ゲストライター 記事

 霧島のよかもんを巡る旅〜後編 鹿児島食材をふんだんに〜

 パワースポットあり!温泉あり!の霧島市をゲストライターの垣花幸子さんと旅恋関屋が訪ねました。観光を楽しむのももちろんですが、やっぱり旅にはグルメがつきもの!そこで前編に続き、後編では、ここに来なくては食べられない「霧島のおいしいもん」を紹介します。

シェフの発想と感覚が冴える「オーベルジュ異人館」

 ポルトガルで25年、日本料理を通して日本文化を伝えてきた金澤シェフが、ここ霧島でオーベルジュを営み始めたのは1年半前。インターネットでこの場所を見つけて一目惚れ。実際に訪れてみたら霧島の自然に圧倒されて、この地に腰を据える決心をしたと言います。

トンネルのような森を抜けると「オーベルジュ異人館」に到着

 オーベルジュとは、宿泊施設を備えたレストランのこと。オーベルジュ異人館には、11部屋と2つのコテージ、そして貸切温泉と貸切内湯があり、自然の中で、日常の喧騒から離れてのんびりと静かな休暇を楽しむにはぴったりな場所です。

お部屋はヨーロッパ風のインテリアでコーデイネート。キュートだったり、シックだったり


それぞれタイプが違う貸切露天風呂もあり。源泉掛け流しの温泉です!

 金澤シェフの料理人としての第一歩はフレンチだったそうですが、その後、日本食や寿司、中華など、さまざまな料理の勉強をしてきたそうです。「料理人というからには、全ての分野に知識がないといけないと思っています」と金澤シェフ。供される料理は、自由な発想で作り出されたものばかり。しかも、丁寧に美しく盛り付けられたお料理は、まるで一枚の絵のような美しさ!一口食べれば、シェフの技が素材の持つ本来の味を引き出し、口福な余韻に時間を忘れてしまうほど。

お皿とお料理の配置もシェフの感覚が冴えています。美しいお料理に、見とれてしまいます。使う食材は、霧島はもちろん県内外の生産者から、シェフ自ら足を運び、食べて選んだものばかり。「なるべく食材の形と味を変えないように料理しています。つい塩を加えたくなるところですが、できるかぎり加えないようして、素材本来の味を生かすようにしています」

最後の仕上げは、お客様の見えるところで。こうすることで、お客様の食べ終わる頃合いで、次のお料理を提供できるとのこと

季節ごとにメニューが変わるというランチは、デザートを含めて全11品。テンポよくお料理が出てくるのも心地よく、気がつけば2時間ほどの食事タイムもあっという間でした。おいしい料理とレトロな雰囲気のレストランで心もお腹もいっぱいになりました。

レトロな雰囲気が素敵なレストラン。ランチは完全予約制。お客様の予算に応じて2000円(税別)〜です。

オーベルジュ異人館

住所:鹿児島県霧島市霧島田口2594-50
電話:0995-57-3220

霧島のよかもんが集合! きりん商店

 2014年にオープンした「きりん商店」は、霧島の人たちが手作りした特産品や雑貨などを扱うお店。築120年以上といわれる古民家を改装した店内は、趣のある居心地の良い空間が広がっています。店主の杉山さんご夫妻は、ご主人がグラフィックデザイナー、奥様がグラフィックデザイナー兼イラストレーターだったそうですが、お店を開きたいという思いから、奥様の実家がある霧島市に移住されたそうです。

大きな「き」の字が目を引く、古民家を改装したきりん商店

 そのご主人がどうしても作りたかったというのが、鹿児島の習慣でもある「茶いっぺ」を楽しむスペース。茶いっぺというのは、「急いで帰ると怪我したりするといけないから、お茶をいっぱいどうぞ」とお茶を振る舞う習慣なんだそう。だから、お客さんが来ると、ご主人がお茶を入れてくれます。それが1杯だけじゃないんです。2杯、3杯と銘柄を変えてお茶を何杯もふるまってくれます。お茶受けのお漬物やお菓子も出て来るわ、出て来るわ・・・・。6時間もいたお客様もいらっしゃったそう。長居したくなる気持ち、すっごくわかります。

