トコトコ東北 by 川崎久子

列車で行く Vol.27 茨城県・日立市 かわいいどうぶつも!海の幸グルメも!日立でほっこりする冬の旅

太平洋に面した茨城県日立市。この日立の名は、水戸藩2代藩主徳川光圀公がこの地に訪れた際、太平洋から昇る朝日を見て「日の立ち昇るところ領内一」と褒め称えたという故事からとられたといわれています。新施設がオープンしたゆかいな動物園あり、新鮮な海の幸あり、しかも冬でも温暖で過ごしやすい日立市で、冬を満喫する旅へ。

 

新施設「はちゅウるい館」が11月18日オープン!
日立市かみね動物園

およそ100種類540点の動物たちが暮らす日立市かみね動物園に、2018年11月18日、新施設「はちゅウるい館」が仲間入り。

「なぜ“ウ”はカタカナなの?」と思った方、するどいです。こちらの新施設は、爬虫類に加え、市の鳥でもある「ウミウ」も一緒に展示している複合施設なのです。

先に、ウミウについて、ちょっとご説明。

ウミウを操って魚を獲る鵜飼は、岐阜の長良川をはじめ全国12カ所で行われる漁法。日立市は、国内で唯一ウミウの捕獲が許可されており、ここで捕獲されたウミウが各地の川で活躍しています。渡り鳥であるウミウは、春に繁殖のため北海道沿岸方面へ、秋には越冬のため本州や九州の沿岸へ移動します。そのため、ウミウを捕獲できるのは4月〜6月と、10月〜12月にかけて。シーズンになると、鵜の岬の絶壁に造られた「鳥屋(とや)」と呼ばれるコモで覆われた小屋のすぐそばに、おとりとなるウミウを配置。おとりに誘われて飛来するウミウを捕まえます。捕獲の際には、先が傘の握りのようにくるりと丸くなった「かぎ棒」を使用し、ウミウの足に引っ掛けて鳥屋のなかへ引きずり込みます。ウミウは嘴が非常にするどく、捕獲には技術が必要。この捕獲技術は日立市の無形民俗文化財に指定され、現在3名の方がその技術を守っています。

↑天井が低い鳥屋の内部。コモの所々に外を覗くための穴が空いています。穴から覗くと野生のウミウが  ↑腹が白いまだ若いウミウ
ウミウは2歳ぐらいまでの若鳥を捕まえるのだそう。腹の羽が白いのが若鳥の特徴で、すぐ見分けられます。鳥屋の小さな穴から覗いた先にいた野生のウミウは、目がエメラルドグリーンに輝き、吸い込まれてしまいそうな美しさでした。ウミウ捕獲場は年2回のシーズンを除き、一般見学が可能です。
URL: http://www.city.hitachi.lg.jp/kankou/004/001/p000982.html


話はかみね動物園に戻り、
新施設「はちゅウるい館」のウミウのゲージには、鳥屋をイメージした小屋があります。中に入ると、外を覗く小さな穴も鵜の岬にある捕獲場の鳥屋さながらに再現されています。もちろん、館内からもウミウを観察できるようになっており、運がよければ、餌をとるために水にダイブするウミウが見られるかもしれません。

「はちゅウるい館」のもう一方の主役は、もちろん爬虫類。ヘビやトカゲ、カメ、ワニが展示されています。館内に入ると、爬虫類が生息する熱帯の気候が再現されているため、湿度・温度とも高め(冬はこのあたたかさがうれしい!)。中央が2階分の吹き抜けになっており、熱帯の植物が植えられています。手が届きそうなほどすぐ近くにエボシカメレオンがいたり(あまり動かないので、置物みたい!)、ヘビの展示ケースの真ん中にのぞき窓があったり(鳥肌ものの近さでヘビが見える!)と、さまざまな工夫が凝らされています。今まで園内に約10種の爬虫類がいましたが、新装オープンにあたり、約40種に激増!見応え十分です。

↑(写真左)エボシカメレオンは階段途中に設けられた展示スポットにいます。(写真右)とぐろを巻くヘビを下から観賞

こちらの新施設以外にも、かみね動物園は見どころがいっぱい。「餌をくれー」とばかりに群がるアライグマ、のんびり何事にも動じないカピバラ、アーチ型の通路をあっちこっち行き交うリス。

↑アライグマの視線の先に、今回園内を案内してくださった園長がいます

↑「家政婦は見た」ばりに柱の陰から、じーっとこちらをうかがうチンパンジー
キュートな小動物はもちろん、入り口近くで出迎えてくれるアジアゾウや、つぶらな瞳に癒されるアミメキリン(こどもも一緒!)といった大型の動物まで、動物たちとの距離が近いので、じっくりその生態を楽しめます。

↑(写真左)閉園間際、「入れてくれー」とばかりに寝室のドアを鼻で叩くアジアゾウの姿がほほえましかった
  (写真右)2018年6月に生まれたちびっこキリン!寝室の中もガラス越しに見ることができます

太平洋を望めるロケーションも魅力のかみね動物園では、心がほっこりしますよ!
URL: http://www.city.hitachi.lg.jp/zoo/

 

 

日立のオイシイものコレクション

海沿いの街ならでは、新鮮な魚介類を味わえる人気のお店は、お腹をほっこり満たしてくれます。ちょっと変わったものもある、ご当地ならではの日立土産は、仲間や家族に喜ばれる(びっくりされる?)こと受け合いです!


