春はお花見低山歩きが心地よい季節。とくに4月から5月にかけては、桜やツツジなどの花木や新緑が美しく、歩くだけで幸せな気持ちになれます。私のとっておきの「お花見山」のひとつが埼玉県、秩父の蓑山です。
山頂一帯が「美の山公園」として整備されており、実は山頂まで車でアクセスすることができます。山頂一帯を歩き回るだけでも楽しいですが、春は足元の草花や木々の緑を愛でながらのんびりハイキングがおすすめです。
スタートは秩父鉄道の親鼻駅から。道標に従って進み、山道に入ります。芽吹いたばかりの木々は、柔らかな緑色の葉をつけています。ニリンソウやイカリソウ、ヒトリシズカなど小さな草花も足元にたくさん咲いているので、ゆっくり探して歩くのが楽しみです。
芽吹きの時期、やわらかな緑と桜の色合いが美しい
見晴らし園地までたどり着くと山頂まではあと30分ほど。蓑山神社に立ち寄っていきましょう。秩父地方はオオカミが神の使いであると言われており、狛犬がオオカミの神社が多く見られます。
蓑山神社。狛犬はオオカミと言われている
見晴らし園地からは歩きやすい舗装道路を歩いて山頂に向かいます。山頂は広場になっており、展望台もあります。コンクリートの山頂展望台からは武甲山など埼玉の山々が一望に見渡せて壮観です。
山頂一帯は約8000本の桜が植栽されています。ソメイヨシノ、ヤマザクラ、ヤエザクラなど品種が多く、3月下旬から4月下旬ごろまでさまざまな桜を見ることができます。
山頂展望台からは桜の花越しに武甲山が眺められる
山頂で桜の景観を楽しんだら、秩父鉄道の和銅黒谷駅に下山します。山道を下って集落に出たら、道沿いや民家の庭の花木を眺めつつ駅に向かいます。道中に、和銅露天掘り跡があるので立ち寄っていきましょう。
和銅露天掘り跡には和同開珎の碑が立つ
蓑山は桜の時期を終えても花の見頃が続きます。4月下旬から5月上旬にかけては、山頂一帯でヤマツツジの群落が見頃を迎え、鮮やかな朱色の花と新緑の緑が山を彩ります。6月半ばから7月上旬はアジサイの群落も必見。季節を替えて訪れてみてください。
色鮮やかなヤマツツジの群落を見ながら歩く
【蓑山:山歩きデータ】
アクセス:秩父鉄道親鼻駅下車
所要時間:2時間40分
体力度★★☆ 技術度★☆☆