少しずつ空気の温かさが感じられる季節。三浦半島で山歩きはいかがでしょう。3つの山頂をつないで歩く縦走登山、下山後は季節のお楽しみもあります。
三浦富士山頂から相模湾の眺め。富士山が頭をのぞかせている
岩礁歩きや海の幸、「海の観光地」のイメージが強い三浦半島ですが、豊かな森が広がり、標高200m以下の山があちこちにある、低山歩きの宝庫でもあります。今回ご案内するのは、神奈川県横須賀市に位置する三浦富士から砲台山、武山をつないで歩くハイキングコース。短時間ながら深い森の雰囲気も味わえて、3つの山頂はいずれも個性的です。
スタートは京浜急行の京急長沢駅。住宅街を進み、小さな看板を目印に登山口に入ります。常緑の森の中、小さなアップダウンを繰り返しながらひとつめの山頂である三浦富士を目指します。山頂直下、少し岩が露出した斜面を慎重に上るとほどなく山頂へ。浅間神社の奥宮となっていて、石の祠が立っています。
三浦富士の山頂には浅間神社の祠が立つ
三浦富士の山頂からは房総半島や伊豆大島、伊豆半島も眺められ、右手には富士山が頭をのぞかせているのも眺められます。今回のルートで富士山が見える唯一の場所です。
三浦富士から次の山頂の砲台山へは30分弱の道のり。山道を進んでいくと、途中から道幅が広く歩きやすくなります。しばらく進むとレンガ風のタイルが貼られた展望台へ。三浦半島の海岸線がきれいに眺められます。弧を描いている三浦海岸の砂浜もよくわかります。
砲台山手前の展望台からは三浦半島の海岸線が一望のもと
展望台を過ぎ、武山と砲台山の分岐に出ます。いったん砲台山を目指しましょう。砲台山の山頂にはすり鉢状の砲台跡が残っています。昭和初期にこの場所に高角砲が設置されていました。すり鉢の周囲にある小さな穴は弾薬を格納していた場所だそう。階段を使ってすり鉢の底に立つこともできますよ。
昭和初期に海軍が設置した砲台の跡が残る砲台山山頂
砲台山の山頂から最後の山頂、武山までは30分弱の道のり。樹林を進み、丸太の階段を緩やかに登っていくと眺望が開けてきます。振り返ると房総半島が眺められ、ふたつのピークを持つ富山(とみさん)が分かりやすいです。
武山の山頂にはコンクリート造りの展望台が建っています。展望台は3階建てになっていますが、一番上がよい眺め。360度の眺望が楽しめます。景色を満喫していきましょう。武山の山頂一帯は約2000本ものツツジが植栽され、毎年4月下旬〜5月上旬に見頃を迎えます。
武山の展望台頂上から東方向の眺め。横浜のビル群や横須賀港が見える
武山の展望台から数分歩くと武山不動院(持経寺)があります。ご本尊の不動明王は航海安全に霊験のある「波切不動」として信仰を集めてきました。かつて武山は、漁師たちにとっては漁場の位置や方向を知る目印となる山だったのだそうです。
風情あるたたずまい、武山不動院の本堂
武山からは南に延びる尾根道を下っていきます。住宅街に出たら、オレンジ色の道標看板をたよりにゴールの津久井浜駅を目指します。下り始めるとほどなく、左手に見えるなだらかな山並みは、三浦富士から砲台山、武山への稜線です。山を下りてきて、歩いてきた道のりが見えるのも、このルートの楽しさのひとつです。
キャベツ畑の向こうに、歩いてきた稜線が眺められる
帰り道の道中には津久井浜観光農園があります。周辺の農園でフルーツ狩りや芋掘りなどが楽しめ、1月からゴールデンウイーク頃まではいちご狩りができます。フルーツ狩りの受付所にもなっている観光農園案内所では、朝採れの野菜や農産物加工品などを販売しています。キャベツや大根など、春の野菜をお土産にいかがでしょう。地元産のみかんを使ったみかんジャムも人気があります。
農産物や加工品の直売も行う津久井浜観光農園案内所
キャベツや大根などの畑の中、オレンジ色の道標看板に従って津久井川沿いに設けられた遊歩道を進みます。丸々としたキャベツなどを間近に見ながら歩くのは、この時期ならではの楽しみです。
津久井浜駅に向かう道沿いにキャベツや大根の畑が広がる
【三浦富士〜武山:山歩きデータ】
アクセス:京浜急行京急長沢駅下車
コース:京急長沢駅…三浦富士…砲台山…武山…津久井浜観光農園…津久井浜駅
歩行時間:約2時間30分
体力度★★☆ 技術度★☆☆
