・ひたち南ドライブイン 一平鮨

食事や買い物を楽しめるドライブイン内にある回転寿司のお店。水産会社直営店だけあり、鮮度抜群のネタが自慢です。なかでも、こちらのお店の目玉が、週末を中心に不定期で開催される「生本マグロ解体ショー」。スタッフの軽やかな向上で進められるショーは、抱腹絶倒。解体するマグロの重さを当てるクイズがあるなど、観客を巻き込んで盛り上がるなか、大きなマグロがあっという間におろされていきます。解体後のマグロは、特別価格で店頭に。本マグロのとろけるような味わいに、リピーター続出もうなずけます。

↑「今日のパフォーマンスは控え目だった」とスタッフさん談。本当に?と思うほど笑いが絶えない解体ショーでした

↑さっき解体されたばかりの生本マグロ。回転寿司ですが、セットメニューも充実
URL: http://www.tobikan.com


                                                         

・道の駅日立おさかなセンター 濱膳

「東のあんこう、西のふぐ」といわれるほど、あんこうは冬の味覚の王様。旬は11月から3月ですが、特に12月から2月にかけてが、肝がよく肥えて最もおいしいといわれています。深海魚のあんこうは、見た目がなんとも不格好。でも、脂肪が少なくコラーゲンたっぷりとあって、特に女性におすすめの食材です。
濱膳では、このあんこうをさまざまな形で楽しめます。あんこう料理の代表は、なんといっても鍋。あんこうは茨城県の沿岸地域で広く食べられていますが、あんこう鍋は地域によって特色があります。濱膳のある日立は味噌仕立てが主流で、大洗は醤油、北茨城へ行くと「どぶ汁」といって、あん肝からでる水分だけで具材を煮込むのだそう。濱膳のあんこう鍋は、身やあん肝、皮などがたっぷりの野菜とともに煮込まれます。あん肝のペーストも追加され、スープは濃厚です。
  


↑写真左下のあん肝のペーストを投入して煮込みます
この日はさらに、ふっくらとした身の歯ごたえも楽しめる唐揚げ、あん肝ポン酢、ネギ間串とあんこう尽くしを堪能。冬の絶品あんこうは、現地で食べるのが一番です!
     
URL: http://aster-kk.co.jp/hamazen/

                                                 

・ベーカリー&カフェ バルバロッソの「アベシ」
度肝を抜くその見た目。なんとパンなんです。赤い口はフランボワーズで、ふわもち食感のパンとベストマッチ。
URL: https://ameblo.jp/jjiinn3355/

・菓子匠たけだの「しあわせ通信」
日立特産の「茂宮かぼちゃ」は、栗のようなホクホクとした食感が特徴。パイ生地に包まれた茂宮かぼちゃの餡は、上品な甘さ。
URL: http://kasitake.co.jp

↑インパクト大すぎるパン「アベシ」と茂宮かぼちゃのパイ「しあわせ通信」


・運平堂本店の「大みか饅頭」
米粉や大和芋を合わせてつくる真っ白な皮、北海道十勝産の小豆のこし餡が生み出す絶妙なハーモニー。日立土産の定番。
URL: http://unpeido.co.jp

・洋菓子工房グランバーズの「北限みかんゼリー」
日立市十王町が国内の露地栽培みかんの北限とされています。その北限みかんでつくられたゼリーは爽やかな酸味が特徴。
URL: https://grand-vase.com/index.html


↑薯蕷饅頭「大みか饅頭」と「北限みかんゼリー」


・パティスリーましぇりの「ひたち大煙突物語」
かつて日立の鉱山にそびえ、日立のシンボル的存在だった大煙突をイメージした焼き菓子。市の花・さくらをイメージした「さくら大煙突」と「ショコラ」があります。
URL: http://patisserie-ma-cherie.com

・森島酒造の「大観」
明治2(1869)年創業の酒蔵。日本画の巨匠・横山大観が愛飲したことでも知られ、ラベルは大観直筆の書。
URL: http://www.taikan.co.jp/


↑「ひたち大煙突物語」と純米吟醸「大観」


・シーバーズカフェのパンケーキ
日立駅に併設のカフェ。一面ガラス張りの店内から太平洋が望め、眺めもごちそう!もっちり食感のパンケーキが看板メニューで、スイーツ系とお食事系から選べます。
URL:http://seabirdscafe.com


↑スイーツ系のハニーキャラメルパンケーキ

こちらでご紹介したお土産品の一部は、日立駅情報交流プラザ「ぷらっとひたち」でも購入可能です。
観光やイベント情報も発信しているので、ぜひ立ち寄ってみて!
URL: http://www.kankou-hitachi.jp/page/page000081.html


動物たちに癒され、ご当地の味覚をたっぷり味わいに、この冬日立へ出かけてみませんか?

日立の観光情報について詳しくは http://www.city.hitachi.lg.jp/kankou/

 

取材・文 川崎 久子

Tag

このページをSHAREする

最新記事一覧へ