前橋は新幹線停車駅の高崎駅からJRで約15分の場所にあります。県庁所在地ですが、他の多くの地方都市と同じく1990年代後半から衰退が続き、シャッター通りなども目立つように。そこで、2016年から再開発プロジェクトが進められ、現在では特にアートの街として知られるようになりました。そして、来秋には「前橋国際芸術祭2026」の開催が予定され、最先端のアートにふれられる機会として注目を集めています。
そこで、前橋のアートスポットの下見をしてきました!
まずは、大阪・関西万博の大屋根リングの設計で知られる藤本壮介氏による「白井屋ホテル」へ。創業300年の老舗旅館が、間取りもデザインもすべて異なる客室25室のホテルへと2020年に生まれ変わりました。馬場川通りに面した新館は緑の丘状、表通りは個性あふれる外観です。美食を堪能できるメインダイニング「ザ・レストラン」(ザ・レストランの詳細はこちらへ ※内容は掲載当時)のほか、カフェダイニング「ザ・ラウンジ」や「ザ・パティスリー」なども併設しています。
白井屋ホテルからすぐの場所にあるのが、キューブ状の小さな部屋を少しずつずらした積み木のような独特な外観を有する「まえばしガレリア」です。テラスとキッチン付きのレジデンス&ホテルがあり、1階にはギャラリーとレストランを併設。東急プラザ原宿「ハラカド」の設計者のひとり平田晃久氏によるものです。
「アーツ前橋」は、まえばしガレリアから徒歩5分の場所にあります。2013年に開館した市立美術館で、ネットのようなアルミパンチングの外観が目立ちます。ミュージアムショップやカフェ、エントランスがガラス張りなのが、「まちとつながる」というテーマ通り、シームレスなのが親しみやすいです。前橋市ゆかりの作家のコレクション展や現代アートなどの企画展などを開催しています。
アーツ前橋にて、2025年12月21日まで
「ゴースト 見えないものが見えるとき」展開催中
文学好きの方は「前橋文学館」や「萩原朔太郎記念館」へ。「萩原朔太郎記念館」には、詩人・萩原朔太郎が使用していた書斎や土蔵などが移築復元されています。
他にも、明治17年に迎賓館として誕生した「臨江閣」や、昭和3年築のスクラッチタイル張りの群馬県庁昭和庁舎、大正2年に建築されたかつての生糸担保倉庫である「旧安田銀行担保倉庫」なども興味深いスポットです。
なお、通常内部非公開の「旧安田銀行担保倉庫」、アーケード街「中央通り」「弁天通り」にあるギャラリースペース「Maebashi Works」や「ya-gins」、画家・近藤嘉男の自宅兼アトリエであり、国の有形文化財登録の「広瀬川美術館」などを使った街なかアートフェス「River to River 川のほとりのアートフェス2025」が2025年10月18日から11月9日まで開催中です。
ほかにも、街をぷらぷら歩いていると、これはアートなのか?オブジェ?それとも趣味のもの?という気になる物や建物を続々と発見できるはずです。閉店している店舗も多く、寂しいイメージは否めませんが、Uターンの若い方がオープンさせたおしゃれカフェや雑貨店も点在しており、昔ながらの商店と共存するなど気になるスポットもありました。
閉館したビルの前に「ぐーちょきぱー」の巨大なオブジェ!(上)
今回ご紹介したスポットは基本的に徒歩圏内ですが、レンタサイクルもあるので自転車で巡るのも楽しいと思います。前橋へ足を運んでみてはいかがでしょう!
前橋国際芸術祭2026
2026年9月19日(土)~12月20日(日)
https://maebashi-biennale.com/ (2026年6月頃に詳細発表予定)