世界のファインダイニング by 江藤詩文

第6回 酒造りの神様が挑む「小松サケトロノミー」で北陸の美食とコラボ、農口尚彦研究所『杜庵』(石川県・小松市)


(第4回小松サケトロノミーに登場した農口尚彦研究所の名酒たち)

ぐるぐるうずまきの可愛いラベル。日本酒好きならご存じ「農口尚彦研究所」のお酒です。東京ではめったに出合えないこともあり、見かけるとつい頼んでしまいますよね。

(酒蔵に併設したテイスティングルーム「杜庵(とうあん)」。
通常は「酒事」としてお酒と肴や料理を提供しています)

そんなすばらしいお酒を造っているのは「酒造りの神様」と称される農口尚彦さん。今年88歳になる農口さんが、いまだ現役の杜氏としておいしいお酒を造り続けているだけでもすごいのに、その活動は酒造りに留まらないからびっくり。

農口さんと農口尚彦研究所のメンバーは、地域の志を持つ農産物生産者と協力して、食のクリエイターの活動拠点をつくり、小松市を世界の美食家のガストロノミーデスティネーション(美食の旅先)にすべくプロジェクトを発足したのです。ガストロノミーツーリズムをなりわいとする身として、これは見逃せない。

(農口さんの杜氏としての歴史に触れながら、酒蔵を見学できるギャラリー)

活動のメインは、世界各地で活躍するシェフをお招きして、農口さんのお酒と、小松の食材を使った料理のペアリングを体験するイベント「小松Saketronomy(サケトロノミー。酒+ガストロノミーの造語)」。いまや台湾のトップシェフ、ミシュラン二ツ星「祥雲龍吟」の稗田良平さんなどこれまで3人のシェフとのコラボを行い、フーディーズの関心を集めてきました。

そして11月初旬、東京・乃木坂「山﨑」主人・山崎志朗さんを迎え、第4回小松サケトロノミーが開催されました。

(能登の松茸をのせた甘鯛酒蒸し。
ペアリングは2019年の無濾過生原酒の本醸造を40℃に温めて)

ソムリエの資格を持ち、日本酒にも精通した山崎さんは、未来の日本料理界を牽引する若きスター。この人選からも、活動を未来に繋げたいという農口さんの思いが伝わってきます。

(小松産の有機米と初卵で再現した山崎さんのシグネチャー「そぼろご飯」。
ペアリングは冷やした2018年無濾過生原酒の大吟醸)

もともと農口さんのお酒が好きだった山崎さん。この機会にたくさんの小松市の生産者と出会い、北陸の食材のポテンシャルの高さを再認識したとか。

「山崎さんのような若い方に、いろいろと学ばせてもらえる」と言う農口さん。88歳にして、目をキラキラしながら北陸や日本の未来、そして自身の将来の夢を語る情熱にきゅん。素敵すぎ。

(世代を超えてクリエイターとして語り合った農口さん(右)と山崎さん)

2021年には、もっと多くの人に小松サケトロノミーを体験してもらえるように、より大きな会場を新設する予定とか。

いまは小松市まで行けなくても、オンラインを利用して農口さんの思いを味わってみてください。目印は、ぐるぐるうずまき、です。

農口尚彦研究所「杜庵」https://noguchi-naohiko.co.jp

公式ウェブサイトから会員登録(無料)のうえオンライン予約できます。

(現在は店頭での商品販売のみ。「酒事」は休止しています)

 

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