お茶をふるまってくれるご主人。おいしいお茶を飲みながら、ついつい、話しが弾んでしまいます

  扱う商品はほとんど霧島にゆかりのあるものばかりですが、その中でも、いちばん最初に商品として扱ったという「味噌だれ」は、一番人気。奥様が小さい頃から慣れ親しんだ味だそうで、ご主人も試食した時にあまりのおいしさに驚いたといいます。他にも、奥様の実家で生産している霧島茶が置いてあったり、本物志向の地元のパン屋さん「PANYA.くらぶ」のパンもおすすめです。購入したパンは、火鉢で焼いてお店で食べることもできます。パンを焼く香ばしい匂いがほっこりとさせてくれます。ちなみに店名の「きりん」は「きりしまのよかもん」を略したそう。霧島に行ったらまた立ち寄りたいお店です。

かつお出汁と鰹節を使ったポップコーン。お茶請けはもちろんおつまみにもぴったり


店内には、こんなかわいい雑貨も!霧島に所縁のある作家さんの作品だったり、奥様の作品も販売しています

きりん商店

住所:鹿児島県霧島市牧園町宿窪田1424-2
電話:0995-76-1355 

かめ壺焼酎「明るい農村」の霧島町蒸留所

「明るい農村」という芋焼酎、知ってるという方も多いのでは?このインパクトのある名前の焼酎を作っているのが霧島町蒸留所。常時、蔵の見学ができると聞いて訪ねてみました。
 まずは、蔵の外にある大きなタンクを見学。中には、アルコール度数は36~38度の焼酎の原酒が貯蔵されています。蒸留したての原酒は味が定まっていないのと、アルコール度数が高いので半年から1年ぐらい寝かせるそう。このタンクには2万リットル入るそうで、一升瓶ならなんと1万1000本! 

一升瓶を毎日、1本飲んでも30年はかかる…。そんなジョークを聞きながら、サツマイモを蒸す機械の大きさに圧倒!地中に埋まる54個のかめ壺にびっくり!このかめ壺では、米麹に水と酵母を加えて発酵させる一時仕込みが行われます。上部しか見えないので小さいものかと思っていたら、1m20cmぐらい埋まっているそうで、一升瓶300本分が入る大きさなんだとか。

美味しい焼酎になりますように

 一次仕込みで発酵した米麹と蒸した芋を加えて、さらに8日間発酵させると醪(もろみ)のできあがり。そして、いよいよ蒸留です。醪に熱を加えて蒸気を発生させ、さらに冷やして液体にするのが蒸留ですが、最初に出てきた一滴を「初だれ」と呼ぶそう。この時のアルコール度数は、なんと65度から70度!でも、ご安心を。どんどん蒸留されて薄まっていくので度数が下がっていきます。蒸留も終盤になり、「末だれ」の度数が10度ぐらいになったところで終了。最初に見学したタンクの中に移して、味を落ち着かせます。瓶に詰める前にお水を加える“和水”を行なって度数を調整するそうです。
 ちなみに明るい農村という名前、「良き焼酎は良き土から生まれ、良き土は明るい農村にあり」という一節からとったそうです。

試飲ができますよ〜♪お願いすればアルコール度数44度の「初だれ」も試飲することができます


販売所には「明るい農村」をはじめ「農家の嫁」、焼酎とブルーベリーを合わせた「ブルーベリー酒」などが並んでいます

霧島町蒸留所

住所:鹿児島県霧島市霧島田口564-1
電話:0995-57-0865

地元民が集まるディープな居酒屋「大政」

大きな赤提灯が目印の大政!カウンターは、あっという間に満席になっちゃいます。座敷は予約必須です。なんと焼酎飲み放題300円!一升瓶がど〜んとテーブルに。自慢の焼き鳥は100円から、新鮮なとり刺しは500円とリーズナブル!

住所:鹿児島県霧島市国分中央3-15-13
電話:0995-45-5501

住宅街に灯る大人の空間 Bar 30’s TOWSER

大人の雰囲気が漂うオーセンティックバーがBar30's TOWSERです。なんと、こちらは靴を脱いで入店するスタイル。モルトウイスキーや季節のフルーツカクテルが人気とのこと。薩摩切子のグラスでカクテルをいただきます!コースターの隅っこに描かれた黒猫のイラストにキュンとしちゃいました。

住所:鹿児島県霧島市国分中央3-14-7
電話:0995-46-1558

霧島市のよかもんを巡る旅、いかがでしたでしょうか?
グルメや温泉、美しい自然、そしてあたたかい人々と、まるで宝石箱のようにキラキラ輝く要素が詰まった霧島。誰でも一度訪れれば、はまってしまう魅力があるはず。ぜひ霧島で、あなただけのよかもんを探してみてください。

協力:霧島市
取材・文/垣花幸子 取材・写真/関屋淳子