アケスケ的イチ推し古墳探訪 by 多田みのり

伊豆大島へ行こう!その2 波浮港と三原山

東京から南へ120キロ、高速ジェット船なら竹芝桟橋から1時間45分と、首都圏から気軽に島旅を楽しむことができる伊豆大島。温暖な南の島ならではの自然や文化を感じる見どころがたくさん詰まった、玉手箱のような島です。前回は椿についてご紹介しましたので、今回は波浮港散策と三原山登山を中心にご紹介します!

●ノスタルジックな港町・波浮港

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波浮港(はぶみなと)といえば、野口雨情作詞・中山晋平作曲の『波浮の港』や、都はるみさんの『アンコ椿は恋の花』、また川端康成の小説『伊豆の踊り子』の舞台として知られていますよね。私としては、幼い頃に父がよく歌ってくれた『アンコ椿は恋の花』が思い出深く、一度行ってみたいと思っていた場所でした。

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まずは波浮港を上から見下ろそうと、波浮港見晴台へ。波浮港は、もともとは平安時代にできた噴火口に水がたまった火口湖であり、美しい円形をしています。江戸時代の地震と津波により池が決壊して海とつながり、その後、秋広平六の指揮の元、がけを切り崩して整備し、風待ちの港となりました。 展望台からは、鏡のように穏やかな藍色の海面の上を、漁船が白い航跡を描いて進んでいくのが一望できます。
展望台から、椿の巨木などを見ながら港へ。

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ゆっくりと時を刻む港町の風景は、旅情たっぷり!『波浮の港』の歌碑のそばに腰を下ろし、ただただ漁船の過ぎる様子や海鳥の羽ばたく姿を眺めていると、心が洗われていくようです。
港から石段が続く踊り子坂をのぼります。

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沿道にある踊子の里資料館は、旧港屋旅館を利用した資料館で、『伊豆の踊り子』のモデルとなった大島の旅芸人一座を紹介しています。各座敷には一座を模した人形が据えられ、芸を披露したりお酌したりする様子を再現。

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印象に残ったのは、賑わう波浮港を映した写真。全国から船が集まったというけれど、いまひとつイメージできなかったのですが、港いっぱいに漁船が停泊する様子を見てようやく納得できました。

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坂を上りきると、石畳の道に古い木造家屋が並ぶ街並みが広がります。人影もなく、なんだかタイムトリップした感じです。

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旧甚の丸邸は、遠洋漁業の中継地として栄えた波浮港の華やかなりし頃を伝える、明治時代の網元の屋敷。大谷石の外塀とナマコ壁の外壁が特徴的で、無料で開放されています。

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1階は住居、2階は養蚕部屋に使われていました。太い柱や梁が使われ、財力を偲ばせます。自由に見られるのは良いけど、案内人の方が説明とかしてくださったら、もっといろいろ波浮港についてわかるんじゃないかなと、ちょっともったいない気もしました。

散策を終え、波浮港名物の揚げたてコロッケを賞味。ごくごく普通のコロッケなのだけど、サクサクの食感がなんともいえず美味。そして野外で食べ歩くコロッケってホントにサイコー!たまにしかできないお楽しみです。

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仕事でもプライベートでも港町はよく訪ねますが、波浮港はなんといってもノスタルジックさ満点!港町ゆえに海産物の土産屋や、新鮮な海の幸を味わえる食事処を期待してしまいますが、そうしたお店はないけれど(私が見た限りなので、あるかもしれません)、それを補って余りある静けさ。時の流れを感じ、ゆっくりと散策するのにもってこいです。ぜひまたのんびり散歩をしてみたいです。

【おまけ】高さ30m、長さ600mの巨大バームクーヘン

元町港から島一周道路を通って波浮港へむかう時、ぜひ見て欲しいのが道路沿いにある地層切断面。100〜150年に一度繰り返された噴火によって
降り積もった堆積物の縞模様が地表に表れたもの。まさにバームクーヘンのように、幾重にも様々な色の層が重なっており、見事!。こんなにも長く断面が見ら
れるのはとても珍しいそう。ちょうど夕陽があたり、赤みを帯びて織物のような美しさでした。

