のや」ブランド8施設目の「星のや沖縄」。「星のや竹富島」とはまた異なる沖縄らしい魅力を放っています。料理の提案も「琉球シチリアーナ」という新しい沖縄らしさを追求する斬新なもの。前編では客室やアクティビティをご紹介しましたが、後編では隣接する「星野リゾート バンタカフェ」を加え、豊かな食の魅力をご紹介。ギラギラ輝く夏ではなく、冬にこそ訪ねてみたい場所なのです。

知っているようで知らないシチリア料理

シチリアはイタリアにある5つの特別自治州のひとつで、ブーツのようなイタリア半島のつま先の先端にある、地中海の最大の島です。交通と通商の要地として、ギリシア人の入植から始まり、ローマの支配、イスラムの中心都市、さらにフランス、スペインなど諸勢力が支配し、地中海における「文明の十字路」ともいわれた地。そんな歴史ゆえに食文化もアラブやアフリカの影響が強いといわれます。クスクスやライスコロッケ(アランチーニ)、カポナータなど、イタリア料理と思っているものもじつはシチリア料理なのです。

シチリア島は美しい海と温暖な気候に恵まれ、魚と柑橘類を多用する点など沖縄との共通項も多いことから生まれた「琉球シチリアーナ」。シチリアの郷土料理が沖縄食材で仕立てられたり、沖縄料理にシチリアのエッセンスが加わったりと、見事な融合をシックなダイニングでコース料理で楽しめます。その一部をご紹介。

ダイニング内観(星野リゾート提供)

「ストゥッツィキーニ」

華やかで鮮やかな前菜の盛り合わせ。琉球王朝の宮廷料理に使われていた東道盆(とぅんだーぶん)という蓋つきの漆器の器を、陶器に変え、一口サイズの料理が並びます。鮪のプロシュートとフルーツパパイヤ、ヘチマと茄子のカポナータ、シークアーサー風味のアランチーニ、ヤギ肉のサルシッチャなどなど。驚きと発見と面白さが詰まっています。

 

「豚肉のインボルティーニ ハーブ香るタブレとともに」

インボルティーニは好みの食材を肉や魚、野菜で巻き、ローストや煮込みなどで味わう料理。豚肉とつるむらさきのインボルティーニの下にはハーブが香るクスクスをスープ仕立てで。ニンニクやオレガノで風味豊かな前菜の一品です。

 

「カジキマグロのカルトッチョ」

鮪の水揚げ量が豊富なシチリアでは、お肉感覚で鮪の赤身をステーキやグリルで楽しむとか。ここではカジキマグロをハマグリやドライトマト、オリーブなどと一緒に紙に包み蒸しあげています。包みを開くと海が香ります。

 

さらに料理を引き立てる器もキュート! シチリア州旗にも使われているシンボル・トリナクリアが描かれるポップなものもあります。トリナクリアはギリシア神話のメデューサの顔と3本の素足。3本の素足はシチリアの3つの岬を表わしているそうです。

朝食はというと、洋のシチリア朝食と和の琉球朝食の2種類。いずれもたっぷりのサラダから始まります。小食な方はサラダだけで満足しちゃうかもしれません。

ラフテーやマース煮、ジューシーなどの琉球朝食

 

お籠りしたい今にぴったりのギャザリングサービス

ダイニングのほかに、客室には「土間ダイニング」という大きなテーブル、冷蔵庫や電子レンジ、IHヒーターなどの調理家電などがあるスペースがあり、ここで食事を楽しむことができます。自分で購入した食品を持ち込むのもいいですが、おすすめはギャザリングサービス。

30種類以上はある豊富なメニューから料理を選ぶと、シェフが下ごしらえした状態で客室に運ばれてきます。仕上げの温めやひと手間(説明書あり)を、食べたいときに好きなタイミングで行なうというもの。

仕上げは好きなタイミングで

ブイヤベースなどの魚料理、ローストビーフなどの肉料理のほかに島ラッキョウやもずく、豆腐ようなどの酒の肴もバラエティ豊か。密を避けて家族だけで、ダイニングで子どもを気にすることなく、遅い時間にのんびりと、という具合にマイペースで楽しめるのです。ルームサービスとは異なるありそうでなかったサービスで、このご時世にぴったりです。

絶景の海カフェで朝食、スイーツ、夕食も

「星のや沖縄」に隣接する「星野リゾート バンタカフェ」は宿泊客以外も利用できる絶景の海カフェです。バンタとは崖のことで、名前の通り海を見晴らす崖の上から、浜辺へ続く6000㎡という広大な敷地内に4つのエリアがあります。

星野リゾート バンタカフェ

アダンなどの植物が茂る自然海岸を活かした散策路を歩き、開放的なテラスや秘密基地のような岩場のエリアなど気に入った居心地のよい場所を見つけましょう。

カフェメニューはぶくぶく茶から想を得た「ぶくぶくジュレソーダ」やジェラートならぬ「ちゅらーと」、朝食にはポーク玉子おにぎりも。

カラフルなジュレのぶくぶくジュレソーダとポーク玉子おにぎり

そして228日まで「イルミーバンタ」を開催中。夜の海がライトアップされ、青く光る入江と白く輝く波の幻想的な景観が現れます。通常はサンセットまでの営業ですが、この期間はもちろん、カフェエリアも営業しています。

波も光るイルミーバンタ(星野リゾート提供)夜のカフェを探検しましょう(星野リゾート提供)

また、カフェに併設する「星野リゾート オールーグリル」ではランチは肉厚ジューシーなハンバーガー、夜はステーキやシーフードも味わえ、がっつり肉派も満足できます。バラエティ豊かな食の提供で、ごはんどうする?って気にしなくていいのです。

食べ応えありのハンバーガー

 

2回にわたり「星のや沖縄」をご紹介しました。国内屈指のリゾートホテルが揃う沖縄で、一石を投じる存在感の「星のや沖縄」。沖縄リピーターにこそ楽しんでもらいたい、まだ見ぬ魅力を放っているのでは、と感じました。次はリゾートウエアだけ持って、行ってきます~!

 <星のや沖縄>

沖縄県中頭郡読谷村儀間474

0570-073-066(星のや総合予約)

100室 料1109000円~(1室あたり、税・サービス料別、食事なし)

<星野リゾート バンタカフェ>

  

取材・文/関屋淳子 撮影/yOU(河崎夕子)

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