
2013年、東急東横線の渋谷駅地下化に伴い廃止された渋谷―代官山間の地上線跡。2018年に地上駅の跡地とその周辺に誕生したのが複合施設の渋谷ストリーム。ここから約600m続く廃線跡が遊歩道・渋谷リバーストリートです。
渋谷川に沿って、渋谷3丁目から東1丁目まで。さっそく歩いてみましょう。渋谷ストリームの2階、国道246号横断デッキは旧東横線渋谷駅の高架橋が再利用されています。足元に目を向けると、2本のレール跡をイメージした仕掛けが。一部には本物のレールも使われているとか。記されている数字は高架橋の支柱の番号なので、まさに廃線跡を歩いているよう。
支柱番号1からスタート
渋谷ストリームの2階デッキ部分には24の数字が
渋谷リバーストリートは渋谷川沿いを代官山方面へ向かいます。再開発の大きなテーマは渋谷川の再生でした。渋谷川はかつては臭い、汚い、暗いといういわゆる3Kの川。大部分が暗渠となっていた川が太陽の光を浴びて流れる清流へと生まれ変わったのです。
川は近代的なビルに挟まれるかと思うと、レトロな佇まいもあったりと表情も豊か。そして取材日は日曜の昼間にもかかわらず、ほとんど人影もない、驚くような静かな渋谷がここにありました。
街の新旧が見えるような渋谷川沿い
かつての高架橋跡が残るのが八幡橋です。コンクリートの支柱の番号は31と32。レールも走り、このように残っていると想像しやすいですよね。

ちょっと進むと、2020年に設置された「KISS,TOKYO ベンチオブジェ」も現れます。インバウンドの方が写真撮影も。

さらに進むと、支柱番号が次々と。徒歩橋、並木橋を見ながら、新並木橋へ。支柱番号は60と61です。ここにも巨大な遺構がありました!

支柱の上に鉄鋼やレールを組み合わせたオブジェです。左手には交通量の多い明治通りがありますが、なぜかここはエアポケットのような、不思議な存在感を放ちます。
小さな広場を過ぎると、保育園やホテル、事務所や店舗がある複合施設の渋谷ブリッジが見えてきます。この建物は代官山へ向かうゆるやかな弧を描く線路の形を取り入れています。そして、かつての東横線の記憶を留めるような素敵なイラストもありました。沿線に住んでいる方はきっとノスタルジックな気分に浸ることができるのでしょうね。

約600mという短い散策でしたが、まったく知らなかった渋谷がありました。地下化により廃線となった跡がこんなにお洒落に、わくわくするような形で残る、これが近代化遺産の価値です。また、全国各地のエアポケットを探してみたくなりました。