●地球のパワーを感じる三原山登山

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三原山は島の中央に位置する、伊豆大島のシンボル。古来、御神火様と崇められてきた、山頂のカルデラ内にある中央火口丘です。火山としては若く、江戸時代の安永の大噴火で誕生しました。1986年の三原山の大噴火は記憶に新しいところですが、歴史を振り返るとおよそ35年に一回は噴火をしているそうで、活発にその姿を変え続けています。
山頂口バス停から徒歩3分ほどで、三原山の全体が見渡せる山頂口展望台があります。カルデラ内の緑の絨毯の向こうに、素晴らしい雄姿。黒い溶岩流の跡が幾筋も見え、噴火の激しさを偲ばせます。

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今回はここから溶岩地帯の中の山頂遊歩道を歩き、噴火口を間近に望む火口一周道路をめぐり、途中で裏砂漠方面へと分岐して温泉ホテルルートを辿り、大島温泉ホテルで絶景風呂を満喫する予定。徒歩7キロ、3時間ほどのコースです。

さっそく山頂遊歩道をスタート!舗装されているので歩きやすく、迷う心配もないので安心です。1986年に流れ出した溶岩流は、近づくと背丈を超えるほど大きく、ゴツゴツと尖っていて迫力充分。上に登れば溶岩の進路がはっきりとわかります。古い溶岩と比べると質感の差は歴然。そうした溶岩の隙間から、けなげにも若葉をのぞかせる植物の力にも驚きます。三原神社を過ぎると、火口一周道路へ。ほどなくコンクリート作りの火口展望台に到着します。

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展望台は360度の展望が広がり、目の前には三原山、振り返れば洋上に
利島や新島、式根島、神津島が浮かんでいるのが見えます。

いよいよ火口へ。直径300〜500m、深さ200mもの竪穴に、火山の力を感じます。火口壁は様々な色の岩が複雑な層になっているのが見え、三原山と伊豆大島の歴史を感じます。

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風の音に混じって、小さな土砂が崩落する「カラカラ」という音が聞こえ、それが三原山からの「語りかけ」に聞こえ、思わず耳を澄ましてしまいました。(変な言い方ですが)かねてより火口にはとても惹かれる性分で、どれだけ見ていても飽きることがありません。地球の淵に立っている気分と言えば良いのでしょうか、このギリギリ感がたまらないのです。

三原山最高峰の剣ガ峰を周辺には、亀裂から水蒸気が立ち上る箇所も。地球の息吹を感じられ、ドキドキします。もちろん有毒ガスではないのでご安心を。

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分岐点から裏砂漠へとすすみます。緑の量が減って荒涼とした風景が広がり、途方に暮れそうなほど寂しい感じ。というのもこの場所は、ホラー映画『リング』の撮影場所にも使われたと聞いていたから(笑)。貞子って伊豆大島出身なんですよね...。テーマソングが脳裏を流れ、ついつい歩くペースが早くなってしまいました。でも火山学的には貴重な場所。地球の活動の遺産を見所とする自然公園「ジオパーク」にも登録されているので、次に訪れる時はガイドつけて、しっかり学びながら歩いてみたいと思っています。

裏砂漠を抜け、最終目的地の大島温泉ホテルに到着。源泉掛け流しの温泉で汗を流します。ここの露天風呂がとにかく絶景!!私の中でのベストビュー露天の三本の指に入ります。

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次回はぜひ宿泊して、ホテルの名物料理・椿フォンデュを味わってみたいと思っています。

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東京からジェット船でわずか1時間45分の別天地!
ぜひ自然と文化あふれる伊豆大島に足を運んでみてくださいね。

(取材・執筆/多田みのり)

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